森信静治・川口義信著「企業買収・合併の実戦法務」日本経済新聞社

最初にお断りしておきます。本書は1997年5月2版6刷となっていますので、今か
ら8年前ということで、法律の改正や制度・ルールに付いては当時の情報に基づきま
す。

目次
序章  M&Aの実戦法務
第2章 株式と経営支配権
第3章 株式取得による買収ノウハウ
第4章 営業譲渡による買収ノウハウ
第5章 合併のノウハウ
第6章 非上場企業のM&Aのチェック・ポイント
第7章 敵対的M&Aと防衛策
第8章 救済(経営再建)型M&A
終章  海外企業と実戦法務

M&Aとは、企業買収と合併という意味である。

資本多数決の原理
ー株式会社では、株主総会における議決権の行使は、株主の頭数ではなく、株式数による多数決で決められることになっている。

一株一議決権の原則
ー各株主は一株につき一個の議決権を有する(商法241条1項)
例外:議決権のない株式、自己株式、親会社株式、相互保有

株式譲渡の自由の原則
ー広く株式の譲渡の自由を認めることが株式の公開制度であり、その方法としては証券取引所への上場というかたちをとる。
例外:定款による譲渡制限

株主の権利と経営支配権
ー株式会社において、商法上、会社の経営支配はあくまでも株主総会の意思決定によって行なわれる。株主総会において決議ができる議決権を有する株主が、最終的に会社経営の支配権を持つ。

株主総会の主導権を取る持ち株比率
1)3分の1以上の持ち株比率
2)過半数の持ち株比率
3)3分の2以上の持ち株比率

株式取得による買収のノウハウ
1)株式譲渡
2)増資による方法ー第三者割当増資による新株引受
第三者割当増資の問題点
①公正な価額の決定
②支配権確保と不公正の問題

商法による制限
子会社による親会社株式の取得制限

敵対的M&Aと防衛策
株式の公開買付(TOB:テイク・オーバー・ビッド)
経営権の取得を目的として、「A社の株式を1株00円で買いたい」旨を新聞広告し、株式市場外でA社の株主から特定の株式を買い集めることである。
通常、その提示買付価格は市場価格より高く設定されるので、株主にとってもメリットがあり、短期間での買い集めが可能となる。

本当は、タイトルにもある通り、いろいろ解説を加える予定でした。
しかし、例のごとく、土曜日なのにこれより(5分後)会議に入りますので、
ここで断念です。
時間がまたとれれば、追加で解説を加えたいと思います。

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『三角合併と業界再編―新会社法から企業動向まで60分で誰でもわかる!』三角合併ビジネス研究会(著)

出版社: ブックマン社 (2007/03) ISBN-10: 489308657X

目次

内容:
第一章 サラリーマンでも知っておこう(会社法)
第二章 三角合併っていったいなんだ!?
第三章 自分の会社は大丈夫!? 三角合併で予想される事態
第四章 動く? 動かない? 業界再編徹底予想
第五章 合併間近で株の取引! 今から覚えても遅くない!
第六章 三角合併に関するQ&A
第七章 付録 今後の合併予想 業界別企業データ

◆三角合併とは何か?

『三角合併とは、企業合併の方法のひとつで、吸収合併を行う際に使われる手法だ。親会社Aが
子会社Bに対し、吸収される会社Cの株主に対する合併対価として、親会社の株式を付与、
その株式をCの株主に交付する。CはBに吸収されつと同時に、Cの株主はAの株主になるという
仕組みで、この3社の関係から三角合併と名づけられた。』

◆M&Aの仕組みを知る

『 M&Aは、企業を買収する側、売却する側の双方にメリットがある。買収する側のメリットは、
ひとつは会社規模・事業を拡大できることだ。同業他社を買収するこちにより、業界シェアを
拡大することもできる。もうひとつの特徴として、経営の多角化があげられる。・・・』

◆三角合併の驚異!?日本はこれから狙われる

『 今回の三角合併は、大きくいってしまえば、お金の流れに国境がなくなり世界中が1つの
マーケットとして統一されていく、その第一歩のようなもの。現金を用意しなくても、
会社を買い取ることができるようになってしまったのだ。現金を用意するには、それなりの
時間がかかるが、それがなくなったため、株式を上場しているところならば、即座に相手の
会社を購入出来る状態になっているのだ。』

◆買収拒否!

