加治将一・八木宏之著「借りたカネは返すな!」

アスキーコミュニケーションです。
かなり刺激的なタイトルですが、住宅ローンがある方、経理の方はもちろん、
大学卒業ぐらいの年齢以上の全ての人が読んだらいいなと思う内容です。
具体的には、
◎リスケジュール(返済条件の再交渉)
◎民事再生法(法人、個人)
◎特定調停手続き(これは裁判所で借金の減額を決めます
◎サービサー(債権回収会社との交渉
◎消費者金融「金利引き直し」
◎自宅を守り切る方法
◎連帯保証から逃げ切る
などです。
幾つか紹介したいのはやまやまですが、ちょっと引用が長くなり過ぎるので
是非手にとってお読み下さい。

自殺者がまだまだ増加する傾向にある日本です。
これを読めば、打つ手はまだまだあると、ちょっと心が軽くなると思います。
筆者は、
連帯保証人には絶対なるな。
街金には手を出すな。
どんなに苦しくなっても、身内・親戚を巻き込むな。
自宅は最後の砦として手放すな。
と繰返し伝えています。
私もこれだけは肝に命じておこうと思います。

尚、この本は
いつもお世話になっているあるお客様からお借りしました。
大変勉強になりました。この場をかりてお礼申し上げます。
本日は、この辺で。

『ダイエーを私に売ってください。』広野 道子高嶋 健夫

出版社: 徳間書店 (2006/05) ASIN: 4198621624

目次

序章 ダイエーを私に売ってください。―広野流ダイエー再生プラン
1章 「温故知新」と「女尊男卑」で再生した『洋菓子のヒロタ』―当たり前のことを当たり前にやる
2章 スピード重視の再生ビジネス―「ゼロから創るよりスピードが早い」が魅力
3章 低迷・衰退産業こそ宝の山―私が「ドットコム」を捨てた訳
4章 「プロの消費者」がニュービジネスを創る―感性を磨き、アンテナを広げて“原石”キャッチ
5章 おカネの正しい集め方・使い方―消費者視点の日本発投資会社を目指す
6章 役に立つ人脈の作り方と効果的プレゼン術―あなたの熱いハートが未来を切り拓く
7章 広野流“やってみなはれ”の人財活用術―社員の能力を引き出す法
8章 「丹後商人」の遺伝子と「お嬢さん感覚」の融合―私の自然体経営のルーツ
終章 女性たちよ、大志を抱け!―女性が幸せになれる社会を作りたい

◆再生のカギは「中内商法」への原点回帰にあるのでは

『価格決定権は生産者ではなく、消費者の代弁者たる流通業者にある』

◆創業者の全面否定では意味がない

『中内イズムを全面否定するのではなく、「80%は残して、20%をリフレッシュする」
くらいの考え方で再生の方向を探るべきです。「80%」とはビジネスの基本理念、
「20%」とは実際の商売のやり方。つまり、今でも十分に通用する基本理念を徹底的に
追求し、現代流にアレンジして商品やサービスを提供すればいいのです。』

◆計画より2年早かった再生手続き完了

『 わたし21LADYが経営破綻した「洋菓子のヒロタ」のスポンサーとなって再生に着手したのが
02年6月。それから全力で、そして全速力で立て直しに取り組んだ結果、当初5年を見込んでいた
再生手続きは予定よりも2年早く、わずか3年で完了し、この終結通知に至ったのです。』

◆創業80年の老舗企業を破綻に追い込んだ3つの要因

◎第一が、「経験のない新規事業への参入」

◎第二が、「新工場への過大投資」

◎第三が、「CI導入による店舗のイメージダウン」

◆「悩んでいるヒマがあったら行動を起こす!」

『 私が具体策として打ち出したのは、二つの改革です。まず営業面では、商品ラインの見直しと
店舗の全面リニューアル。売れない商品を廃番にし、看板商品のオリジナルシュークリームや
シューアイスなどの売れ筋の定番商品に絞り込む。店舗についても同様に売れ行きの良い店を
重点的にリフレッシュする。同時に社内体制も一新。組織のフラット化と中堅・若手社員への
権限委譲を推進し、特に店舗スタッフなどのパート・アルバイトを含む女性従業員の意思決定の
場への登用を積極的に進める。』

