『成功のコンセプト』三木谷 浩史(著)
出版社: 幻冬舎 (2007/10) ISBN-10: 4344013921
目次
第一のコンセプト 常に改善、常に前進
第二のコンセプト Professionalismの徹底
第三のコンセプト 仮設→実行→検証→仕組化
第四のコンセプト 顧客満足の最大化
第五のコンセプト スピード!!スピード!!スピード!!
◆改善は人が未来を切り開くための強力なエンジンだ
『 6人が1ヶ月走り回り、何百の商店や会社を訪問したか分からないけれど、獲得した出店者が4、5店舗とい
うことは、成功確率はせいぜい1%か2%というところだろう。これが農作物なら、発芽率がたったの1%の
種を栽培することはありえないはずだ。
けれども僕はそれを、たったの5店舗とは思わなかった。
5店舗も集まったのだ。これはすごいことじゃないんだろうか、と思っていたのだ。
たったの5店舗であろうと、楽天市場に出店してくれたということは、出店してくれた理由があるという
ことだ。ゼロは何倍してもゼロだが、1でも2でも数字があれば改善してそれを増やすことができる。
そして何かを改善すれば、必ず次の改善ポイントが見えてくるはずだ。さらに、改善すれば、また次の改善
ポイントを見つけることができる・・・・。
これを延々と繰り返してきたのが、僕たちの未来に対するアプローチだ。そしてそのアプローチは今も
変わっていない。
僕はこれを改善モデルと呼んでいる。改善することが前提なのだ。』
◆激変する時代に対応するために必要なのは日々の準備だ
『 ご主人が楽天を知ってくださったのは、お米屋の商いを小さくしようと考えていた矢先のことだった。
インターネットはもちろん、コンピュータに触るのも初めてだった。最初の頃は毎晩夜中までパソコンに向かって
店のページを作ったという話だから、ご苦労もかなりなされたはずだ。けれど、出店8年目の今年は、楽天市場で
の売り上げが月商1000万円を超えるようになっている。拡大したビジネスを手伝うために、息子さんも帰郷
されたそうだ。
「息子が戻ってきてれくたのがいちばん嬉しい」
お米屋のご主人がそう言ってくださるのが、僕には何よりも嬉しい。そしてそういう話はこのお米屋さんだけ
でなく、日本中にたくさん広がっている。
これは当たり前の話なのだ。村の人しか来なかった店先を、インターネットを通じて日本中の人が覗けるように
なったのだから。人通りの賑やかな銀座四丁目の交差点に、お米を愛するお米屋さんがお店をだしたようなものだ。』
◆成功している時こそ、自分を否定する勇気を持つ
『 僕はこの時間をもっと有意義に使いたいと考えた。会議の大半は要するに説明の時間なのだ。これを短縮すればいい、
と考えたのだ。
そこで楽天では会議の資料を、前日の夕方5時までにすでて提出することにした。実際の会議では、前の晩に
資料を読んでいるから説明の時間は必要ない。
判断するのに1分、説明に59分というのが普通の会議。楽天方式なら資料を読んだ際の不明点だけ、「ここだけ
ちょっと説明してください」で済むから、1時間の会議が10分くらいで終わる。
そもそも会議の目的は何なのか。会議の目的は説明することではなくて、決断することだ。事前に読んでおけば
説明なんていらないということで、こういうシステムになったわけだが、その結果として膨大な時間が節約できて
いる。
時間の節約だけではない。・・・』
◆仕事は誰のためでもなく、自分のためにするものだ
『 どうしても仕事が面白いなどと思えない人がいるかもしれない。上手い言葉がなかなか見つからないのだが、
仕事とか労働という言葉が適切ではないのだろう。
仕事や労働という言葉には、どこか義務のニュアンスがある。生活のためや、お金のためにする何か辛いことでも
あるかのような・・・。
「仕事なんだから文句を言わずにやれ」とか「仕事が辛いのは当たり前」などというセリフがあったりする。
けれど、それはプロフェッショナルの態度ではない。
名人と呼ばれる、ある漁師さんの話を聞いたことがある。
彼は都会から来た記者にしみじみとこう言ったそうだ。
「いやあ、漁ほど面白いものはないぞ。世の中の人はどうしてみんな漁師にならないんだろう。俺にはそれが不思議で
ならないんだ」
それがプロフェッショナルというものだろう。
イチロー選手にとって野球が仕事でないように、彼にとっても漁は仕事ですらないのではないかと思う。
イチロー選手は野球をそういう意味での仕事とは考えていないだろう。確かにそれで収入を得て、自分や家族を
養っているという意味では”仕事”かもしれない。
けれど彼がバットを振るモチベーションは、それが”仕事”だからではないはずだ。もっと根源的に、「野球が
好きだから」「もっと野球が上手くなりたいから」という楽しみがあると思う。
その漁師さんが釣りの仕掛けを考えている時、きっとそれが”仕事”ではないように。』
★インターネットに関わるビジネスをやろうとしている方には、
手ごろかもしれません。
意外に、そんなに、ITに詳しいわけでなく、
むしろ、べたべたな営業活動から、楽天の顧客獲得がはじまったことに、驚きました。
なにせ、ハーバードでMBAまで、取った人が、汗をダラダラ流しながら、
どぶ板営業ですから、
スゴイですね。
本日は、この辺で。
編集後記
このところ、
引っ越し問題が、浮上し、
けっこう、頭を悩ませています。
「引っ越し貧乏」なんて言葉もあります。
楽しく、前向きに、ワクワク取り組みたいと思います。
でも、
お金の問題は、やっぱり、頭が痛いです。