さて、今日の一冊です。今回は少し間が空いて申し訳ないのですが、
2月7日の続きです。
特に、流行の「シェアードサービス」をご紹介したいと思います。
経理のアウトソーシングは、いわゆる外注化です。
例えば、「税理士事務所に領収書、通帳のコピー全て渡し、全部経理はまかせる」
という形態を含めて、一般的になってきたと思います。
*複数の意見では、ある規模以上では、経理は自社でやるのが一番との意見が根強い
ですが。

さらに進んで、東証一部上場の大企業でいま盛んに動きがある「シェアードサービ
ス」です。
連結グループの本体(親会社)と全ての子会社(孫会社含む)の経理業務を
一箇所に集中し(規模の経済)、経理業務効率を上げ、グループ全体の管理コストを
下げる仕組みです。

その多くは、経理部門・総務部門の分社化を伴います。
アウトソーシングはコスト削減だけを目的としているのに対し、
シェアードサービスは顧客満足の向上も目的とする点が異なります。

これは管理部門がコストセンターからプロフィットセンターへ移行することを意味し
ます。
つまり、管理部門は経費を使う部署であって、直接収益に貢献しないという考えか
ら、
サービスのレベルに応じて対価を得る直接収益に貢献する部署へ転換することです。

銀行業務など、まさしくそうですね。
例えば、振込手数料は、最近どんどん窓口が高くなってます。
ネットでは安いけど、窓口で人が応対すると、そこに付加価値が付くので、
同じ金額を送付するだけでも、価格体系が異なります。
サービスの内容に応じて、適切な対価を頂く発想です。
*もちろん価格に見合った満足度を提供しないと市場で淘汰されはずですが・・・。

この本では、経理の業績評価基準として
1件当りの伝票処理コスト
1日当りの伝票処理枚数
1ヶ月当りのエラー件数、などを上げています。

「シェアードサービス」成功のポイント
ある大規模企業でシェアードサービスの外販化を検討した際、
コストだけでは、既存の競争相手に到底勝てないことが判明した。
またルーティン業務サービスのみでは、
社員のモチベーションも維持できないと予想される為、
より高度なサービス提供が不可欠と結論された。
例えば
○財務分析サポート
○経営意志決定のサポート
○投資判断への提言
などです。

以上の話は、大企業だけで中小企業には関係なさそうです。
でも、経理の働き方の在り方が少し、長い目では変わってきそうな感じがします。
また、現に中小企業の経理でも、業務の繁忙時には、
いろいろ手伝っているというケースも現実にはあると思います。

それだって立派な社内アウトソーシングみたいなものだと私は思います。
例え短期間にせよ、会社の利益に直接貢献しているんですから、
もし、京セラのアメーバ経営のように、部門別管理上の貢献度を測定できれば、
数字としてもハッキリするかもしれません。
さらに一歩進んで、月次決算や期末決算などのピーク時と
月次標準時の人手のギャップを、あらかじめ想定した
人員配置や、人の協力を計画した体制とすると
あたかも立派な経営戦略に見えてきます。

本日は、この辺で。

 

 

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投稿者 himico-blog