★ヒロタのシュークリームは、私も大好きでした。
当時関西に住んでおり、父親がたまにお土産で買ってきてくれたのだと思います。

そういった小さな頃の思い出・ブランドイメージは、非常に強く。
今でこそ甘いものを食べなくなったので、買いませんが、
大人になってたまにお店を見かけると、よく買っていました。

また、洋菓子ブームでありますが、
シュークリームの市場が圧倒的に大きいことは、知りませんでした。
個人で食べるだけでなく、お土産需要がしっかり根付いていると思います。

そういう意味では、斜陽産業の業績不振会社には、
まだまだ、経営改革・革新によって、
V字回復するチャンスが潜んでいる事がよく理解できました。

本日は、この辺で。

『1年で黄金の会社を生み出すカラクリ―企業再生屋さんがコッソリ教える』坂田 薫 (著)

出版社: ビジネス教育出版社 (2007/11) ISBN-10: 4828301925

目次

第1章 「儲けること」と「お金持ちになること」は別物

第2章 中小企業と上場企業のルールはぜんぜん違う

第3章 貧乏会社から金持ち会社へレッツ・ゴー

第4章 儲かるビジネスモデルを作りましょう

第5章 「金持ち会社」を作るカラクリ

第6章 そして、お客様から学ぶ会社だけが生き残る

第7章 「黄金の会社」を生むカラクリの作り方

第8章 みつけよう、あなたの中にある「黄金の会社」を生み出す方法

『 10億円のお小遣いが手元にあったら何をしますか?まさか、会社をおこしたりはしないでしょう?

10億円あったら新興市場の株に投資すれば株価を思いのままに動かそう。

株式投資とかが一番効率がよくて、儲かるかな~。税率だって事業をするより、

株式投資のほうが絶対に優遇されているし。』

◆新規事業で儲けようとするのは中小企業。ところが上場企業は・・・・

『 中小企業なら新規事業で儲けることは当たり前。だけど、上場企業は事情が違う。
先方の会社は新規事業というアドバルーンを揚げて株価を上げ、資金集めをしたいらしい。
この事業で「儲かる・儲からない」は二の次。
よくあるでしょう。「相乗効果で・・・・」などという発言。あれはその先の利益がいくらに
なるかわからないときに使う言葉。』

◆利益は儲けを作り、利益率は金持ちを作る

『 日本の中小企業のほとんどが自己資本の少ない状態で起業する。そして、資金が足りなくなると、
資金の調達は間接金融(銀行借入)しか選択の余地がない。その結果、有利子負債ばかりが増え、
損益計算書のどこにも出てこない返済元金という出費が毎月計上される。これは、税引後利益の
中から返すのだ。したがって税引後利益が0円なら一銭も返済できないことになる(実際には
返済原資に減価償却費が加わる)。
だから、この会社のひょうなことが日本のあちこちで起こることになる。
中小企業は儲けることはできたとしてもその儲けは返済で消えてしまい、損益計算書の上では
儲かっていても金持ち企業にはなれないのです。
また、悲観的なことばかり書いてしまった。でも、しょうがないよね。金融機関の支店で
融資を担当すると「企業の粗」ばかり見えてくる。この国の中小企業の置かれている厳しい状況
ばかり見えてくる。それでも、したたかに生きている企業に会うと僕は、逆にとても勇気づけ
られる。彼らは逞しく、狡猾だ。彼らはいつも考えている。彼らは「努力すれば必ず報われる」
なんて安い言葉は口にしない。
初めからの金持ちはさらに金持ちになれるが、そうでない人は、儲けることができても金持ち
にはなれない。そんな国で、「どうしたら金持ち会社になれるのか?」を、これから解き明かし
ていこう。』

★最初の言葉には、
ちょっと、どきつい、キャッチーな内容が盛りだくさんです。

ただ、
借入金過多になりがちな、中小企業の実態を表しているのは、事実です。

どうにか、
無借金経営や、プチ無借金経営、プチ無借金経営になるマネジメント手法を
研究したいと思います。

本日は、この辺で。

編集後記

オシム監督が、少し、良い方向に向かっているそうですね。

まだ、どうか分かりませんが、

先ほど、岡田監督を次期に日本代表監督に、依頼する方向で調整すると、

テレビで、言っていました。

またしても、

難しい時期のオファーとなり、

誰が後をとっても、やりにくい状況ですが、

ぜひ、頑張ってもらいたいと思います。

 

