まだまだ続く、ファクタリングⅢ

書評 経理本

本日の1冊です。
大里新太郎、神保敏明著「ファクタリング入門【新版】」東京布井出版、¥1800-です。

目次
利用者のためのファクタリングQ&A
第Ⅰ部 ファクタリング入門
 ファクターの機能
 ファクターの実態
 リース、信販との関連
 ファクタリングの原型と得失
 日本式ファクター
 ファクター利用例
 国際ファクタリング
 むすび
第Ⅱ部 ファクターの日本的展開
 1、ファクターの業務概説
 2、オールドライン・ファクター
 3、日本におけるファクター研究
 4、日本でのファクターの歩み
 5、法的な問題点
 6、ファクター利用のメリット
 7、尾州のファクター設立構想
 8、日本におけるファクターの認識度
 9、ファクターの前史
 10、アメリカ合衆国におけるファクターの現状
 11、ファクタリングの新しい動き
 12、日本のファクター会社
第Ⅲ部 英文による解説
第Ⅳ部 手形廃止とファクタリング

◆ファクターの機能
 ◎「ファクターする」と言う言葉の意味は、「インボイス(商品送り状)をファクターに売却し代金を回収する」
  という意味であって、「有価証券でも流通証券でもない1枚の紙片にすぎないインボイスを現金で買いきる
  機関がファクターだ」というように理解することもできる。
 ◎法律的にはインボイス自体が売買されるのではなく、そのインボイスに表記された(受取り)勘定
  (つまり売掛債権)が売買されているのだが。

◆ファクターの日本語訳は「特化商社」
 ◎商社機能の取引媒介機能、問屋信用供与機能、危険負担機能の3つの内、取引媒介機能を欠いている。
 ◎取り扱い商品別の専門商社でもなければ総合商社でもないが、商社機能の一面を特化させた会社という意味です。

◆ファクターの利用例
 「年商300億の総合問屋A社も(オリエント)ファクターを使っている。
  -取引先はファクターを使っていることを知っているんですか?
 ”そんなことをいったらえらいことになる。秘密ですよ。”
  -どうしてでしょう。
 ”あなたが逆の立場にたってごらん。うちの手形が(わけのわからない)ファクターの担保に入っていると聞いたら
  どんな気がするか。”
  (A社がファクター)導入の検討を始めたのが3年前。最初は銀行が得意先獲得のためにいってきた・・・・
  程度に考えていたのだが
  (ファクターを決定的に信頼しはじめた動機は)
 ”昨年倒産したある問屋での焦げつき事件だ。おかいしとは思いながらファクターに紹介したところその与信限度額は
  ゼロ回答だった。早速本社との取引は打ち切りある支店だけ販売していたが、間もなく倒産が現実のものとなった。
  もしファクターを利用していなかったら焦げつきは6倍にもなっていただろう。

 -これはコンフィデンシャル・ファクタリング(無通知方式)の典型例である

◆国際ファクタリング

◆ファクター会社が果たしている役割
 ◎ファクター会社は、その契約者が、その取引先に対してもつ売掛債権を原則的に償還請求なしで買い取る。
  つまり、不渡りリスクをファクター会社が負い、債務者であるカスタマーから代金を回収している。
  売掛債権を買い取ることでクライアントへの運転資金の補填を図ると同時に、売掛債権の記帳や取立てに伴う
  事務処理を代行し、クライアントの事務負担を軽減する。この結果、売掛金の運転資金化による
  財務内容の改善や売掛債権の管理、回収事務、記帳事務の省力化を計り、売掛債権の焦げつきをなくして
  回収のリスクヘッジができるといったメリットが生じる。

◆譲渡通知方ファクタリング
 ◎「この勘定は○○ファクターに譲渡されています。支払いは○○ファクターになさるようお願いいたします。
   本状の記載事項にご不審な点がございましたら○○ファクターまでお問い合わせ下さい。」

◆ファクターの収入源
 ◎ファクターの主要な収入源である手数料はクライアントによって異なり、一概には決められない。
  しかし、一般に、買い取りの債権の1~2%であるといえる。
  手数料は信用調査、債権管理などの事務処理料として必要なもので、売上高が大きく、また貸倒れの少ない
  産業分野では安くなるし、売上高が小さく、貸倒れリスクの大きいところでは高くなる。
 ◎ファクターの第2の収益源である貸付金利息は、売掛債権であることを裏付ける書類、例えば、納品書や
  カスタマーの商品受領書に基づいた融資によるものである。この表面金利は銀行金利よりも高い。
  債権の現金化が容易であり、債権管理が不必要、回収が不要などの利点だけ金利がかぶさってくる。

ファクタリングに関する本は、あり次第、随時これからも紹介したいきたいと思います。
明日は、減損会計の予定です。

本日は、この辺で。

編集後記

さて今回もファクタリングを取り上げました。

前回、ファクタリングⅡの際に、実務の観点から五穀豊穣さんより貴重なコメントを頂いておりますので、
改めまして、本文でご紹介させて頂きたいと思います。

‐以下、五穀豊穣さんコメント‐

>ニタさん、こんばんは。
>まず銀行系の場合は正確にはファクタリングとは言わずに、「一括システム」という名前です。(以前は各銀行に申し込み用紙がありま
>した)
>ファクタリングとの最大の違いは、一括システムの場合は割り引いたとしても「当座借越契約」しかできないということです。
>そもそもファクタリングが流行しているのは、この「一括システム」が銀行の都合で廃止になっているからであり、その都合というのが
>銀行へ債権譲渡をした債権譲渡元(会社)が倒産したときに、銀行は債権譲渡元から債権を受け取ることが出来ずに、なおかつ債権譲渡
>先にはその分を支払わなければならない、という裁判の採決が今年初旬になされたために銀行はリスクを回避するため「一括システム」
>を廃止する方向に動き出したというのがあります。
>銀行の勝手な都合と思いますが、ファクタリングがより充実することを心から願いますね。

‐以上、五穀豊穣さんコメント‐

五穀豊穣さんのブログ、「社会人奮闘日誌」
http://blog.livedoor.jp/cpa1806/
経理実務の情報・時事問題あり、個人史(新婚旅行やなれそめ秘話)など
内容盛りだくさんで、とっても楽しいブログなので、是非一度見てください。