トーマスJ・ワトソン,Jr著「IBMを世界的企業にしたワトソンJr.の言葉」英治出版です。4901234528

1 最高のものを、どうやって引き出すか?
2 社員を、いかに成長させるか?
3 最高のサービスと完璧な仕事とは?
4 激しい変化に立ち向かうには?
5 成長と変化から、何を学ぶか?
6 公共の利益を考える
7 新たな問題に、新たな方法で取り組む

<b>◆IBMでは三つの核となる信条が会社の成功の基礎になった</b>
(1)個人を尊重せよ
(2)世界中の会社のなかで、一番のサービスを提供せよ
(3)すべての仕事を最高のやり方で完了するという思想をもって遂行せよ

◎トーマス・ワトソン(父)は、よく従業員に
「完璧を目指さずに成功するよりも、完璧を目指して失敗するほうがよい」と言った。
これが
「楽観主義と熱心さ、興奮、スピード感」の気風の基礎となった。

<b>◆誰が、社員の活力と才能を引き出したのか?</b>
◎一つめは、生き残って成功を収めようとするあらゆる組織には、すべての方針と活動の
土台となる健全な信条がなくてはならない。

◎二つめは、会社の成功にとって最も重要な要素を一つだけあげると、その信条を忠実に
固守することである。

◎三つめは、変遷する世界からの試練にうまく対応するためには、企業はその一生を移ろう
うちに、その信条以外、自らすべてを変える覚悟をしておく必要があるということである。

IBMは、信条がいかに組織の成長と繁栄に役立ちうるかを示す好材料を提供していると思う。

<b>◆社員のクビを切らない</b>
◎会社の経営状態には問題があったが、誰一人として解雇されなかった。T・J・ワトソンは
組織に手をつけたり、動揺させたりしなかった。代わりに以前からいた社員を褒めたり
可愛がったりして、今いる社員で成功を収めようと取り組んだ。
1914年のこの決断はIBMの雇用の確保についてのポリシーにつながっているが、
これは私たちの従業員にとって非常に大きな意味がある。私たちが持っているもので会社を
築く、というポリシーはここから来ている。私たちは社員の能力を伸ばすことにたいへん
力を入れ、職務要件が変わったときには再教育を行い、今の仕事で苦労していると
わかったときにはもう一度チャンスを提供している。
だからといって、IBMに勤めると終身雇用が保障されるわけではないし、ときには
従業員にやめてもらうこともある。しかし、それは本気で彼らの向上を手助けする努力を
したあとの話だ。従業員のほうから私たちの会社を去っていくということがないわけでもないが、
これらのポリシーがほとんどの社員の善意を引き出すのに役立つことを私たちは学んだ。

<b>◆仕事しやすい環境を用意する</b>
◎初期のCTR社は赤字すれすれのところで操業していたので、お金がなくてパターソンの
立派な工場の建物や気前の良い福利厚生メニューを真似ることができなかった。
代わりに父はイベントプロデューサー的な才能を発揮した。バンドのコンサートや
ピクニックを開催したり、スピーチ・コンテストを実施したりした。愛社精神を生み出す
ために、ほとんどあらゆる種類の士気を鼓舞する手段を試した。より実質的な部分である
賃金と福利厚生が平均水準以上になったのは、その後のことであった。

<b>◆社員のことを一番に考える</b>

<b>◆従業員の不平に耳を傾ける</b>
「オープンドア」ポリシーは、父が工場や営業所の社員たちとしゅっちゅう仲良く付き合っていた
関係から生まれた。これらの社員たちにとって、問題を父のことろに相談に来るのは自然な
ことであったし、やがて正規の手続きになった。

<b>◆上司は部下を助ける</b>
◎私の父は最初、ナショナル・キャッシュ・レジスター社(NCR)で働いていたが、そのとき一つの
経営上の教訓を得て、のちにそれをIBMの恒久的な信条にした。キャッシュ社として
知られていたその会社に入った直後の数週間、父は見込み客の訪問を続けたが
何一つ売れなかった。上司は父を呼びつけて、かなりきつい態度接したあとにこう言った。
「若いの、俺が見込み客のところへ一緒に行ってやろう。それでだめだったら俺たちは
共倒れだ」
彼は営業に出て、一緒にいくつかの注文をとった。その後はセールスのコツが少し
つかめてきて自信も取り戻したので、父にはその仕事がはるかに楽に感じられるようになった。
このエピソードは父に強烈な印象を与えた。

◆顧客サービスに専心する

◆機械ではなくサービスを売る

<b>◆組織のバランスをとる</b>

「個人を尊重し、サービスを重視し、何事においても最高を追求せよ」

<b>◆革新的なコミュニケーションを築く</b>
◎最も独特な慣習の一つに「IBM家族食事会」がある。
少なくとも二年に一度は、国内のすべての事業所ごとに、社員は夫や妻と連れ立って会社の
役員と会食する催しに誘われ、そこで会社の状況を知ることができる。
出席する役員は、会社が過去二年間に行ってきたことについて30分ほどのレポート映像を
見せて説明する。こういった家族食事会は、幹部に緊張感を与えるだけでなく、
社員と個人的に親しくなる機会にもなっているし、
また「小さな会社にいる意識」を保つのにも役立っている。

<b>◆成長と変化から、何を学ぶか?</b>
◎教育と再訓練を重視する

◎権限を委譲する

◎あくまでも信条を守る

★IBMは世界で最も成功した会社の一つにあげられると思います。
そして、その信条が素晴らしいものであることが、大変良く理解できました。

とりわけ、信条以外は全てを変える覚悟と実践がなければ、会社は成長しないということに
深い感銘を受けました。

本日は、この辺で。

 

投稿者 himico-blog