本日の1冊です。
中央青山監査法人編「ゴーイングコンサーン早わかり」中経出版、¥1600-です。
目次
 第1章 ゴーイング・コンサーン規程、2003年3月期より導入へ
 第2章 ゴーイング・コンサーンはどのように検討すればよいのか
 第3章 ゴーイング・コンサーン開示の会計実務はどのように進めるのか
 第4章 ゴーイング・コンサーン規程で監査報告書はどう変るか
 第5章 ゴーイング・コンサーン規程の導入後はどんな経営をすべきか

★中堅企業さまを回っていますと、決算業務が大変ということもさることながら、監査法人への対応もそれに勝るとも
 劣らぬくらい大変だという声をよくお伺いします。「また、いついつまでに宿題がでた」「前回の宿題も終わってないのに。
 いつやる時間が取れるのだ」などなど。今回は、監査法人側の本なので、少しはその監査の裏側を理解する助けに
 なるかもしれません。

◆2002年の監査基準等の改訂
 ◎ゴーイング・コンサーンに重要な疑義を抱かせる事象や状況が存在する上場企業に対しては、それに関連する
  事象や事業計画等の概要を開示するよう義務づけられました。

◆財務諸表等規則におけるゴーイング・コンサーン
 ①それを回避するための対応策を示す
 ②その回避が不確実であるけれども、破綻にともなう損失の影響等を決算に織り込んでいないことを開示する

◆企業会計の基準(一般に公正妥当と認められる企業会計の基準)の適用をするにあたっては、ゴーイング・コンサーン
 が成立することが前提となる。

◆ゴーイング・コンサーン規程は誰が責任を負うのか
 ◎監査の二重責任の原則
  ①「財務諸表の作成に対する経営者の責任」
  ②「当該財務諸表の適正表示に関する意見表明に対する監査人の責任」
 ◎ゴーイング・コンサーンも二重責任
  ①経営者はゴーイング・コンサーンについて評価し、開示することに対して責任を負います。
  ②監査人は、経営者の説明する内容に合理性があり、信頼できるものかどうかを検討してうえで、
   その開示が適正かどうかについて表明する意見にたいして責任があります。
   監査人は企業の存続そのものについて保証を与える責任は有していない。

◆内部統制
 ◎不正や誤謬の摘発、防止や経営効率等、経営に資するために構築する内部管理体制。具体的な内部統制としては、
  内部監査や内部牽制(請求書の受理、伝票の起票、支払いなどの一連の業務処理を、それぞれ異なる担当者が
  行なうことによって、相互に牽制、チェックする仕組み)などがあります。

◆後発事象
 ◎貸借対照表日後、決算確定日までに発生した事象で、翌事業年度の決算に重要な影響を与えるものです。
  具体例として、決算日後の火災による損害の発生や、重要な損失が見込まれる訴訟の発生などが挙げられます。

◆ゴーイング・コンサーン規程はなぜ導入されたか
 ◎企業倒産の増加が背景
  ①債務超過でなかった企業が倒産後、「債務超過であった」と公表されることが相次ぎ、倒産前の決算に対する
   信頼が揺らいだ
  ②企業が倒産する前に、監査人は何らかの倒産情報を提供できないのか、という声が出てきた。

◆合理的な期間
 ◎企業が破綻を免れるかどうかについては、この先一定の期間、その企業が破綻せずに事業活動を継続して
  いけるかどうかという観点で判断します。この一定の期間を「合理的な期間」と呼び、
  少なくとも貸借対照表日(決算日)の翌日より1年間とされています。

◆ゴーイング・コンサーンに重要な疑義を抱かせる事象や状況を識別しうる監査手続きの例
 1、分析的手続き
 2、後発事象の検討
 3、社債・借入金に関わる契約条項への準拠性の検討
 4、株主総会、取締役会等の議事録の閲覧
 5、顧問弁護士等への照会
 6、財務的支援を行なっている親会社等に対する照会

◆ゴーイング・コンサーンが疑わしいときは経営計画と策定する

◆ゴーイング・コンサーンが疑わしいときは財務諸表に注記する

◆ゴーイング・コンサーンと監査報告書の作成

◆無限定適正意見の監査報告書

◆無限定適正意見以外の監査報告書
 ◎限定付適正意見の例(「意見に関する除外」の例)
 ◎不適正意見の例  (「意見に関する除外」の例)

◆ゴーイング・コンサーン規程を経営計画の作成に活かす

この本もブックオフ、105円コーナーからの1冊でした。
多分、この値段でなければ手にしない関連分野です。読んでみたら、けっこう今までにない監査法人からの視点
だったので、勉強になりました。
今後もちょくちょく、時間が有ればブックオフも探してみようと思います。

本日は、この辺で。

投稿者 himico-blog