2020年3月22日追記

 

今こそ、こうした企業再生屋・事業再生屋の力が必要な時代に変わってきました。

土光 敏夫(どこう としお)

東芝を再建させ、経団連の会長にまでなられた、「めざしの土光さん」が再建屋では有名ですね。

存命の方では、

JALを復活させた、稲盛和夫さんでしょうね。

僕も著者や、講演CDで、勉強させてもらいました。

 

中小のコロナ倒産を防ぐ「コロナ・リストラの3ステップ」

永森重信(日本電産社長)「人を動かす人になれ!」三笠書房

★言わずと知れた、現役バリバリの創業社長です。ベンチャーから上場企業を創り、今ではM&Aと企業再建の達人です。
ホリエモンも凄いですが、この方のほうがことM&Aについては、年季も経験も、そして成功体験も断然上です。

目次
序章  「一番以外はビリと同じ」と考えろ!
1章  「人を動かすのがうまい人」のこのやり方
2章  指示の出し方-何をどう話すか
3章  叱り方、褒め方①-人を動かすこのノウハウ
4章  可能性を秘めた人間を見抜く、育てる
5章  女性中途採用-相手によって手法を変えろ!
6章  叱り方、褒め方②-”部下”を動かすこのルール
7章  理屈で人は動かない!だから-
8章  リーダーの敵は、妥協である
9章  組織を動かす人が絶対に知らなければならない「考え方」
10章 一回でダメなら、二〇回続けよ

◆一流、一番を目指すから、人はついてくる

◎製品に付いては世界一の品質と精度でなければならないし、市場のシェアでも決して2位、3位に甘んじるようではいけない。
セールス力、マーケティング力においても同業他社に後れをとってはならないと考えている。もちろん、人材についても
一流、一番をめざしている。

◆人に嫌われたくないという本能を捨てろ!

◆世間の常識に押し流されるな

◆ユーザーを意識する組織をつくれ

◆キャリア、年齢、学歴は一切関係ないと考えろ

◆1日100回でも同じことをいわないと、考え方、方針は理解されない

◆自分が働くのが好きでなければ人は動かない

◆不良品は不良社員がつくる

◆モラルは「押しつける」のではなく、なぜ必要か説明しておく

◆本当の会社の仕組みを教えるから、職業観が生まれる

◆手塩にかけなければ人は育たない

◆5万円の損害だからこそ、5億円分叱れ

◆褒め言葉を見つけてから叱るのがコツ

◆一度叱ったことはすぐ水に流せ

◆叱るときには徹底的に叱る、わたしの理由

◆マナー礼儀作法を知らない社員は使いものにならない

◆部下の成長は、「眼光」と「顔光」、そして声の大きさでわかる

◆短所にこだわるな!

◆夜遅くまで残業する人よりも、朝30分早く出社する人を重視する

◆ハングリー精神を持った人材をどう見分けるか

◆成績よりもトップのポリシーに共感できる人を使え

◆仕事も人材も、ベストを求めずベターを追求せよ

◆手紙やファックスで人間的な絆を深める

◆加点主義の風土がやる気を生み出す

◆大きな成功体験には大きな報酬を

◆絶対わすれてはならない、指示を出す手順

◆相手のキャリアによって話の内容をアレンジする

◆人を動かす人間に土日も盆も正月もない

◆「二番というのは一番の次ではない」-淘汰の時代の、この考え方

◎利益で換算すると、2位は1位の10分の一、3位は同じく100分の一、4位なら利益どころか赤字に転落してしまう。
その勝負を決するのは
①スピードが50%
②ハードワークが30%
③トータル能力が15%
④学歴や経験が3%
⑤社歴や知名度が2%

◆「失敗は必ず解決策を一緒に連れてくる」

◎若いときに一度でも多く経験すべきだと思う。失敗を宝の山にするのか、ゴミの山にするのかは本人の心がけ次第。
このあたりも、部下たちは注意深く観察しているものである。

◆人間性が一流の人と、三流の人の、この人づかいの差

◎「一流の能力を持っていても、人間として三流の管理者であれば、五流以下の業績しかあげられない」

◆「部下が使えない」というのは自分に問題があると思え!