『海外の超巨大企業にターゲットにされてしまったら、もう買収される道しかないと思って
いないだろうか?事前の対策も重要だが、実は買収の動きは拒否することもできるのだ!』

★83ページと薄い本で、お値段も安いので、お手頃です。
ただ、途中、14ページも超初心者向け、株式取引口座がハイってますので、
そうした情報必要ない方には、「オイオイ」という感じかもしれません。

タイムリーなネタと、薄く、安い点では、良いと思います。

中小企業でも、M&Aが一般的になってきました。

 

 

 

 

 

本日は、この辺で。

編集後記

週末、家族で、買い物に出かけました。

妻の、ラジカセが動かないということで、家電量販店に見に行きました。

その帰り、駐車場を出ようとしたときに気がつきました。

汗、汗。あれっ、

さっき精算したばかりの駐車券がない、が~ん。

慌てて、事前精算機の前に戻ると、残念ながら、見当たりません。

それから、電話したり、あっちの人、こっちの人と、

タライ回しにされながらも、

最後は、無事に、追加料金を払うことなく、出れました(ホッ)。

次回から、気をつけます。

臼井宥文(著)「日本の富裕層」宝島社

 

 

4796651454

目次
第1章 知られざる富裕層大国・日本
第2章 富裕層とは誰か?その正体を探る
第3章 富裕層の「お買い物」を覗く
第4章 対富裕層のプロが明かす「口説き方」
第5章 景気回復のキーマンは富裕層

◆スネ夫と越後屋に象徴されたお金持ち

『マンガやドラマで描かれた典型的な富裕層、お金持ちのイメージといえば、「水戸黄門」
の越後屋、「ドラえもん」のスネ夫のようなものではないでしょうか。「腹黒い」「陰険」
「下品」「嫌味」「ケチ」「弱いものいじめ」と散々です。』

『お金を持っていると公言すればするほど、メディアに取り上げられ、仕事での信用度が
高まり、株価も向上する。株価の上昇で価値が増した自社株式を武器にM&Aを推進し、
さらにお金持ちになり、より派手な買い物をして、さらに知名度が増す─。』

◆日本人の100人にひとりが富裕層

◆ニューリッチの五分類
◎勝ち組リッチ
◎プロフェッショナルリッチ
◎ラグジュアリーリッチ
◎ストックリッチ
◎リタイアリッチ

◆学歴で見るお金持ちの結婚相手

◆ニューリッチが財布のヒモをゆるめる五大ニーズ
◎資産防衛
◎教育・社会貢献
◎美容・健康・アンチエイジング
◎エンターテイメント
◎セキュリティ

◆「人並み」を嫌う富裕層が望む時計
「ボヴェ・ジャパン」

『・・富裕層にモノを売るには文化がないと売れない」。・・』

◆アートフェアで築く世界の富裕人脈

◆対「富裕層」営業マンに必要な資質

◆富裕層と営業マンの利益は合致するか

◆対富裕層の話題とは

★けっこう、字が大きく、行間も広いので、軽く小一時間で読めました。
トヨタがレクサスを作るように、富裕層をターゲットにしたビジネスは
これからの時代の流れのようです。

しかも、中流をターゲットに大量生産、販売をするよりも、
非常に効率的だという話です。

ひまひとつ、自分が富裕層に食い込んでいく姿が想像できない、
イメージ貧困な私にとっては、
自分のビジネスに活かすという、ところまでは行きませんでした(残念)。

ただ、流行の雰囲気はありますので、ご興味あるかたは、どうぞ。

本日は、この辺で。

 

『M&A時代 企業価値のホントの考え方―株式市場から評価される会社のお作法』保田 隆明・田中 慎一(著)

版社: ダイヤモンド社 (2007/3/16) ISBN-10: 4478000638

目次

序章 「ファイナンシャルリテラシー」
企業を取り巻く経済環境の構造変化を知ろう

第1章 「企業価値」
企業の値段は何のために計るの?株価や時価総額との関係は?

第2章 「IR」
株式市場との対話ってどういうこと?投資家は何を知りたいの?

第3章 「M&Aと資金調達」
投資家が評価するM&Aと資金調達とは?

第4章 「MBO」
非公開化で会社はどう変わるの? 利益相反って何?

第5章 「敵対的買収」
誰が誰に対して敵対的? 買収防衛作はどこまで有効?

第6章 「三角合併」
外資による乗っ取りが増えるって本当? 企業経営はどう変わるの?

