本日の1冊です。
太田達也著「減損会計のすべて」中央経済社、¥1500-です。
目次
第1章 減損会計とは─全体像─
第2章 減損会計の適用と会計処理
第3章 資産の種類別の処理方法
第4章 業種別の影響度
第5章 減損会計導入前の対応策
第6章 減損会計導入後の対応策
第7章 実際の適用事例を検証する
第8章 その他の留意事項

◆減損会計とは
◎当初想定していた将来キャッシュ・フローの回収ができなくなったことによる回収不能分としての使用価値の低下
を帳簿価額に反映させる会計処理です。

◆時価会計との違い(なぜ評価益を計上しないのか)
◎事業用固定資産は、使用価値が上昇したとしても、売却しないで使用し続ける。したがって、評価益は、
長期の使用期間にわたって、企業の利益に反映されていく。一方、使用価値が低下した場合に、
評価損を計上しないで、将来にわたって損失を繰り延べていくのは健全ではない。
そこで、帳簿価額を切り下げる。それが減損会計である。

◆減損会計の適用対象資産
◎使用目的で企業が保有する事業用固定資産であり、有形固定資産に属する土地、建物、機械装置など、
無形固定資産に属する営業権(のれん)、さらに投資その他の資産に属する投資不動産などが適用対象となります。

◆減損会計で何が変るのか
◎減損会計は、企業のB/S・P/Lに劇的な影響を与える

◆諸外国の基準
◎国際会計基準をはじめ米国など先進国で導入されている。

◆減損会計の処理手続きフローチャート

◆資産のグルーピングの方法

◆減損の兆候の有無の判定

◆減損損失の認識
◎処理手続きの第2段階は、減損の兆候が認められた資産および資産グループについて行なう回収可能性テストである。
将来キャッシュフローの総額(割引前)を物差しとして、減損の認識の要否を調査する。

◆将来キャッシュ・フローの見積り
◎将来キャッシュ・フローの見積もりは、会社が置かれた前提条件のもとで使用を行なうとした場合に
得られるキャッシュ・フローの見積額であり、具体化していない事業計画などにもとづいて計算することは
認められない。

◆減損の測定と損失の計上

◆会計処理方法─仕訳と表示─
◎  減損損失  1000万   / 建  物  200万
/ 機械装置  300万
/ 土  地  500万

◎B/Sの表示には、直接控除法と間接控除法がある

◆全社資産の処理

◆のれんの会計処理

◆有形固定資産─工場

◆支店・営業所の選別が加速する
◎個々の支店・営業所の採算管理を厳格に行なう必要性が高まる
◎将来キャッシュ・フローを十分に生み出さない営業拠点は、整理・統合により消滅していく。

◆本社の減損は第2ステップで判定

◆福利厚生施設を整理・縮小する動きが加速する
◎社宅・保養所・研修施設は、特定の資産グループのキャッシュ・フローの生成に寄与するケースは少ない

◆投資の尺度を変える必要がある
◎減損会計適用後は、投資の回収可能性の検討が重要視されることになる。しかし、それはとりもなおさず
投資の原点に立ち戻ることでもある。
◎投資額を何年で回収できるか、という視点が重要である。投資額の早期回収という要請がいっそう強くなる。

◆導入後の対応策 使用価値の維持を図る

◆土地重視から建物重視の時代へ

★本書は平成13年発行の初版であるために、事例等は割愛しました。
ご興味ある方は、是非、最新版を本屋さんでお求め下さい。

いろいろ新しい会計基準が上場企業では導入が続いております。
その全てが、中小企業に採用されるとは、限りませんが、知っておいてムダになることはないと思いますので、
この減損会計についても、新刊を探したいと思います。

本日は、この辺で。

編集後記

週末最終日ともなると、ちょっと体が重いですが、元気をだして頑張りたいと思います。
ここのところ、3月決算の会社の決算処理のせいか、お陰さまでアクセスが過去最高を更新し続けています。

そのせいもあり、ちょっと経理的な硬いテーマが続いていたのですが、
来週はちょっと、柔らかい本も紹介したいと思います。

 

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投稿者 himico-blog