【失敗談あり】初めてでも安心、法人の銀行融資の流れを具体的に解説

ファイナンス

初めての銀行融資となると、二代目とかでなければ、起業してまだ間がないかもしれません。
創業の場合は、銀行の融資を受ける以外に、政策金融公庫(国金)の創業融資も選択肢のひとつです。
また、銀行融資の場合は、初めてでは保証協会付きの融資となるケースが多いです。

 

初めてでも安心、法人の銀行融資の流れを具体的に解説

今回は、銀行融資の中でも、プロバー融資について解説します。
他も、それどほ、大きく流れは変わらないので、まずは基本を抑えましょう。

(プロパー融資について、信用保証付き融資については、以下の記事で説明しています)

プロパー融資と信用保証協会付き融資のメリット・デメリット

 

銀行との始めたの取引は、大きな流れから説明すると3つのパートに分かれます。
1、銀行へのアプローチ
2、銀行内部の評価・審査
3、融資の手続き
です。

融資の依頼を銀行にする

1-1、銀行に声をかける

最初は、銀行に声をかける。簡単なようで、なかなか難しいですね。
法人口座開設の際に、最初から、将来的に融資も検討している旨、いっておくと良いと思います。
一般論としては、融資の申込をしに窓口に行くのではなく、営業担当者に、事務所に来てもらうことが大事といわれています。

最初の声がけをどうするか、
私個人は、ある地方銀行の事業コンテストに応募したところ、営業担当からアプローチがありました。
あちこちの銀行でコンテストがありますので、起業を決めた段階で、個人で応募するのもよいかもしれません。
また、信用金庫の場合は、法人口座開設の際に、無理のない額(月1万円とか)で、積立預金をするのが良いです。
さらに、地方銀行・信金の場合でも、売上の入金先や、現金商売の場合はデイリーに入金するなど、お金の流れの実績作りが大切です。

それでもちょっと難しい人には、事務所のある地元の商工会に登録して、
そちらの職員から銀行や金融機関を紹介してもらうという方法もあります。

1-2、決算書を提出する

融資の申込となると、担当者から必要書類を提出するように依頼されます。
そもそも、自分でA4一枚に、幾ら融資が必要か、何に使うか、どうやって返すのか?をまとめておくとよいです。
決算書が欲しいと言われます。これは、法人税の確定申告書をそのままコピーで欲しいという意味です。
税理士事務所に頼めば、紙もしくはPDFで貰えます。
銀行によっては、メールの添付ファイルで提出できますが、信金は紙で提出することが多いです。

決算書

法人税の確定申告書というのが分からない人は、表紙が青色の税金を計算するページがあるものです。
ひとまとまで、決算報告書、BS(貸借対照表)、PL(損益計算書)があります。
さらに、損益計算書の内訳として、販管費(販売管理費)の内訳、原価内訳、原価明細、注記表というのが決算報告書にあります。
その後ろには勘定科目明細となっています。
これらを全て総称して、決算書と呼んでます。

会社によっては、
銀行には、決算報告書の全てを提出しないという会社もあります。
例えば、貸借対照表と損益計算書、それに販管費ぐらいしか出さないとういことです。
これはケースバイケースだと思います。
初めての銀行融資で、要求されたら、全て出さないと審査には不利でしょう。

もうひとつは、月次の試算表です。
これは、決算からどれくらい経過しているかによります。
例えば3月決算で、融資申し込みが7月以降であれば、要求されると思います。
フリーとか会計ソフトを使って、自分で作っている人はすぐに出せますが、
税理士事務所に経理の記帳をお願いしている場合は、融資を受けたいので、6月までの試算表を×月×日までに欲しいと、
事前に依頼しておく必要があります。
中には、年に一回決算書を出すという年間契約の場合もあります。

あと、忘れていけないのが、「個人情報取り扱いの同意書」です。銀行のプロパー法人融資の場合は、どのタイミングで取るかちょっと分かりませんが、
保証協会付きの融資の申込は、このタイミングで提出が必要です。
これは、融資の審査にあたり、連帯保証人になる社長・代表者の信用情報を紹介します。その情報は融資審査の目的以外には使用しませんという内容です。
つまり、代表者個人がいわゆるブラックリストに載っている場合は、法人融資を銀行から受けることはできません。

銀行による会社の格付け・融資の審査

2-1、銀行が会社の格付けをする

ここからは、資料を受け取った営業担当、銀行側の仕事です。
銀行は、紙ベースで決算書を受け取ると、スキャナーとOCRによる決算書入力システムなどを使って、システムに入力します。
この際、一部の金融機関では、ALOX社などのアラーム管理システムを利用しています。
アラーム管理システムは、一般的な財務分析では不可能な、「高精度の資金繰り分析・粉飾の分析」といったリスク評価にフォーカスした財務分析を行い、スコアとコメントで評価するシステムです。

貸借対照表と損益計算書の数値から、銀行の場合は自社システム、各信金はSDB(信金中央金庫の中小企業リスクデータベース)のスコアリングモデルによって、企業評価を判定します。
これを、定量評価といいます。
たまに、決算書の科目を変えると評価が上がるなんて話もありますが、初心者は気にする必要はありません。ほとんど都市伝説に近いものです。

