『高田直芳の実践会計講座 「戦略会計」入門』高田直芳

書評

『高田直芳の実践会計講座 「戦略会計」入門』高田直芳(著)
出版社: 日本実業出版社 (2007/8/21) ISBN-10: 4534042744

目次

はじめに

第1部 五大原理編

第1章 戦略会計の世界へ踏み出す前に

第1節 最初に全体を見渡そう
第2節 戦略会計に対峙するもの

第2章 戦略会計の約束ごと

第1節 財務諸表の仕組み
第2節 最大生産能力と基準操業度
第3節 変動費と固定費の使い分け
第4節 五体原理のあらまし

第3章 戦略会計の五大原理

第1節 【第1原理:ビジネスは択一問題に直面している】
第2節 【第2原理:ビジネスは機会利得の最大化を目指す】
第3節 シロガネ台の物価が高く、アキバが安売り激戦地のワケ
第4節 【第3原理:ビジネスは機会原価の見きわめが重要】
第5節 株式のナンピン買いと埋没原価
第6節 【第4原理:ビジネスはユニットで管理する】
第7節 スループット会計の誤った解釈
第8節 【第5原理:ビジネスは動機づけが必要である】

第2部 超ミクロ経済学編

第4章 戦略会計は「超ミクロ経済学」なり

第1節 五大原理が長短の均衡を分ける
第2節 制度会計の「利益」と、経済学の「利潤」の違い
第3節 固定費の周辺でうごめくものたち
第4節 固定分解の妙技

第5章 機会利得を最大にするための条件

第1節 総コスト線から2種類の費用曲線を導き出す
第2節 完全競争市場の短期均衡
第3節 完全競争市場の長期均衡
第4節 最高利益と最大利益の違い

第6章 隣が気になる独占的競争

第1節 右下がりの需要曲線と価格弾力性
第2節 実務に役立つマークアップ率と原価企画
第3節 現実的な短期均衡と長期均衡

第7章 1個あたりの平均コストが教えてくれるもの

第1節 垂直と扁平の話
第2節 企業は操業度不足を回避できない
第3節 平均費用曲線で外部委託生産を決める

第3部 CVP分析編

第8章 誰も見たことのない新しいCVP分析が始まる

第1節 売上高線と総コスト線のねじれた関係
第2節 CVP図表の説明
第3節 CVP分析と、機会利得を最大にする条件との関係
第4節 CVP上の機会原価

第9章 M&A戦略で失敗しないために

第1節 「のれん」の奥にあるもの
第2節 買収価額の最大要素

第10章 変動利益と事業付加価値

第1節 事業付加価値の意義
第2節 変動費型ビジネスと固定費型ビジネス
第3節 CVP分析の動向化

第4部 業績評価編

第11章 部分均衡分析から浮かぶ需給曲線

第1節 価格低下がもたらすも影響
第2節 コスト計算が崩壊する理由
第3節 顧客の機会利得を奪取せよ
第4節 企業が繰り広げる陰謀の数々
第5節 自社内生産か外部委託生産か

第12章 製造と販売は、なぜ対立するのか

第1節 組織内分化にも五大原理が当てはまる
第2節 1人あたりの付加価値に注目する
第3節 労働生産性に関する新しい解釈
第4節 販売子会社の憂鬱
第5節 売り上げ仕入れとダンピング
第6節 製造子会社の憂鬱

第13章 誰にも不満が残る業績評価

第1節 名前負けする資本利益率の正体
第2節 ROAとROEの違い
第3節 資本コストという名のハードル競争
第4節 経済付加価値(EVA)から会計付加価値(AVA)
第5節 会計付加価値は部分最適化を克服できるか

第5部 コスト管理編

第14章 コスト管理のリスク・プレミアム

第1節 記録と慣習と判断の産物
第2節 貸倒引当金とリスク・プレミアム
第3節 リスク・プレミアムは操業度不足を隠す

第15章 ビジネス最前線からの報告

第1節 企業はなぜ、在庫をもつのか
第2節 顧問先企業のデータを使って

◆企業は合理的に行動するか
企業が機会利得のしょうずるプロジェクトを選択するのは、「企業は合理的に行動する生き物だ」ということを前提条件としています。
この「合理性」については、経済学の分野をはじめとして「非現実的だ」ということで、様々な批判がおこなわれています。
ただし、本書ではそこまでの議論に踏み込まず、「とりあえず」企業は合理的に行動するものだ、という前提を置きます。
家庭では浪費癖があっても、会社では資金繰りのプロとして辣腕をふるう財務部長はいるものです。自宅の掃除はまったくしなくても、会社では「5S②運動」を口酸っぱく説く生産管理部長はいるものです。
会社の門をくぐると、人は意外と合理的に行動するようです。

◆ERPが失敗する理由
筆者が顧問先企業から頻繁に受ける質問に「どのようにしたら材料や製品などの在庫と、ERPシステムのデータとを一致させることができるのか」というのがあります。
一致しないことがあるのか、と驚いてはいけません。ERPシステムを導入したのはいいが、製造現場への指導や会計処理のアドバイスが放置されることが多い為に問題の傷口はさらに広がるようです。
ERP導入を手がけたシステム・インテグレータの担当者はホワイトカラーの典型ですから、機械油や塩酸のニオイが漂う製造現場に足を踏み入れ、自らの手を汚すわけがない。
そして、ユーザー企業の、官僚組織と化した本社部門では「ERP前線、異状なし」と自らの失策を糊塗した報告書が作成され、経営上層部に

★カリスマ経営者の直感に頼らずとも経営判断を誤ることのない会計的手法を細分化して紹介しています。
様々な「合成の誤謬」を例に挙げながら説明しています。
例を少し列挙しますと・・・・
・増収減益という矛盾した業績は、原価計算制度が崩壊しているときに起きる
・他社との差別化を図り、自社ブランドを向上させようとする経営戦略は、操業度不足の泥沼に嵌っていく
・個々の職場におけるコスト・ダウン活動が、全社ベースの利益を却って減少させることがある
・黒字決算を実現している企業にこそ「利益なき繁忙」が襲いかかる
・本社の管理部門が、支店や子会社の生産性の低さを嘆くのは、天に向かって唾を吐く行為である
・M&A戦略において、買収企業は高値づかみをし、被買収企業は安く買い叩かれる
経営戦略の足許には「誤謬の落とし穴」が存在し、企業という組織は常に崩壊するリスクに曝されていることを警鐘しているような内容です。

★管理会計の深い部分にかなり追求している内容のようにに思います。本書にも出てくる「超ミクロ経済学」「CPV」「コストプレミアム」などは、これからの細かい企業分析の為に必要となる重要なキーワードなのだと思います。

編集後記

週末は、デパートへ買い物にいきました。

ムスメの卒園式用に、服を買うとのことでした。

軽い気持ちで、

「パパが、買ってあげようか」

なんて、言ってから、大後悔・・・。

いやぁー、高い、高い、冷汗ものです。

なんとか、季節はずれのバーゲンをやっている店で、

予算内で購入できて、ホッとしました。

 

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