山田 日登志(著)『現場の変革、最強の経営 ムダとり』
幻冬舎 ; ISBN: 4344001850 ; (2002/04)
目次
第1章 「ムダとり」とはなにか
第2章 脱「大量生産=分業」宣言
第3章 「ムダとり」を成功させる経営とは
第4章 なぜあなたにはムダが見えないのか
第5章 常識を打ち破らなければ組織は変わらない
◆顧客に一番近いところから見る
『わたしの職業は、いわゆる経営コンサルタントだが、もっとはっきりと「工場再生請負人」
と呼ぶひとたちもいる。』
『2001年5月、NHKで「常識の壁を打ち破れ~脱・大量生産の工場改革」というドキュメンタリーが
放送された。わたしが鳥取三洋電機の工場再建に取り組んだ、現場での戦いの記録である。
放送直後から大きな反響を呼び、計五回放送された。』
『顧客との接点にいちばん近い場所。そこにこそ、問題解決の重要なポイントが隠されている。
わたしは、資材置き場ではなく、製品の山が積み上げられた出荷場へと向った。
「今日は、トラックで何便出ていくの?」・・・』
◆三メートル離れて読めない情報は意味がない
『つくりすぎのムダは、過剰な在庫の山を築く。
それを経営者はもちろん、現場の責任者が誰よりもわかっていなければならない。
出荷より生産が過剰になれば、ムダな在庫が増えるだけである。
わたしは、そのムダをとるための第一歩として、離れたところからでもよく見える
大きな「出荷管理版」(ボード)を掲げるようにという指示を出した。』
◆ベルトコンベアーを外せ
『ムダとりは、向上心である。
自分が毎日向上しようと思っていないとムダは見えない。
ムダが見えなければ、改善のしようがない。』
◆「一人屋台生産方式」への挑戦
『この「一人屋台生産方式」とは、さきほど紹介した「多能工」化をさらに推し進めた、
いわば究極の理想型といえるものである。
つまり、ひとつの製品の組み立てから始まって、検査、包装まで、すべての工程を
一人でやってしまおうという生産システムである。
このとき、作業者の周りには、それぞれの工程が澱みなく進行するように部品や
工具が、まるでお祭りのときの「屋台」のように配置されている。』
『現在、この「一人屋台生産方式」に似た手法として、一人ではなく少人数のチームで
ひとつの製品を組み立てる「セル生産方式」が、ソニーをはじめ多くの工場で採用され、
成果を上げている。
また、キャノンでは「一人屋台生産方式」をさらに進化させ、高品質な製品を短時間で
組み上げることができる作業者に「マイスター(ドイツ語で職人の親方の意)」の称号を
与えている。』
★大野耐一さんのトヨタ生産方式を学んだことから、著者は目覚めたそうです。
元々は、新聞記者として、出発し、
そこから経営コンサルタントの高給にひかれて転職したそうです。
ちょっと古い本で、中古でしか手に入りません。
参考までに、したの本もどうぞ。