◎あらゆる物事は一朝一夕には運ばない。部下とはいえ、他人の意識を変えていこうとするのである。これまで自分自身に染み付いた
固定観念を180度転換させるぐらいの自分に対する意識改革も不可欠となる。

◆どんな場合もケジメをはっきりつけておく

わが社では、勤務時間内は原則的にプライベートな会話をすることを禁じている。減点主義ではないので、罰則は何もないが、
普段から仕事のプラスになる話以外は、休みの時間か仕事が終わってからするようにと、口酸っぱくしていっている。

◆相手が苦しみ、悩んだときこそ、リーダーシップを発揮しろ!
◎感性豊かな人材でなければ、リーダーシップを発揮することができないからだ。つまり、IQだけでは人を動かせない。
では感性の豊かさとは何か。これをひと言で言えば、行動や言葉によって相手を感動させたり、感激させることである。

◆自分のポストを脅かす部下を育てろ!
◎係長を育てられる人は課長になる資格があるし、部下を課長にできる人は次長や部長になる力があるという証明なのである。

この方は叱ることを、非常に重視されています。
しかし、叱ると褒めることを必ずセットで行なう点、さらには、叱るのは必ず口頭で、褒めるのは手紙で褒めちぎるそうです。
なぜなら、形に残るし、家族にも見せられる、からです。
ちなみに、タイトルの早食いは、本当に入社試験で行なったそうです。当時、一番早く昼飯も終えた順に、成績も見ず採用したそうです。
結果は、今までの新人の中で、最優秀とのことです。後で見たら、学校の成績は、かなり悪かったそうです。

本日は、この辺で。

杉野正著「俺が黒字にしてみせる!」かんき出版

 

日本には今まで再建屋と呼ばれる偉大な経営者がたくさんいます。直近では残念ながら本日の日経新聞にセクハラ裁判という不名誉な記事。

になってしまった方もそのお一人だと思います。この杉野社長は実績もあり、すでにその腕を買われて2社目に移っている現役バリバリです。

長野県しなの鉄道の再建のため、田中康夫知事よりエイチ・アイ・エスから出向したサラリーマン社長はの実話です。

まずはすべて「3割削減」、コストを落とす。

次に経営数字を翌月に見ても遅すぎる。

すべての決算が済んでから次の一手を考えて業績向上を目指しても、それはどだい不可能な話だ。

売上のデータは毎日かかさず見ること。 経営数字はまず始めに支店ごとの売上のを見る。

それでも原因を突き止められないときは、個人のデータを見る。

そうしないと間違った解釈で人事を行う可能性があるので順番は絶対である。

また、中小企業は先駆者ではないのだから、意地をはらないで、素直に「いいものはいい」と認めることだ。

赤字企業はまねが下手だということも言い切れるだろう。

本人はケチで嫌われものの社長であるが、結果を残す良い社長と自己評価されています。

しかし、社員のことは常にほめろと書いています。

8割ほめて、2割怒る、部下の良いところを見つけてあげようという気持ちがないと、部下は一人もついてこない。

最後の言葉、難しいですね。

部下に限らず、自分は棚にあげ、他人のことになると悪いところにばかり目がいきます。

コツは、嘘にならないように、本当に自分が思ったときに言ってあげればいい。

気が付いたらすぐほめないとダメなそうです。

そういえば、私もさっきの一件、さっそくメールででもほめることから始めて見よう。

それでは、また!!

 

 

 

『お払い箱のビジネスモデル』小屋 知幸(著)

出版社: 洋泉社 (2006/04) ISBN-10: 4862480233

目次

ビジネスモデルの賞味期限
携帯電話―ソフトバンク参入により旧秩序が流動化し、大競争時代が始まる
放送―「通信と放送の融合」はテレビ局を大きく変化させる
広告―テレビ広告の黄金時代は終わり、ネット広告がイノベーションを起こす
ネット証券―リテイル金融ビジネスでメガバンクを凌駕する日は来るか
クレジットカード―金融ビジネスの枠を超え、IDビジネスへと進化する
コンビニエンスストア(CVS)―脱セブン‐イレブンを目指した差別化だけが生き残る道
総合スーパー(GMS)―時代遅れのビジネスモデルをいかに再生するか
アパレル―SPA型ビジネスモデルにより勘と経験の世界から脱却
外食―消費者ニーズの大転換期に伴って、同質競争からの脱却を図る
雇用構造変化により巨大市場が生まれる
介護保険法改正によって新ビジネスモデルへの移行が始まる
勝ち抜くビジネスモデルの法則