つぎに、定性評価ですが全体の1割からせいぜい2割くらいのウェートです。
決算書の数値だけは評価が難しい要素を、銀行の担当者ヒアリングに基づいて評価します。
ですから、銀行の担当者の主観が入る余地があるので、積極的なアピールが必要です。
大事なのは、市場の成長性、経営計画力、販売力あたりを紙で説明できる資料があるとよいです。
他には、社長の経歴、人間性、社長のネットワーク。
取引先の規模や、特定の取引先に偏っていないか、入金・支払いサイクルなどの項目を評価します。

これたを、担当者がシステムに入力すると、定性評価を加えた点数がでてくるので、これに基づいて、企業の格付けを決めて、社内で稟議します。
この格付けの決定のあと、融資の審査が行われます。

2-2融資の審査

担当者が融資の審査の書類を作って、稟議をします。
どんな書類かというと、
例えば、1,000万を貸してほしいと言われたので、「この会社に1,000万を融資出してもいいですか?」という稟議書です。
その書類の中身は、最初に融資の金額、金利、貸し出し期間、返済方法などの基本的なものがあります。。
次に、担保があるのかないのか、担保がない場合、信用保証協会の保証を付けるのか、代表者保証を付けるのか?
といったところです。

さらに、この融資のリスク、万が一事業が不調な場合に、どうやって、融資を回収するのか?
採算を取れるんですか?勿論ですね。とかですね。この会社の将来性とリスク。
そして、書類の結論としては、
「この会社とはこれまでこうした取引実績があり、伸びていく会社です。
せひ、銀行として支援をしたいので、融資をしたいです」と担当者に書いてもらう必要があります。

この融資の稟議書が、金額によって、支店長決済なのか、本部決済なのかで、どこまで回るか変わり、
それによって、銀行からの返事の期間も変わってきます。
担当者に書類を渡して、回答がくるまでの、最低でも2週間、長いと1カ月以上かかるのは、こうした理由があるのです。

融資の契約書

いよいよ、銀行と融資を交わします。ここまで来たら、早い方がよいですし、銀行の担当者も月内に契約、実行までしたいのはまちがいありません。
ですから、何としても、スケジュールを調整して間に合うように協力してください。
まだ提出していなければ、「個人情報取り扱いの同意書」を提出します。
さらに、 「反社会的勢力排除に関する誓約書」タイトルは銀行によって違うかもしれませんが、
要するに、私は反社会的勢力ではありませんし、付き合いもありません、という誓約書・覚書です。
あと、必要書類としては、印鑑証明(法人と代表者がそれぞれ)、全部事項証明書、会社の定款。
提出する定款については、単にコピーするだけでなく、割り印を押したりルールがあるので、この辺はググって調べてみてください。
基本、証明書は、発行から3カ月以内が有効期間なので、融資の契約にあわせて用意しておきます。

 

金銭消費貸借契約書

金銭消費貸借契約証書といった契約書を交わします。
法人の場合は、法人の実印と代表者の実印を押します。
また、横印と呼ぶ、会社の住所・社名・代表者の肩書と名前の判子を用意しておくと楽です。
銀行の契約書類などは、たくさんあるので、全て手書きとなると大変だからです。
ここで、取引が初めての場合や、担当者が新人だったりすると、かなり丁寧な契約書の説明が入ります。
これを真剣にやると、相当な時間がかかるので覚悟しておいてください。

融資金が、自社の口座に振り込まれることを実行といいます。
契約から実行まで、信金で早いと午前中で午後に入金など当日、地銀は、中二日あって、3日目に設定することが多いです。
というのは、契約書類に不備があって取り直しが必要だったりするからです。
特に、新人さんが担当になると、かなりの頻度で発生します。
月末入金が確実に必要なケースでは、翌日くらいは、銀行からの急なアポにも柔軟に対応取れる自身のスケジュールにしておくと安心です。

最終的に、実行日になると、融資金から印紙代や、保証料がある場合はそれらを引いて入金されます。
これでようやく使えるようになります。
お金は、融資を受けていない銀行や、ネット銀行などに資金を移動するのがよいです。

まとめ

初めての銀行との取引は、大きく3つのパートに分かれます。
1、銀行へのアプローチ
2、銀行内部の評価・審査
3、融資の手続き
です。

一行では、いきなり融資を受けられないかもしれません。
普段から、街を歩くときには、信金、地方銀行の支店を探してみる習慣をつけるとよいですね。
もし、周囲に銀行の数が限られるようならば、ネット銀行へもアプローチを広げてください。

最期に私の失敗談です。

これは初めての銀行取引というよりも、融資の一括返済についてです。

2代目として、会社の本社ビルを売却した際に、支払利息を削減するために、
入ってきた売却資金から借り入れを返済することにしました。

融資の種類など、なにも分かっていなかった私は、
ある地銀の残高を全額一括返済したいと、支店長に申し出ました。

たしか、1憶くらいだったと思います、しかも、全額、保証協会付きの融資です。
返す、返してくれるなという、押し問答がしばらく続き、
業を煮やした私は、二度と取引しないと宣言して、その銀行を後にしました。

今思えば、
もう少し、大人の対応もあったのではないかな、と思いますが、
当時は、銀行が融資を返すなということに、大変驚きました。

 

 中小の資金繰りの悩みを解決する事業用不動産担保ローンの始め方