ジャック・スタック著(楡井浩一訳)「グレートゲーム・オブ・ビジネ ス」徳間書店です。
ちょっと高いですが、管理会計や経営にお悩みで新 たな展開を模索している方には絶対に損はさせない一冊です。
内容が非常に濃いので 2回か3回に分けてお届けします。
テーマは「オープンマネジメントブック」です。
「吹けば飛ぶようなこの会社が生き 残る方法はただひとつ。
それは財務内容をオープンにすることで従業員に会社の現状 を理解させ、
オーナー意識をもって業務にあたらせることだ」。
具体的には、社員及 び就職希望者に説明する。
仕事の7割が作業で、残り3割はビジネスの勉強である。
経理スタッフによる講習会、現場直属上司による直接指導、教材の配賦など。
税引き 後利益、社内留保金、株式、キャッシュフロー、とにかくすべてを教える。
社員全員 に、損益計算書と貸借対照表を読めるようになってほしい。
導入した理由
1、雇用契約を守るため。(設立時約9億円近い銀行借入に対し、
自己 資本は約1千万しかなかった。実体的には倒産寸前)
理由2、「仕事のための仕事」をしないため。
理由3、雇われ人意識を取り除くため。
理由4、富を創出して、分配するため。
前提 会社と社員、管理職と社員の間に信頼関係を築く。
「われわれは信頼を築いた。本当 のことを述べ合ってはじめて信頼関係は築かれる。
従業員が管理職を信頼していなけ れば、そして従業員同士が信頼し合っていなければ、
会社の運営はうまくいくはずが ない。
嘘や不誠実がビジネスをだめにするという大切な教訓を、わたしはこのときに 学んだ。」
また、従業員に無理やり仕事をさせれば効果的な運営が図れるという考え は間違っている。
「やりたいと思わなくてはならない」目標が何であれ、自発的に目 指すのでなければ、いかなる目標も達成できない。
そして、管理職の仕事は、部下の 意欲をかきたてることに尽きる。
始め方 小さな成功の積み重ねから、勝利の味を従業員に教えることから始まる。
よく成功体 験を積むと言いますが、大人になるまでにどんな分野であれ成功体験を積んで、
自分 はできるという自信を持つことが非常に重要だと社会人1年生のとき先輩から教えら れました。
筆者は、収益のあげかたや資産のつくりかたについて、
現状の知るための 数字の読み方や成績のつけかたについて、
教える前に二つの条件を整えておく必要あ るといっています。
1、従業員の信頼を得ていること。
2、従業員の目が輝いていること。
ー従業員に「負け犬意識」がしみついていたら、 グレートゲーム・オブ・ビジネスは絶対に機能しない。
これは筆者の経験に基づいて語っています。
筆者が現在の会社にきたころ、みな不機 嫌な表情をしていて、まるで葬儀に参列しているような雰囲気だったそうです。
そこ で従業員の誇りをはぐくむ努力をしました。
工場の一般公開ー従業員の両親や子どもを招いて職場を見せ、大変な好評を博した。
釣り大会の開催、野球の対抗戦、チャリティーへの参加、競争に参加できるチャンス はひとつも無駄にしなかった。
整理整頓や出勤状況などの表彰ー皆勤賞には豪華な食事がふるまわれた。
オープンブック。マネジメントの実践法
1、損益計算書から始める
2、最も費用のかかっている項目を強調する
3、項目を小分けして扱いやすくする
4、損益計算書をもとに、貸借対照表について教える
と今まで私が本で学んできたことが、
これ一冊でほとんど網羅されております。
これ を繰返し読んだほうがよっぽど勉強になったんじゃないかと少し悔しい思いもしま す。
何か経営や会計について1冊かってみようと考えられている方は、
ぜひこの「グ レートゲーム・オブ・ビジネス」をお勧めします。
私自身もこの本を楽しみたいの で、今日はここまでにさせていただきます。それでは。