細井 勝(著)『加賀屋の流儀 極上のおもてなしとは』
出版社: PHP研究所 (2006/8/26) ASIN: 4569654541

目次

第1章 人生が出会う宿
第2章 接客十戒
第3章 もてなしの宿の女性軍団
第4章 一客入魂の脇役
第5章 ホテルは足し算・旅館は引き算
第6章 加賀屋の暖簾と人々の人生を背に

◆人生が出会う宿

 『私たちは問題解決業だと思っています。尾崎様の場合、私はこの方と共感することが大切だと
  とっさに思ったのです。旅館の客室係には、ご親戚やご友人にはふだん言いにくいことも、
  何気なく話してしまえる気安さがあります。それは、私たちに匿名性があるからなんですね。
  川端康成の名作「雪国」に登場する駒子がそうなんです。私たちも初めてお迎えするみなさまの
  心にふれておもてなしをするので、お客様たちは心を開きやすいのではないでしょうか』

◆隣の駅まで止まらぬ涙

 『風のように感じてくださったのは、多分、そのお客様と私の波長が合っていたからでしょう。
  抽象的な言い方ですけど、要するに心地よさを感じていただけるかどうか、それが大切だと
  私は考えています。一杯のお茶でも、気持ちを込めて入れると必ずおいしくなるものです。
  気持ちを込めるか込めないか、目には見えないその違いから生まれる心地よさが加賀屋の
  一番の魅力です』

◆客室係の注文はお客様の声

 『・・それにしても、宿泊客の個々の事情を知ったからといって、客室係一人の判断で隠膳を
  しつらえ、金婚式や結婚記念日といった祝福の準備がたちどころにできるのはなぜだろう。
   それは「すべてお客様のために」というコンセプトが宿の隅々にまで浸透している、
  加賀屋の風通しの良さにある。・・・』

◆その六 「ありません」「できません」は言わない 
  誠意をみせることがサービス

 
 『私どもは、それこそ種々雑多なご要望をお受けしますが、どうしても、できないこと、
  ご用意できないことはあるものです。ですが、ご要望やご注文をお聞きして、その場で
  「ありません」「できません」と断ってしまうのは禁物です。やはり、一度は席を立って
  手をつくして探してみる。それでも対応できなければ、「お探ししましたが、ありません。
  申し訳ございません」と言うべきなんですね。そうすると、お客様たちも「おねえさん、
  わざわざ探してくれたの?どうもありがとう」とご納得してくださるものです。自分のために
  加賀屋は一生懸命やってくれている、そうご満足していただくことも大切なサービスなんです』

◆現場の気の緩みがクレームにつながる

 『 もっとも許せないのは、できるのにやろうとしない、気づいているのに気づかないふりをする、
  忙しさや宿泊客の顔を見て手抜きをする、客室係の低いモチベーションである。人は感情で動く。
  気分がすぐれないこともあるのだろう。加賀屋で働く人たちも同様だ。全員が聖人君子である
  はずがない。しかし、聖人君子のもてなしを期待してくる人が多い加賀屋にあって、
  それは許されない甘えにほかならない。』

◆サービスとは割引ではない

◆設備投資で削減された労力はおもてなしへ

◆働いてくれる人がいるからいまの自分がいる

 『・・・毎回、じかにリッツ・カールトンをはじめ超一流ホテルに泊まり、自分たち自身が
  お客となって体験する接客研修がもたらすのは、加賀屋のサービス主体の生き方に間違いは
  ないという自信であるのだろう。・・・』

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の紹介で購入しました。

 新聞の広告で、加賀屋にとまるツアーなるものを何度か目にしたことがあり、
 名前は知っていましたが、

 「26年連続日本一の旅館」です。
 リッツ・カールトンの旅館版というか、こちらのほうが、日本では凄いと言えそうです。

 一度、そのサービスを経験してみたいと思いました。

本日は、この辺で。

投稿者 himico-blog