それでは、今日の一冊です。

岩井義照著「会社が明日から無借金になれる」

東洋経済新報社¥1500ーです。

筆者は商工中金を退職して、中小企業を多重債務から
救うことを目的に研究と実践を行い、
(有)祝経営研究所というコンサルタントをやされいる方です。
以前紹介した本と異なる点は、法人の銀行借入に焦点を絞っていることです。
その為に、「担保物権さえ捨てれば、すべての借金は消える」
ことが中心の主張です。
理論的根拠として、「ノンリコース」(遡及しない)ローンと呼ばれる欧米系の融資制度の日本での適用を掲げています。
言葉だけは聞いたことがありました。
ノンリコースとは、
そもそもプロである銀行が融資の際、担保の評価を銀行自身の自己責任で行い、金利というリターンと貸倒というリスクを評価して融資を行った訳なので、返せない場合に担保さえ渡せば、それ以上溯って返済を追求できないという考えです。
加えて中小企業では当たり前の現実である、代表者保証という制度も先進国30カ国で認められているのは、日本だけという驚くべき事実です。多くの先進国で今から80年も前に「個人保障廃止」の法律を作ったというのですから、さらに驚きです。
実務面のアドバイスも具体的に書かれていますので、ご興味ある方は是非、参考までにお読み下さい。

私が本書で一番共感した部分は以下の下りです。

日本は中小企業立国である。中小企業がGDPの約70%を担い、
全労働者の6割以上を雇用しています。

したがって、中小企業が活性化すれば、同時に消費が活発化し、
日本の景気は回復します。

日本はまさに、世界一の中小企業立国なのです。

★こんな話を聞くと何だかワクワクしてきます。
そうか自分たちの日々の仕事が、日本を支えている。
大企業の人々ではなく、自分たちなんだ、って。
(大企業にお勤めの方々、ごめんなさい)

中小企業のオーナー社長同士で、食事していると、会社の借入の代表者保証をどうやって外すかという話題がでてくることがあります。

そして、そこでは、代表者保証、連帯保証を外せれば、どれだけ、自分が自由になれるかという話になります。

ぜひ、「ノンリコース」ローンの普及が望まれます。

法制化されるまでは、個別交渉となってきますが、となれば、いかに財務の健全度を高めるかが、重要ですね。

 

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投稿者 himico-blog