梅田 望夫(著)「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」ちくま新書4480062858
目次
序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
第1章 「革命」であることの真の意味
第2章 グーグル―知の世界を再編成する
第3章 ロングテールとWeb2.0
第4章 ブログと総表現社会
第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
第6章 ウェブ進化は世代交代によって
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち
◆ネット世界の三大法則
第一法則:神の視点からの世界理解
第二法則:ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
第三法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=Something あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積
『「夫婦共働き(ダブル・インカム)」に代わって、『リアルで共働きは当たり前、それに加えて
夫婦それぞれの分身がネット上で稼ぐクアドラプル(四ヶ所からの)インカムで、家計のポートフォリオを組む」
時代がやってくるかもしれない。ネット上のバーチャル経済圏の存在は、ネット未経験者には全く実感できない
世界である。』
◎第三法則とは
『「一億人から三秒の時間を集める」ことで「一万人がフルタイムで一日働いて生み出すのと同等の価値を
創出する」ような考え方のことである。たとえばお金であれば一円以下の端数、時間ならば数秒といった、
放っておけば消えて失われていったはずの価値を「不特定多数無限大」ぶん集積しようという考え方・・・」
◆政界政府が開発しなければならないはずのシステム
『グーグルは自らのミッションを「世界中の情報を組織化(オーガナイズ)し、それをあまねく誰からでも
アクセスできるようにすること」と定義している。』
◆ゼロから自分たちで作る
『グーグルはコンピュータメーカーではあるが、作ったコンピュータ・システムを売る必要はない。
巨大システムを自社サービス実現のために一つだけ作って、グーグルが世界に向けて提供する
サービスの情報発電所インフラとして利用すればいいのである。』
◆新しい富の分配システム
◆グーグルの組織マネジメント
◎情報共有こそがスピードとパワーの源泉という思想
◎「ベスト・アンド・ブライテスト」主義
『「凄く頭のいい優秀な連中というのは皆、自分を管理できるのだ」という、
身のふたもない原則に支えられたプロセス。』
◎5,000人がすでての情報を共有するイメージ
「情報自身が淘汰を起こすんだよ」
「誰も関心を持たない内容は、その存在すら知られないまま、ほとんど誰からも読まれずに
忘れられていく。読まれなかった情報は価値がない情報だったとみなされる。・・・」
★ 本当に、面白い本で、一気に読んでしまいました。
ブログについても、興味深い話がありました。
表現者は、現在のマスメディアの環境では、
国民の1万人に1人というエリート集団です。ところが、ブロガーまで広げると10人に1人
ぐらいにまで、落ちてくる。しかも、その中で、面白い・役に立つ情報を提供する人が、
表現者として、選抜されていく社会が、実現しようとしています。
ある映画のエピソードで印象に残っているシーンがあります。
(残念ながら題名は忘れました、ご存知の方は、コメント下さい)
あるコンピュータプログラマが、会社の給与システムの抜け道を探し出し、
全社員の給与の端数、1セント以下となり、実際には振り込めない額を、
塵取りであつめるように、自分の口座に集め、会社と言うのか、全社員1人づつからくすねたお金が
凄い大金だったということです。
また、
ベスト・アンド・ブライテストというのは、確かロバート・ハルバースタムという作家が同タイトルの
本を出版しています。
ケネディ大統領のスタッフが、その当時の米国の最高の頭脳を集めたにもかかわらず、
ベトナム戦争の泥沼に突入していってしまった、教訓的なストーリーだったと記憶しています。
グーグルには、ぜひ、新しい時代を開拓して欲しいと思います。
個人的には、リアル世界には地域経済格差が存在する。しかしアドセンス世界には地域経済格差がない。
という、「経済的格差の是正」という仕組みに、希望を持ちました。
本日は、この辺で。