アルフレッド・チャンドラー(著)『組織は戦略に従う』
ダイヤモンド社 ; ISBN: 4478340234 ; (2004/06/11)
目次
- 序章 戦略と組織
- 第1章 歴史的背景
- 第2章 デュポン―自律的事業部の創設
- 第3章 ゼネラルモーターズ(GM)―総合本社の創設
- 第4章 スタンダード石油ニュージャージー―海図なき組織改編
- 第5章 シアーズ・ローバック―計画と偶然がもたらした分権化
- 第6章 組織イノベーション―比較分析
- 第7章 事業部制の広がり
- 終章 巨大企業の歴史
出版社/著者からの内容紹介
名言となった表題が生まれた記念すべき経営学の古典的名著。
GM、デュポンなど4社の徹底調査し、組織と戦略の本質を明かす。
ドラッカーに並ぶ、経営学の超大物、アルフレッド・チャンドラー。
彼の記念碑的代表作がついに復刊!
1920年代に、当時の大企業が挙って採用した事業部制はどのような経緯で生まれたのか。
GM、デュポン、シアーズなど当時の巨大企業の詳細な調査から、組織形成の過程が明かされる。
あの名言「組織は戦略に従う」が生まれた、経営書の金字塔。
◆動機と手法
「アメリカの巨大企業の戦略と組織はどのように変遷してきたのか。このテーマの探求は、比較経営史を
著す試みの一つとして始まった。・・・」
◆資本主義的企業については
『独立の経済組織として、構成メンバーの上位に位置づけられる。個々の取引に介在しながら存続を続け、
往々にして構成メンバーよりも長い寿命を持つ」とされている。』
『組織形態とは、マネジメント組織のつくりを指す。組織のつくりには、公に定まっているにせよ、
そうでないにせよ、二つの側面がある。第一に、マネジメントに携わるさまざまな組織や人材のあいだでの、
権限やコミュニケーションの経路、第二に、それらの経路を通して社内に伝わる情報やデータである。
これらの経路やデータは、基本的な目標や方針を実行に移し、会社の経営資源を結集するのに必要な調整、
業績評価、プランニングなどの成果を高めるために、欠かせないものだ。ここでいう経営資源とは
財務資本、工場、機械、オフィス、倉庫、販売・購買施設などの物的資産、原材料の調達先、人材の持つ技術、
販売、管理面での技能などである。
以上の諸前提からは、組織は戦略に応じて決まり、いくつかの基本戦略が組み合わさるときわめて複雑な
組織が出来上がる、との主張が引き出される。・・・』
◆組織の構築
『アメリカでは多くの人々が、経営管理の問題をもっぱら経営者の資質との関連でとらえていたためだろうが、
巨大企業は非効率にならざるを得ず、規模の経済はまず引き出せない、との論調はデューイングの論考が
発表された後、長らく影響力を保った。』
◆さらなる成長─事業部制の誕生
『1900年以降、都市化と技術の進歩を受けて、それに伴うニーズと機会に対応するために、
大企業は主に三種類の戦略のいずれかを用いた。
事業の成長は、
①従来と同一の顧客層に既存の製品ラインを浸透させていく、
②新しい市場や調達先を遠隔地や海外に求める、
③従来とは異なる顧客層向けに新しい製品ラインを多数取り揃える、
という三つの道のいずれかによって可能となった。・・・』
◆スローンの組織構想
『この「組織についての考察」の土台をなすのは、以下の二つの原則だ。』
原則1 各事業部の最高責任者は、担当分野についてあらゆる権限を持つ。
各事業部は必要な機能をすべて有し、自主性を十分に発揮しながら道理に沿って発展を遂げていけばよい。
原則2 全社を適切にコンロールしながら発展させていくためには、本社が一定の役割を果たすことが欠かせない。
◆新組織を動かす
◎各事業部の業務内容を決める
『・・次いでGMは、事業部間取引のルールを定めた。製品の販売先が他事業部であろうと、社外であろうと、市場価格で
取引するとしたのだ。事業部間の取引に際しても、交渉によって価格を決める余地はなくなり、対外価格が適用された。
ドナルドソン・ブラウンが1927年にこう指摘している。「社外への販売額が小さく競争原理が働かない場合には、
購入側の事業部が競争条件を決めることになる。時折にせよ社外からも調達が行われれば、競争が徹底するだろう」。
このような競争がないかぎり、付属品・部品関連事業部の業績を評価するのは難しい、ともブラウンは記している。・・・』
★この本は、古典的名著です。
私は、仕事上、部門別管理や管理会計の手法について、興味を持って勉強しています。
最新の手法では、カンパニー制度や、持株会社制度など、いろいろとあるのでしょうが、
そもそものスタートに遡って、その歴史や原点の簡単なところから、学べば分かりやすいのではと考えました。
本書では、デュポンやゼネラルモーターズ(GM)、スタンダード石油、シアーズ・ローバックが取り上げられています。
分かりやすくあり、また、なぜ変革に迫られたのか、その危機も参考になります。
本日は、この辺で。