第7章 「コーポレートガバナンス」
経営者と株主、取締役の関係は? 誰が何をチェックするの?

◆いま、株式市場の周辺で何が起きているのか

『 ライブドアや王子製紙による敵対的買収の試み、上場企業による買収防衛策の一斉導入、ワールド、
すかいらーく、レックス・ホールディングスなど相次ぐMBO(Management BuyOut:経営陣による企業買収)
に伴う非公開化など、最近の株式市場で起こっている出来事はすべて、これまでの日本では考えられなかった
ようなものばかりです。
実は、最近のこのようなM&Aなどのコーポレートファイナンスに係る活動は、企業を取り巻く環境変化の
「大きな流れ」を反映しているものです。』

◆日本の企業社会の構造変化

①株式持合構造の解消
②M&Aに対する意識の変化
③「企業は株主のものである」という意識の浸透

◆金融システムの変化

『 ところが、バブル経済が崩壊すると、不良債権処理に苦しむ銀行は、著しく弱体化し、事業会社の財務を
丸抱えできるほどの体力を失ってしまいました。銀行は、事業会社への貸出しを減らすとともに保有株式を
大量に売却することになります。さらに、金融商品会計が導入されると、この動きに拍車がかかり、事業会社も
持株を大量に放出し、株式持合構造が完全に崩壊することになったのです。
事業会社も銀行が頼りにならないということに気がついた途端、資金調達の途を資本市場へ求めるようになり
ました。これが間接金融から直接金融へのシフトです。こうして、昔は銀行が面倒を見てくれていた財務戦略を
事業会社の経営者が自ら考えなければならなくなったのです。
このように、戦後50年続いた間接金融体制が崩壊し、経営者が直接資本市場と向き合わなければならなくなった
のは、実は、ここ10年ほどの最近の出来事なのです。筆者は、多くの経営者が株主資本主義に抵抗を感じる
最大の原因はここにあると思っています。』

◆米国資本主義にも新しい潮流

『 グーグル社の狙いは、経営陣自ら議決権をできるだけ多く保持することによって、経営陣が思い描く長期的な
経営計画に基づいて安定的な事業運営を行う環境を確保することにあるわけです。「安定運営を確保する」と
いえば聞こえはよいのですが、グーグル社の場合、その心は「インターネットの世界を席巻する最先端技術に
どうせ素人株主はついてこれないだろう。余計な口出しはするな。俺たちを信頼してくれ」というのが本音で
あり、外野のうるさい声をシャットアウトする仕組みを作り出しているわけです。
それに対して、株式市場も「我々素人が余計な口出しをするより、経営は彼らに任せておいた方がいい。
自分たち株主は経済的利益にあずかれば十分満足」と考え、・・・』

◆現代のビジネスに不可欠なファイナンシャルリテラシー

◆企業価値と株主価値、時価総額の関係 p-54

◆所有権獲得プレミアム

◎図表3-1 株主割合と株主の権利(会社経営の影響度)p-95

◆ファンドはどのようにして儲けるのか

◆MBOの実際のスキームはどうなっているか? P-133

◆敵対的買収の成功は難しい

◆敵対的買収の標的となる企業の共通点

①キャッシュリッチであること
②PBRが低いこと
③浮動株比率が高いこと

★M&Aという言葉自体は、お茶の間の言葉となりました。
でも、
マネジメント・バイ・アウト、MBOや、
レバレッジ・バイ・アウト、LBOだったり、
三角合併など、
聞きなれない、あるいは、新しい用語もあります。

この辺が分かると、大企業のやっている戦略がよく分かります。
今度、中小企業でも、M&Aは急速に広がりそうです。
全ての経営者の方に、M&A入門本として、おすすめです。

本日は、この辺で。

編集後記

先日、ムスメのお迎えに行った折り、

ムスメの友達が、

「ぶ~ちゃん、お迎えだよ!」

と、いうのを聞き、

俺も、ぶーちゃんパパとして、認められているんだなぁと、

感慨深く思っていたら・・。

「なんで、ママのお迎えじゃないの?」

「ママは、お風邪?」

など、質問とブーイングの嵐。

よくよく聞いてみると、下の子(9ヶ月)が、お友達に大人気で、

みんなは、赤ちゃんに会えるのを楽しみにしていたところ、パパで

がっかりしたようです(*´Д`*)。

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投稿者 himico-blog