◆最後の”規制産業”である携帯電話

『 携帯電話業界の”天国”をもたらした要因は以下の4点にまとめられる。

①携帯電話市場は拡大していた
②携帯電話事業には厳しい参入規制があった
③携帯電話ビジネスは、固定通信の世界におけるADSLやIP電話のような、
破壊的新技術の脅威に直面していなかった
④携帯電話業界には、ヤフーBB(ソフトバンク)のような業界秩序を破壊する
チャレンジャーが存在しなかった

◆通信ビジネスの基本は「土管屋型ビジネスモデル」

◆過度に若者にフォーカスしてきたマーケティングの限界

◆なぜ大人向けの良質な番組が少ないのか

『 自分なりの生活スタイルが固まっているので、新しい商品を薦められても、すぐに飛びついたり
しない。また大衆に付和雷同するのではなく、自分の尺度で行動しようとする。
このような人は広告に影響されにくく、テレビCMの効果が低い。
その対極にいるのが子供あるいは若者だ。彼らは自分の生活スタイルや価値観が固まっていないので、
すぐにCMに影響される。』

◆自動車さえもWebで売れる時代に?

◆「セールスはいらない。ツールがあればよい」

『 IT革命以前は、プロである証券会社と素人である個人投資家の間における”情報の非対称性”が
非常に大きかった。
個人の投資家としては株式投資にかかわる専門情報は証券会社の営業マンから取得するほかなく、
「営業マンと親しくなって、儲け情報を教えてもらおう」というようなスタンスで行動する投資家が
多かった。・・・
ところがIT革命以降は、証券会社の営業マンと個人投資家間の情報の非対象性が少なくなり、
多くの個人投資家は営業マンの提供情報に依存しなくなった。
投資情報を得るのも、売買注文を出すのもネットの方がはるかに効率的であり、「セールスはいらない。
ツールがあればよい」というコンセプトを支持するユーザーが加速度的に増えた。』

◆ネット化の奔流が押し流した旧来のビジネスモデル

①カタログ通販からネット通販へ
②転職求人誌から転職サイトへ
③旅行代理店から・・・

◆過剰在庫や品切れによる機会損失を最小限に食い止めるSPA型モデル

『 一方のSPA型ビジネスモデルであるが、SPAとは「Spesialty store retailer of Private lavel Apparel」
の略であり、日本語では「製造小売業」という。
製造小売業といっても工場を持っているわけではなく、生産まで責任を持つということであり、ビジネスの
ベースは小売業にある。
旧来のアパレル専門店が問屋から・・・』

◆販売価格を下げながら、粗利益率を大幅アップさせた離れ技

★2006年5月出版なので、
ちょうど1年が経過しています。

この手の、
現状分析・予測の本は、すぐ古くなりがちですが、
けっこう、参考になりました。

介護ビジネスの転換点などは、
コムスンの折口会長が、ビジネスモデルの切り替えを宣言したばかりなので、
書いたとおりになりつつあります。

本日は、この辺で。

編集後記

昨日は、上高地へ行ってきました。

1泊2日なので、

あまりのんびりは、できませんでした。

でも、

空気は澄んでいて、鳥の鳴き声が響き、

サルが歩き回る、自然溢れる土地でした。

新緑の今が、一番、良いシーズンだそうです。

『インサイドアウト―事業部再生の2年10ヶ月』土岐 勝司 (著)

出版社: ダイヤモンド社 (2006/9/8) ASIN: 4478082502

目次

第1章 中部事業部に異動を命ず
第2章 中部リバイバルプラン発表
第3章 オフィス改革を断行する
第4章 営業を強く鍛える
第5章 兆し
第6章 『学ぶ社風』を浸透させる
第7章 人を正しく評価する
第8章 シェア拡大への正念場
第9章 昇格!中部事業本部、誕生
第10章 エピローグにかえて

◆正しい戦略と最速実行

『私のマネジメントの根本は、「明確なビジションの下」に「正しい戦略を最速で実行する」ことに尽

きる』

『そこで戦略立案だが、そのポイントは、
①敵を知る(マーケット分析)
②味方を知る(現状分析)
③未来を予測して仮説を立てる(戦略立案)

◆人材戦略の不在

◆正しいリーダーシップ(最速実行のために)

