『日本型「成果主義」の可能性』城 繁幸(著)
出版社: 東洋経済新報社 (2005/4/15) ISBN-13: 978-4492260746

目次

第1章 年功序列制度とは何だったのか
(年功序列制度にも「競争」はあった年功序列制度が日本の発展を支えてきた ほか)

第2章 成果主義の現状
(年功序列制度という「ユートピア」が崩壊した「いかに組織を大きくするか」から「いかに組織を削

るか」へ ほか)

第3章 なぜ成果主義が機能しないのか
(現場の本音 ボーナスの支給額が決まる二つのプロセス ほか)

第4章 日本型「成果主義」はどうあるべきか
(避けては通れない管理職問題 管理職ポストの見直し ほか)

第5章 成果主義がもたらすもの
(成果主義は万能ではない 制度としては年功序列のほうが優れている ほか)

◆年功序列制度が日本の発展を支えてきた

『 よって、従来の査定制度をひとことで言えば、それは「年齢に基づいた序列制度」とも言うべき
ものだろう。時には同期の人間同士でも差がついたが、そんな場合でも、賞与で数千円レベル、
せいぜい数万円程度の差でしかなかったはずだ。
こう書くと、能力に自信のない人には優しいが、優秀な人材には不利な制度だと思う方も
いるかもしれない。よほど人助けが好きだというなら別だが、自分に自信がある人は、最初から
実力主義の新興企業や外資系企業に就職したほうが得なように思える。
ただ、そこはうまくできていて、年功序列の企業においても、きちんと成果を上げている社員
には、それなりのポストが割り振られる仕組みがあった。』

『 また、仮に管理職などのポスト配分が受けられなかったとしても、全従業員にはベースアップを
伴う「定期昇給」という形のセーフティネットが張られていた。そのおかげで、先の等級ごとの
基本給とは別に、勤続年数に応じた一定の金額が春闘を通じて加算され、毎年一定額は給与が
上昇してくれたのだ。』

◆年功序列においては「組織拡大」がすべてだった

◆年功序列の維持こそ最大のミッション

◆「いかに組織を大きくするか」から「いかに組織を削るか」へ

◆ポストによる出世払いができなくなった

『 そこで、ポスト配分のような出世払い方式ではなく、成果に応じて一時金で支払う
システムが必要になる。』

◆人事部のジレンマ──変化する雇用関係

『 退職金にしたところで、バブル期以前につくられた支給規程どおりに払ってもらえると
信じている人は、もはやそう多くはないだろう。どの企業も、退職金・年金に対する
莫大な積み立て不足に喘いでいる(近年、退職金を給与に含めて在職時に支払う企業が
出始めている。これは今後運用しても増やせる自信がないので、事前に払うから自分で
なんとかしろ、という意味だ)。』

◆成果主義は万能ではない

◆制度としては年功序列のほうが優れている

★この本の結論としては、
良くわかりませんでした。

今後、世の中の流れとしては、
成果主義の批判から、伝統的な日本型年功序列へのゆり戻しがおきていくのでしょうか。

問題は、
中小企業へ、制度がやや遅れて入っていくことです。
これから、成果主義を導入しようと、あるいは、まさしく導入しつつある会社が
いちばん、危ないかもしれません。

大企業よりも早く、毒が体をかけめぐりそうです。

本日は、この辺で。

編集後記

ときどき、

我が身のうつわの小ささに、がっかりすることがあります。

衝動で、怒りがこみ上げてきて、

うまく、セルフ・コントロールできないときです。

そんなとき、まずは、深呼吸して、

なるべく他人を傷つけない術(表現)を身に付けたいものです。

投稿者 himico-blog