『プラネット式IT起業で成功する方法―業界「標準化」で高収益を続ける驚異のしくみ』玉生 弘昌(著)
出版社: 東洋経済新報社 (2006/11) ISBN-10: 4492501649
目次
第1章 創業前夜、アイデアをチャンスに変える。
第2章 会社設立、そして認知されるまで。
第3章 強いベンチャーになるための試練と決断。
第4章 上昇期、業界への貢献を目指して。
第5章 隆盛期、増えるユーザーと増える要望。
第6章 大きな失敗と、そして教訓。
第7章 上場、その意味と効果。
第8章 成熟期、インターネット時代に目指すもの。
第9章 提言、いまどう動けばいいのか。
『企業は社会のためになる製品やサービスを提供してこそ存在価値があるものです。
もちろん、利益を上げることは会社存続のために大切なことです。利益を出して株主に配当として還元することも
必要です。ただ、それだけが企業活動のミッションではありません。
何よりも、よりよい製品やサービスを提供し、社会から喜ばれて社会に認知されることこそが、企業の最も
重要な使命なのです。』
『 話は変わりますが。プラネットの若い社員には、
「本を1000冊読みなさい」
と勧めることにしています。ITの分野はものすごいスピードで変化しています。そのスピードについていくためには、
常にたくさんの情報をウオッチングしている必要があるからです。
情報は、まず本です。
1000冊を1年で読むのはムリでしょうから、10年、あるいは15年でもいい。とにかく1000冊読んだ
人と読まなかった人でとでは、その間、知識レベルに大きな差がつくはずです。
みなさんもぜひ1000冊に挑戦していただきたいと思います。』
◆時代の変化を読むことでアイデアが生まれる
『 プラネットの構想は、私がライオンに勤めているときに発想したものです。目的は、ライオンも含めた
日用雑貨業界のメーカーや卸店の受発注の効率化でした。
手作業で処理している伝票の整理を簡略化して、作業効率をあげたい。
電話やFAXが主体になっている受発注を、データ交換で行ったらどうだろう。
データが収集できれば、商品の流れがわかり、マーケティングに生かすこともできるだろう。
これをメーカーも卸店もそれぞれがn対nで行うために必要なことはひとつ。「標準化」である。
プロトコルやフォーマット、商品コードなどを統一すれば、煩雑な処理は相当軽減されるだろう。・・』
◆テクノロジーよりも大事なものがある
『 ITで起業しようと思ったら、まずテクノロジーを知らなければならない、そして標準を知らなければならない、
そして何よりも、誰を味方にするか、業界の仕組みはどうなっているかというパワーバランスを知らなければ
ならない、ということを、私自身この時期に学んだのでした。』
◆私的な研究会が自由な発想を生み出す
『 本当に斬新な案を創り出せるのはインフォーマルな組織のほうが適していると思います。』
『大事を成し遂げるときに、何があっても絶対に裏切らない人がいるということは、実にありがたいことです。
あるいは、これは絶対に必要な条件なのかもしれません。
その人が、その場面にいなくても、それについての知識がなくても、影響力がなくてもいいのです。
信じてくれる人がいるというだけで、初志貫徹ができるのです。』
◆誠心誠意がやかて仕事を運んでくる
◆役立つサービスだけがユーザーに喜んでもらえる
◆遅れている部分はアイデアでカバーする
◆大企業ほどシステムが遅れている
★創業から20年、増収増益のペースを維持し、2006年7月期決算では、経常利益率がなんと20%ということです。
日用雑貨業界の主要8社と卸売業者との間の受発注を電子的に行うことで、事業をスタートし、
今では、メーカー326社、資材サプライヤー247社、卸売業者472社を合わせた1045社が利用する、
巨大ネットワークを構築しています。
先見の明のある起業家であり、かつ、賢明・健全な企業家という、印象を持ちました。
こんご、IT業界で起業したいという方には、ぜひ、お勧めです。
本日は、この辺で。
編集後記
最近、上の子(ぶーちゃん)が早起きで困っています。
昨日は、私が起きた直後、5時半にトコトコ置きだしましたし、
今日は、ないかな、と思っていたら、6時に起きてきました。
何が困るかというと、
一人で入れない、寂しがり屋なので、
シャーワーを浴びたり、仕事へいく支度ができないことです。
今日などは、
「出かけるな! 会社は、遅刻すれば、いいじゃん」
という始末です。
朝、会えるのは嬉しいですが、勘弁してください!!