『リーダーとは、「圧倒的な能力と情熱を持ち、自分のチームの質と量を最大化させる人』

◆経理伝票から見えてくるもの

『少し時間ができたので、以前から気になっていた経理伝票のチェックを行なった。
お金の入りと出を仔細に見ることによって、組織のさまざまな面が見えてくる。』

『・・・今回もさまざまな面が見えてきた。接待交際費は一部の顧客に集中しているし、
必ずしもキーマンに効率よくお金が使われている訳ではなく、仲の良い特定の相手に
明らかに片寄っている。また、課ごとにその使用状況が大きく異なる。交通費に関しては、
タクシー利用の割合が過剰だ。資産計上されている・・・』

◆営業は社内のエリートたれ

『営業は絶対にエリートたるべきだ。営業の弱い会社は、結局衰退する。
事業の正否を営業が占める割合は大変に大きい。ために営業いらずの会社というのが
存在するが、ニッチであったり、短期間の製品の差別化がたまたま営業を不要にしたりして
いるだけで、中長期で見れば結局営業が強いのに越したことはない。・・・』

◆『学ぶ社風』を浸透させる

◎議論下手

『さまざまな会議や打ち合わせにおいて、議論下手だなあと感じることがよくある。すべての
企業行為には目的があり、議論の目的は正しい答えをだすことであり、議論それ自体は手段に
過ぎない。
最速で正しい答えを出すために議論をするのだが、その目的意識が乏しく、議論自体が
目的化してしまう場合が本当に多い。
最も多いのは、一つの問題提起に対し解決策を出さずに次の問題提起をしてしますケースで
ある。これをやると最新の問題に議論が集中し、最初の問題は必ずどこかにいってしまう。
次に相手の話を途中でさえぎるケース。これも実に多いが、相手の主張を最後まで聞かずして
正しい反論などできるわけがない。テレビの国会議員の討論などで実に多いが、相手を尊重する
という態度も感じられず、人間性を疑うし、結論はまず出ない。・・・』

★前書きでは、

『トイレ掃除やQCサークル、朝礼だけで企業が良くなるとは、私には到底思えなかった。
もっと事実に基づく具体的な話を聞きたたいと、いつも思っていた。』

とあるように、実際の地方の事業部長として勤務し、
その業績不振で、トップのクビがコロコロ替わる、「お荷物」事業部を、
勝ち組に育て上げた、

1年の歳月を日記にしたものです。
ですから、ちょっと、臨場感があります。

中小企業向けでは、ないかもしれません。

本日は、この辺で。

カルロス・ゴーン著「ルネッサンス 再生への挑戦」ダイヤモンド社

 

 

4478321000

目次
プロローグ 私の流儀
I 部●形成期
II 部●ミシュラン
III部●ルノー
IV 部●日産
V 部●家族・世界

◆いつもたずねられる質問

「ゴーンさんにはどんな秘訣があるのですか?障害だらけの状況を克服し、人が白旗を掲げて
降参するような厳しい環境下で会社を立て直す─どうしたら、そんなことができるのでしょうか?
どこかで優れた先生から秘訣を授けられたのですか?それとも本か何かで勉強したのですか?
ぜひゴーン流マネジメントの秘訣を教えてください」

「年月を重ねるにつれて、マネジメントとは職人の手仕事のようなもので、秘訣などなく、実際に
みずから手がけ、試行錯誤し、多くの重要な決断と下すことによって学ぶものだという思いが
強くなった。」

◆ゴーン流マネジメント

「ことはいたってシンプルである。私は実地経験を積み上げてマネジメントのさまざまな基礎を
学んだ。それだけのことである。基礎というのはつまり、問題を特定する、優先順位を確立する、
あらゆるレベルで双方向コミュニケーションを促進するといった、言わばビジネススクールの
マネジメント入門書に書いてあるようなことである。」

◆解のない問題はない

「では、危機的ではない状況ではどうすればいいのか。私は新しい目標レベルを設定したり、
新たな挑戦を与えるといった方法で緊張感を作り出している。会社がこういう形で危機管理を
持続することができなければ、社員のモチベーションは明らかに鈍り、真の収益性にとって
大切なことを軽視するようになるだろう。」

