太田達也著「外形標準課税のすべて」中央経済社、¥1800-です。4502908207

目次
第1章 外形標準課税とは?
第2章 わが国に導入される外形標準課税のしくみ
第3章 税金のしくみはどのようになっているのか?
第4章 会社にとっての影響と対応策
第5章 残された課題

◆外形標準課税とは何か
◎応益課税としての事業税の性格を明確にするために、その課税標準として、事業の規模とか活動量を表すような
外形基準を導入して、行政サービスからの受益に応じた税金をかけようという主旨のもの。
◎応益負担の原則
地方自治体のサービス(警察・消防・道路・都市基盤整備など)の提供を行なっていくうえで
コストがかかる。便益を受けている会社なり人なりが、そのコストとしての税金を負担すべきという考え方

◆現在の事業税とどこが違うのか?
◎税金を算出するにあたっての基準が違う
所得よりも会社の事業活動の大きさをより適切に表す基準(=ものさし)

◆外形標準課税の三つの長所

1、税収の安定化(安定財源確保による地方財政の安定)
2、税負担の公平化(赤字会社でも便益に見合った税負担となる)
3、税金の性格の明確化(行政サービスの対価としての性格にマッチする)

◆外形標準課税の短所
1、固定的費用負担の増加
2、国際競争力の低下
3、中小・零細企業の負担増加

◆他の国ではどうなっている?
諸外国ではフランス、ドイツと米国の一部の州において、外形標準課税はかなり前から存在していた

◆日本でも外形標準課税の対象となっている業種がすでにあった!
◎電気・ガス供給業
◎生命保険・損害保険業

◆外形標準課税の対象法人
◎資本金1億円超の法人
(ただし、公益法人等、特別法人、人格のない社団等および投資法人を除く)

◆課税標準は
◎法人事業税 = 所得割 + 付加価値割 + 資本割
①所得割:各事業年度の所得および清算所得
②付加価値割:各事業年度の付加価値額
③各事業年度の資本等の金額

◆付加価値割のしくみ
◎付加価値額 = 事業活動によって新たに生み出した価値
「 企業は、外部からお金を借り入れて、人を雇い、原材料を購入して、それを加工して販売する。
加工には、利子、給与、地代、家賃などの諸費用がかかる。この加工費用の総額に利潤を
加算したものを付加価値という。」

◆付加価値額の算定方法
◎付加価値額は事業年度ごとに算定し、各事業年度の収益配分額と各事業年度の単年度損益と合算することにより
算定します。ここで収益配分額とは、報酬給与額、純支払利子および純支払賃借料の合計額をいいます。

◆報酬給与額とは

◆派遣労働者を受けいている場合の取り扱い

◆純支払利子の算定方法

◆純支払賃借料の算定方法

◆支払猶予の特例

◆地方自治体のリストラが必要では?
◎本来であれば歳出面のリストラと引き換えに導入されるべきだったといえる

これ1冊では、本の内容の問題ではなく、私の問題で、外形標準課税に対する理解が足りないと思います。
あと、1・2冊はこのテーマで、またご紹介したいと思います。
とりあえず、資本金1億円以下の中小企業は対象外ですが、
税の性格を考えると、また地方自治体の財政状況も考慮すると、将来的に中小企業への拡大も検討されそうです。

本日は、この辺で。

 

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投稿者 himico-blog