『企業元気化プログラム』小西 正行(著)
出版社: 幻冬舎メディアコンサルティング (2007/06) ISBN-10: 4344995864
目次
はじめに ~もう「小さい会社」とは呼ばせない
第1章 ビジョンなき経営者の限界
第2章 幹部社員が行うミッションとは
第3章 パッションが「脱・中小」のカギだった
第4章 プロ社員を生むアクションプラン
さいごに 誰のためのバリューなのか
◆”即”戦力という幻
『 実際、求人情報誌の中から、中小・零細企業の広告をチェックしてみると、「幹部候補生募集!」
「入社後即、マネジャーになれるチャンスあり」といったキャッチコピーが踊っているものがとても
多い。また、会社の業績や規模に比べて、びっくりするほど給与が高い、福利厚生が手厚い、休暇が
取りやすいなどと、好条件で「釣っている」とおぼしき広告も少なくない──何しろ経験者だけに、
経営者の必死な気持ちが、痛いほど伝わってくる。
しかし、私の経験から言わせてもらえば、管理職を中途で採用しようとすることは、かなりリスクの
大きい賭けだと思っておいたほうがいい。』
◆経営者の志なくして、
企業の成長などありえない
『「うちには、何でもそろっています。どんなご相談にも乗りますよ!」
一見、とても魅力的なセールストークなのだが、本当に「どんな相談にも乗る」ことが出来るのは、
社員数が多く、仕入れ先とのルートが太い、経験も豊富な大手リフォーム会社だけ。小さなリフォーム屋が
下手に幅広いジャンルに手を出してしまったら、建材の在庫が増えて結局はロスになり、店の特徴を出せない
ために覚えてもらうことも出来ず、「何でも出来る=何も出来ない」の典型例に陥ってしまうのが関の山だ。
しかし、、「これしかやってません」と看板を掲げるのは、とても傲慢な感じがするし、見込み客の数が
減ってしまうようで、踏み出しにくいという経営者が多い。そして、決断しないうつに業績を落として、
廃業してしまうのである。
また、「安さで勝負!」「小回りが利くことがセールスポイント」とばかりに、目先の利益を拾うことに
奔走して、社長も社員もへとへとになるまで働き、最後には価格競争に巻き込まれて赤字転落・・・・
という話もよく聞く。どちらのケースも、経営者が理念をしっかり掲げていないがために起こった悲劇だ。
そこで当社では、逆に商品点数を絞り込む戦略を取っている。
将来的に資本力のある企業に成長できたら、戦略を変更するかもしれないが・・・』
◆借りモノの経営理念なら、ないほうがマシ
◆他社に引き抜かれる人材に!
『 もちろん、私は社員ひとりひとりを大切に思っているし、出来れば長く勤めてもらいたいと考えているが、
激動の時代を生き抜くためには、帰属意識や愛社精神を持つだけではなく、自立型の社員を目指してもらいたい。
つまり、どこの会社でどんな状況で働こうが、給料の3~4倍の粗利額を稼ぎ出すような力を付けてもらいたい。
そのためには、自らの存在価値を高めていく努力が不可欠だ。とくに、幹部となる社員ならば、
ビジネスのプロとしての条件を満たし、会社の業績に貢献することで組織から必要とされる存在にならなければ、
その責任を果たすことは出来ないだろう。』
◆才能よりも日々の努力
『 私は社員たちに読書を勧めているが、週に1冊読むのと読まないのとでは、年間で50冊の差になる。また、
漫然と読んでいるのと、何かを得ようと目的意識を持って読むのでは、吸収できる情報に大きな開きが出るだろう。』
◆社会人としての基礎力は自分で磨け!
『 挨拶をすること、他人にお詫びやお礼を言うこと、遅刻や無断欠勤をしないこと、整理・整頓をすること、
報告・連絡・相談をすることetc──こうした社会人としての常識(モラル)が当たり前に出来る人と、
どうしても出来ない人との差は大きい。出来ない人に対して、いくら口を酸っぱくして「挨拶しろ!」と言ったことろで、
形だけまねたような状態で終わることのほうが多い。』
◆「トップ」の快感はクセになる
『 では、「良い会社」とは、どういう会社だろう?
その定義は人によって違うだろうが、「当社の一番の強みは○○です!」と、何かの分野で”一本立つ”ものを
持っているという条件は、不可欠だと思う。そして、たった1本でもフラッグが立っていれば、そこに注目し、
引かれるお客さまや人材は必ず存在するはずだ。』
『 何かでトップを勝ち取る快感を知った人は、別のジャンルでもトップを取りたくなる。しかも、一度経験している
ことだから、「自分には、トップを取れる力があるのだ」と、信じて実行することが出来る。このポジティブ思考の
力はおそろしいもので、例え失敗したとしても、「いつか成功できるはず」と思えば、再度トライする気力が湧くし、
努力を続ける粘りも出てくる。「成功するまで続ければ、失敗は成功へのプロセスに変わる」と言われるように、
最後には高い目標にも達してしまう。私の場合、スペースアップが南大阪で地域一番店になったときの快感が
次のステップの気力となった。』
◆オープンにせよ!
『 私は、会社にまつわる数字──予算、利益、研修費などを、出来るだけ社員に対してオープンにするように
している。なぜなら、会社の実態が分からなければ、社員は何に留意して動けばいいのか、どこに自分の労力や
時間を集中させるべきなのか、判断が付かないからだ。
とくに、幹部や店長といった管理職・リーダー職の社員には、損益計算書や貸借対照表といった経営数字を
明らかにしている。
見ていない=知らないと、そのことに対する責任は負えないが、
見ている=知っていると、そこに「責任を持たねば」という意識が生まれる。この違いは大きい。
歩合給を廃止した結果、店長たちにはマネジメントスキルを向上させるという新たな目標が生まれた。
月一回のマネジメント研究会では、生の数字を前にして、勝ち続けるための方法について、意見交換や勉強の
機会が生まれている。』
★24歳という若さで、家業を継ぎ、
10年間で社員100名、売り上げ目標25億の会社へと、一気に成長させた経験を本にされました。
非常に若さ溢れる、勢いを、文章からも感じます。
若くて、野心ある人々に、ぜひ、お勧めです。
本日は、この辺で。