◆マネジメントに関する最初の教訓

「従業員たちが知識や教育を心から渇望していることに気づいた。」

◆人生最良の決断

◆優先順位を特定する努力

◆打てる手はすべて打つ

◆危機下のリーダーシップ

「このとき私は、スピードと正確な分析の重要性を学んだ。遅れ、先送り、決断のための会議召集と
いったぜいたくは許されなかった。」

◆アードモア工場を襲った竜巻

「アードモアの災厄を経て、私の中に確固たる信念が生まれた。リーダーは自ら現場に出て、
部下を心から案じ、支えようとしていることを伝えなければならないという信念である。
過酷な状況では、とくにそれが大切だ。口先で何を言っても従業員は受け入れはしない。」

◆フランスとアメリカの結婚

◆クロス・ファンクショナル・チームの誕生

「さまざまな部門の人々を集めて特定の課題を与えさえすれば、あとは彼らが大いに力を
発揮するのを見守っているだけでいい。」

◆悩む名門起業
◎「火星人、ルノー副社長に就任」

◆200億フランのコスト削減
◎あり得ない数字

「カルロス・ゴーンはこの業界について何も知らないんだ。三年で200億フランなんて
あり得ない数字だ」

★ゴーン流マネジメントという言葉が一時期、流行になりました。
「クロス・ファンクショナル」「コミットメント」「V字回復」「コストカッター」などなどです。

当時、口が悪い評論家は、計画された赤字に基づく、財務的手法を中心とした業績の急回復は誰にでも
できるが、その後の本当の復活ができるか?
なんて、言われていましたが、全ての公約を果たし、先ほど、ルノーのCEOに就任したのは、
ご存知だと思います。

宇宙人と言われた、松井証券の松井社長と対談したら、面白いなぁ、なんて思います。

後は、
彼をミシェランで育てたフランソワ・ミシェランや、
ルノーのNo2に引き抜いたルイ・シュヴァイツァー、
そして、倒産寸前と言われた日産から奇跡の提携をまとめ、ゴーンを引っ張った
塙義一前日産社長も、
興味深い人物ですね。

本日は、この辺で。

 


編集後記

こんにちは、寒波のなか、寒い日が続きますが、今週も元気出して頑張ります!宜しくお願いします。

昨日あたりから、

本当に寒いです。

昨日は、思わず、ムスメと散歩の途中、

貼るホッカイロと、手袋を買ってしまいました。

なんとか公園へ辿り着き、
(家からめちゃくちゃ遠いんですよ!)

砂場で遊びたいというムスメの言葉に、

それだけは勘弁してくれと、

泣きを入れました(笑)。

『そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生』横石 知二(著)

出版社: ソフトバンククリエイティブ; 四六版版 (2007/8/23) ISBN-10: 4797340657

目次

はじめに
第1章 とんでもない町に来たなぁ
第2章 そうだ、葉っぱを売ろう!
第3章 葉っぱがおカネに変わるまで
第4章 彩ビジネス急成長
第5章 転機の訪れ
第6章 彩とともに再生した町
第7章 成功のヒミツ
第8章 上勝いろどりからの提言
おわりに

『 上勝町は、高齢化と過疎化が進む田舎町。葉っぱビジネスを思いついたのも、この町のお年寄りや女性にも
できる仕事はないかと、ずっと考え続けていたからだ。葉っぱなら軽いからおばあちゃんでも扱いやすいし、
都会にはなくても上勝の山にはいくらでもある。だから、ひらめいたときに「これはいける、成功する」と
確信した。しかし、そう思い通りには進まなかったが。』

◆二十歳で上勝町へ

『 そもそも私が農業への道へ進むようになったのは、子供のころに父親からアドバイスされたことがきっかけ
だった。自分が最初から農業に興味を抱いていたわけではない。
徳島県庁で働く公務員だった父は、私がまだ中学生のころから、将来は県庁職員になることを強く勧めた。
しかし当時は、県庁に入るのは非常に狭き門。一般職では、4年生大学を卒業していても採用されるのは
難しかった。ところが、農業改良普及員という専門職は、県立の農業高校から県立農業大学校を出ていれば、
採用される確立はかなり高かったのである。
父は、これレールの上を進んで県庁の職員になることを勧めたのだ。私にはなんの異存もなく、むしろ
普及員という教える側に回る仕事は自分に向いているという気がした。』

