今日の1冊は、
近藤仁著「経理の仕事がわかる本」日本実業出版社、です。
ちょっと変わり種なのは、現役の経理部長が書いた新人のための経理本というところです。
経験年数別の担当すべき経理業務の一覧や月次決算の日程、
請求書・領収書の扱い方は、さすが現役の方という気がします。
定額資金前渡制(インプレスト・システム)という言葉は始めて聞きました。
交際費の範囲と限度額や広告宣伝費の処理方法では、
以前このブログでもコメントでアドバイス頂いた点が紹介されています。
例えば取引先との飲食代は、常識的な範囲内であれば会議費となり、
それを越えると接待費など。
報酬・料金等の区分に応じた源泉徴収税額の計算方法では5種類の区分に対し、
計算方法が明示されており、キリのいい手取り金額を渡したいときは、
5万円÷0.9=55,555円など言われてみれば
なるほどというアイデアもあります。
固定資産や償却資産と少額資産の違いなどは、
実務上結構迷いそうですが、判定基準チェックリストがあります。
私の仕事がらみでは、無形固定資産などのソフトウェアの扱いなどは、
よく話題になるところです。
決算、予算編成スケジュール例などは、このまま紹介したいところですが、
経理の新人でなくても、会社の規模が成長する過程で、大きな会社はどう処理
しているか知りたいというケースでも大まかなところは参考になるかもしれません。
筆者は、これからの経理は、以前の「計算屋」と
呼ばれた業務から、会社のなかで重要な地位を占める
花形の仕事と位置づけています。
私も営業で回っていて、優秀な営業マンとそうでない営業マンの比率と
経理マンのそれを比較した場合、
圧倒的に優秀な経理パーソンの方が比率が高いと常々感じています。
本日は、この辺で。
編集後記
日本の製造業のコストダウンの努力は素晴らしいと
常々感じていましたが、
昨日お邪魔したお客様でお伺いした話も勉強になりました。
お客様「プリンターは、カセットにA4とA3を使ってます。」
私 「一般的には、A4とB4が多いと思うのですが?」
お客様「私どもの会社では、会社全体の取り決めでB版をほぼ廃止しました。」
私 「もらう人は、A版に統一されるとファイリングが簡単ですよね。」
お客様「そうなんです。紙の一覧表で渡す代わりにデータ(PDF)で渡したり、
紙の統一によって購入コストが下がったり、
もちろん裏面印刷・コピーの併用などにより印刷費が
具体的にだいぶ下がりました。」
私 「それは素晴らしいですね。どの部署が主導されたのですか?」
お客様「委員会を設置して、かれらがアイデアを出したり、集計しました。」