『セブン‐イレブン覇者の奥義』田中 陽 (著)
出版社: 日本経済新聞社 (2006/04) ASIN: 4532312450

目次

 序章 セブン‐イレブンが流通再編を加速させる
 第1章 経営の根幹にあるフランチャイズという理念
 第2章 秘密の商品開発部隊NDF
 第3章 セブン‐イレブン誕生
 第4章 常識破りの物流改革
 第5章 直接対話へのこだわり
 第6章 現場発想の情報システム
 第7章 店舗・什器の終わらない革命
 第8章 コンビニバンク銀行の常識を超える
 第9章 本家救済、米国の流通も変える

◆地域内集中出店の威力

 『セブン─イレブンの出店戦略は極めて明快である。同一地域に集中して大量に出店する。
  これをドミナント(高密度多店舗出店)方式と呼んでいる。同一地域に「セブン─イレブン」が
  多数あることで消費者への認知度が上がり、ストアロイヤルティー(店舗への支持)も高まると
  考えたからだ。このドミナント戦略は創業当時から今も変わらず続いている。セブン─イレブンは
  一号店を東京・江東区に決めたことから、まずは江東区内に店舗網を張り巡らせることになった。』

◆利益重視の経営

 『・・利益とは売上高から売れた商品の仕入れ原価などを差し引いた売上高総利益(粗利)を指す。
  セブン─イレブン本部は、売上高総利益(粗利)の一定率をチャージ収入として徴収している。
  この仕組みは粗利配分方式と呼ばれるものである。粗利益額(率)を高めることが加盟店の
  利益につながり、その結果としてセブン─イレブン本部のチャージ収入も上がることになる。
  この粗利分配方式はサウスランド社で行なわれており、粗利分配方式の考え方はセブン─イレブン
  本部でも忠実に踏襲された。・・・』

 『・・・この粗利計算方法はセブン─イレブン本部と加盟店の信頼関係を支える重要な役割になって
  いる。サウスランド社が開発した会計システム「オープン・アカウント・システム」は、
  今もセブン─イレブン本部と加盟店との間で利用されている。』

★本来、中小企業の話を取り上げるのがテーマの一つなので、大企業の本を扱うことは、
 できるだけ避けていますたが、例外が、創業社長の本です。

 セブン─イレブンは、今でこそ、流通業の巨人ですが、当初はベンチャーです。
 食中毒発生は、流通の改善は、まさしく、零細・中小企業の業務改善・改革を
 見るようです。
  

 ランチェスターの弱者の戦略を学んだ時から、セブン─イレブンの出店戦略には、非常に
 興味がありましたが、
 ここまで、流通と密接に関連があり、それが利益率を押し上げているのがよく分かり、
 その先見性と戦略的な読みには、驚嘆しました。

本日は、この辺で。

投稿者 himico-blog