『生き方―人間として一番大切なこと』稲盛 和夫 (著)
出版社: サンマーク出版 (2004/07) ASIN: 4763195433
目次
プロローグ(混迷の時代だからこそ「生き方」を問い直す
魂を磨いていくことが、この世を生きる意味 ほか)
第1章 思いを実現させる(求めたものだけが手に入るという人生の法則
寝ても覚めても強烈に思いつづけることが大切 ほか)
第2章 原理原則から考える(人生も経営も原理原則はシンプルがいい
迷ったときの道しるべとなる「生きた哲学」 ほか)
第3章 心を磨き、高める(日本人はなぜその「美しい心」を失ってしまったか
リーダーには才よりも徳が求められる ほか)
第4章 利他の心で生きる(托鉢の行をして出会った人の心のあたたかさ
心の持ち方ひとつで地獄は極楽にもなる ほか)
第5章 宇宙の流れと調和する(人生をつかさどる見えざる大きな二つの力
因果応報の法則を知れば運命も変えられる ほか)
◆求めたものだけが手に入るという人生の法則
『「ダム式経営ができれば、たしかに理想です。しかし現実にはそれができない。
どうしたらそれができるのか、その方法を教えてくれないことには話しにならないじゃないですか」
これに対し、松下さんはその温和な顔に苦笑を浮かべられて、しばらくだまっておられました。
それからポツリと「そんな方法は私も知りませんのや。知りませんけども、ダムをつくろうと
思わんとあきまへんなあ」とつぶやかれたのです。今度は会場に失笑が広がりました。
答えになったとも思えない松下さんの言葉に、ほとんどの人は失望したようでした。
しかし私は失笑もしなければ失望もしませんでした。それどころか、体に電流が走るような
大きな衝撃を受けて、なかば茫然自失と顔色を失っていました。松下さんのその言葉は、私に
とても重要な真理をつきつけていると思えたからです。』
◆現実になる姿が「カラーで」見えているか
◆病気になって学ばされた心の大原則
『「われわれの心のうちには災難を引き寄せる磁石がある。病気になったのは病気を引き寄せる
弱い心をもっているからだ」
というくだりを見いだして、その言葉にくぎづけになりました。・・・』
◆あきらめずやり通せば成功しかありえない
『・・万策尽き、セラミックを焼く炉の前で茫然と立ちつくす技術担当に、私は、
「神に祈ったのか」と尋ねました。人事を尽くし、あとはもう天命を待つほかない。
そこまで力を尽くしきったのか、と私はいいたかったのです。』
◆迷ったときの
道しるべとなる「生きた哲学」
『 人生を歩んでいく途上では、至るところで決断や判断を下さなくてはいけない場面が
出てきます。仕事や家庭、就職や結婚に至るあらゆる局面において、私たちは絶えず、
さまざまな選択や決断を強いられることになります。生きることは、そういった判断の
集積であり、決断の連続であるといってもいい。
すなわち、そのような判断を積み重ねた結果がいまの人生であり、これからどのような
選択をしていくかが今後の人生を決めていくのです。したがって、その判断や選択の基準
となる原理原則をもっているかどうか。それが、私たちの人生の様相をまったく異なった
ものにしてしまうのです。
指針なき選択は海図を持たない航海のようなものであり、哲学不在の行動は灯火もなしに
暗い夜道を進むようなものです。哲学といってわかりにくければ、自分なりの価値観、
倫理観、あるいは理念や道徳といいかえてもいい。そうしたものが、いわば生きる基軸と
なり、迷ったときに立ち返るべき原点として機能します。』
◆自分の人生ドラマを
どうプロデュースするか
『 人生とはドラマであり、私たち一人ひとりがその人生の主人公です。それだけでなく、
そのドラマの監督、脚本、主演、すべてを自分自身でこなすことができる。また、
そのように自作自演で生きていくほかはないのが、私たちの人生というものです。
ですから何より大切なことは、自分の人生ドラマをどのようにプロデュースしていくか。
一生をかけて、どのような脚本を描き、主人公である自分がそのドラマを演じて(生きて)
いくかということです。
真剣さや熱意に欠けた、怠惰で弛緩した人生を過ごすほど、もったいないことはありません。
人生というドラマを中身の濃い、充実したものにするためには、一日一日、一瞬一瞬を「ど」
がつくほど真剣な態度で生きていくことが必要になってくるのです。・・・』
★この本は売れいるようです。3ヶ月も前に買ったんですが、すっかり忘れていました。
先日、kimutax@税金マニアさんのブログで紹介されていて、
まだ、読んでないかなぁ?と思い、パラパラめくって、夜寝る前に、読み進めました。
経営講話シリーズで、何度も聴いている話が、出てくるので、読みやすかったのですが、
本当に、実践者の言葉なので、深く・思いお話ばかりです。
「利他の心」では、第二電電設立の折に、
これは、本当に自分の私心でやるのでなく、
国民の利益のためか、ということを、半年間も自分の心に問い続け、
「私心がない」という気持ちを明確にしたために、創業者として一切の株式を持たなかった
とおっしゃっています。
お金の話で恐縮ですが、
今のAUの繁栄から考えると、もし株式を持っていれば、
数百億の価値は、十分あったはずです。
その設立を、役員会にかけたとき、周囲は反対ばかりで、
なかば、独裁的にすすめたというエピソードもあり、
ゼロから自分の力とリスクで大きくした事業から、
一銭の創業者報酬を受けていないというのは、
近頃の、世の中の事情からすると、信じられません。
何度も読み返したい1冊です。
本日は、この辺で。