◆打ちひしがれた町

『 上勝に来てからまず一番に驚いたのは、山や田畑で働く60代から70代ぐらいの男衆の何人かが、
朝っぱらから一升瓶を提げて農協や役場に集まり、酒を呑んで、くだを巻いていることだった。
本当によく来ていた。一体どうしてそんなに朝からずっと座り込んで、酒を呑んでいるのか。
雨が降っている日は特に多かった。そりゃもうがんがん呑んで、補助金がいくらだの、国が悪い、
役場が悪いだのといった愚痴を、えんえんしゃべり続けていた。』

『 ある日、私が農業指導で町内を回っていたときのこと。朝、ある家の前を通りかかると、縁側で嫁の悪口を
言い合っている女の人たちがいた。それがお昼を過ぎてから同じところを通りかかると、まだ同じように
しゃべっている。
「何をそんなに、しゃべっとんな」
嫌で嫌で、たまらなかった。
「なんで、そんなに人の悪口を言うんかなあ」
ひまであることが、いかにいけないか、ひまが続くことが、人間にとってこんなにも悪く作用するのかという
ことを、そのときにものすごく感じた。
人は誰でも、朝起きたときに、「今日はあれせないかん、これせないかん」と、することがないといけない。
忙しいということは、やっぱり大事なことなのだ。』

◆異常寒波でミカン全滅

『 いま考えれば、この寒害から復興するころが、私自身も上勝で一番猛烈に働いていたころだったように思う。
ミカン全滅という、ものすごい逆境に直面したときに、私の内面からは燃えたぎるような熱い力がグワッと湧いて
出てきたのだ。
農協にいる営農指導員は、私ひとりだけなのだ。
「なんとかせないかん、すぐに農家の現金収入になるものを作っていかないかん」
迅速な現金収入を一番に考えて、大急ぎで農場振興計画づくりに取り組んだ。』

◆こんな葉っぱが?

『 すると、その中の一人の子が、出てきた料理についている赤いモミジの葉っぱをつまみ上げて、
大喜びしたのだ。
「これ、かわいー、きれいねー」
「水に浮かべてみても、いいわねー」
別の子は、その葉っぱをグラスに浮かべて喜んでみている。
「持って帰ろう」
最初の子はバッグからピンク色の、アイロンがきちんとかかった、きれいなハンカチを取り出し、真っ赤なモミジ
の葉っぱをその上に、そうっと置いた。
(これが、かわいい)
私には不思議に思えた。
(こんな葉っぱが?)
モミジの葉っぱなんて珍しくもなんともない。自分の料理にも付いてきた葉っぱをとりあげて、しみじみと眺めた。
(こんな葉っぱ・・・上勝の山に行ったら、いっくらでもあるのに・・・)
その思った次の瞬間、ピッ! とひらめいた。
そうだ、葉っぱだ! 葉っぱがあった! 葉っぱを売ろう!
葉っぱなら軽いから、女の人やお年寄りでも扱いやすいし、何より上勝の山にいくらでもある。
ものすごいひらめきに電撃に打たれたように体が硬直し、次に興奮で胸がドキドキした。
「これはいける」
早速、店の人に尋ねてみた。
「こ、この葉っぱは、どこから仕入れよるんですか」』

参考記事 「マインドマップ的読書感想文」

★四国の過疎の町の農業指導員が「彩(いろどり)事業」を立ち上げ、ゼロから2億6千万の葉っぱビジネスを立ち上げた
お話です。

もちろん、
上記のひらめきから、一直線に、成功するほど、甘くなく。

自腹で、料亭めぐりをして、ようやく板場を見せてもらえたり、
日本全国の温泉地、観光地を営業で回り、市場で扱ってもらえるようにしたりと、

ありとあらゆる、創意工夫、そして、圧倒的な仕事時間を投入しています。

しかも、この人の凄いところは、それに対価を求めず、文字どおり、命がけで働いたところです。
究極のエコビジネスです。

「彩事業」で皆が忙しくなった結果として、この町の老人が元気になり、
病気もなく、医療費が少なく、ついに、公的老人ホームが廃止になるまでとなりました。
この町を研究すれば、日本が元気になれそうです。

こころから、田舎も、捨てがたいと思え、元気を頂いた良本でした。

本日は、この辺で。

中小のコロナ倒産を防ぐ「コロナ・リストラの3ステップ」

投稿者 himico-blog