★今回の本は、「芋づる読書」から広がりました。
以前、ミスミの田口社長の本がおもしろいなぁと思い、本の公約をどうなっているかと、ミスミのホームページを
覗いたら、社長が三枝さんに交代されていることと、三枝さん自身がコンサルタントだったので、
著書が数冊あると書いてありました。素晴らしい創業社長の田口さんが、どんな価値観の方を後継者に選ばれたのか?
と興味を持って、この本ともう1冊を買い求めました。

今後は、良本の参考図書や、一人の著者の全ての本をカバーするなど、多読乱読(笑)でないとできないことにも、
チャレンジしたいと思います。

三枝匡「経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ」日本経済新聞社、¥743-です。4532191653

目次
第一章 袋小路
第二章 白旗あがる
第三章 混沌の世界
第四章 零への回帰
第五章 成功への絞り
第六章 試練の谷
第七章 飛翔の時
第八章 最後の関門

◆経営パワー(目の前で起きていることの)

◆組織の危機(片肺の事業部制)

◆組織の危機(経営者的人材の飢饉)

◆組織の危機(日本人の幼児性)

◆組織の発展段階

◆事業再建の教訓「自分から部下に近づく」

◆商売パワーの熟成「商売の基本サイクル」
◎大企業病に陥った企業では皆忙しく働いているのに一つひとつの商品を見ると
開発→生産→営業→客先の単純なサイクルが回っていない。
日本のカンバン方式やリエンジニアリングも仕事をフローで捉えてこの基本サイクルを早く回すための改善手法だ。
リエンジニアリングでは「商売の基本サイクル」をビジネスプロセスと呼んでいる。

◆事業再建の教訓「フン詰まり解消機能」
◎商売の基本サイクル全体に責任を持つ優秀な人が現れるとその商売は急に活発になる。
これを風通し機能、すくみあい打開機能、フン詰まり解消機能、また仕事の回転が速くなるのでサイクル加速機能
と呼ぶ。不振事業が立ち直るのはこの機能を果たす人が現れた時だけである。

★42歳も大企業ミドルが、年商6億円の倒産寸前の会社の社長を命じられる。
幾多の危機を乗り越えながら年商50億の会社にまで育て上げる、という実話を元にした小説です。

まとめると、たった二行となってしまいますが(笑)、とても勉強になる1冊でした。
経営にストーリー性を持たせ、社員を改革へ引き込んでいくパワー。
戦略とリーダーシップによって、倒産寸前の会社のキャッシュ流出を止め、不振企業から成長企業へと転換していく、
その過程の中で、自らが企業家精神を身につけ、経営者能力を開発していく姿が描かれています。

他にも、ビジネス小説としては、

『なぜ会社は変われないのか―危機突破の風土改革ドラマ』
『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』

あたりが、有名ですし、お勧めです。

本日は、この辺で。

投稿者 himico-blog