小池明(著)「I/O経営の仕組みと実践―上級経理・財務担当者のための」中央経済社です。02257605
目次
第1部 I/O経営の形成と実践
第1章 I/O経営序説
第2章 I/O収支理論の形成過程
第3章 I/O収支の経営理論
第4章 I/O収支の計算 ほか)
第2部 私の管理会計
第1章 先人が訓えた日本の経営原理
第2章 「会計」と「経営」
第3章 管理会計における名著・名言・名句
第4章 管理会計とともに50年
◆棚卸を制するものは経営を制する
「・・・したがって、今日の棚卸資産は、『まだ売上げになっていない原価』
と考えるべきであろう。費用・収益の対応の会計原則によって、売上に見合わない
原価は「棚卸」という仮称で倉庫や製造所で一時滞留をしているにすぎないのである。」
「・・・誤算はこればかりではない。棚卸勘定という仮宿はいかにも居心地がよいのである。
余剰な材料手配、不能率な生産費、無駄な諸経費も、無駄、不能率、不適合と認識されぬまま、
『会社の財産』という衣をかぶって、当分の間、安らかに眠ることができるのである。」
◆原価発生時点における棚卸管理
「・・・『新しく物を作るための費用はその源泉において徹底管理すべし』
これが棚卸管理の鉄則である。
棚卸管理は、棚卸資産になってしまう以前の『材料費』『人件費』『諸経費』という
発生時点において、その管理効果を確認できるものである。」
◆「管理」の空洞化
「・・・前述のように、管理の基本は結局のところ人対人の関係で成り立つ。『手法』は
あくまでも手法である。手法が管理するのではない。人対人との関係というのは、
管理する側と管理される側の人対人の関係である。例外はあるが、人間の心情、感覚として、
管理される側よりも管理する側の方が格好がよいし、自分の能力にあった良い仕事ができる
と錯覚しがちである。・・・」
◆I/O収支予算を作ること
「・・この経営管理のための行動、活動組織の管理制度を私は『I/O収支管理』または
『I/O経営』と名付けて今日に至っている。」
◆経営行動の基準たるI/O収支
◆I/O経営における固定資産管理
◎私はここで平成8年、京セラの稲盛和夫会長が書かれた『実践─経営と会計』に
ひどく感動したことを思い出す。・・・
「固定資産の取得に関する全社的または事業部門別のI/O収支予算制度またはそれに代わる
管理制度があるかということ」
「重要な固定資産取得が、経営トップの意思決定を含む取得ルールに基づいて行なわれている
かということ」
◆管理会計とともに50年
◎陸軍経理学校にて
「・・『いいか、お前たちは経理将校になるんだ。そうするとお前たちは戦争に行って勝たなければ
ならないんだ。軍隊が軍馬を3頭失ったということは軍の戦力の大変な損失である。したがって、
この損失をカバーするにはどうしたらいいかという作戦なり、考え方を上司にきちんと説明し、
具申をしなければ、お前たちの職務は全うされないんだ。・・・
・・・以上のことは頭の中に何十年もこびりついております。・・・
単に財務諸表を作り、これだけできましたというだけでは駄目だと。その中に潜んでいる経営の効率化
がどうなのか、あるいはどうしたらもっと会社の経営がよくなるか、ということを経理の立場から、
上の人に具申し、・・・」
★I/O経営というものが、あるということは分かりました。
中身については、もう2~3回、再読しないと、飲み込めません(笑)。
筆者は、NECで副社長まで勤められ、
経理畑がそのキャリアの中心ですが、
主に、原価管理に注力したとのことです。
本日は、この辺で。