『インテル経営の秘密―世界最強企業を創ったマネジメント哲学 (単行本) 』アンドリュー・S. グローブ
(著)
出版社: 早川書房 (1996/04) ASIN: 4152080043
目次
第1部 朝食工場―生産の基本原理
第2部 経営管理はチーム・ゲームである
第3部 チームの中のチーム
第4部 選手たち
『(1)インテル社での実地体験と生のケースに裏づけられるとともに、
(2)従来の経営学の基本原則や生産管理論の原理原則を徹底的に洗い直して提示し、
(3)GMのスローンなどの名経営者の主張とコンセプトを充分消化しておのがものとし、
(4)さらに、A・マズローの動機理論から、D・マクレランドの達成動機や高業績者の研究、
さらに、フィードラーやハーシー、ブランチャードから、いわゆる状況的リーダーシップの
発想など現代行動科学の理論と実践行動へのヒントを自家薬籠中のものとしており、
(5)その上、同社が子会社を有する日本のマネジメントについても相当突んだ勉強をしている
点は大書すべきである。
(6)さらに著者自身が赤裸々に自らの人事考課の失敗を告白することや、くたびれたら
その時が一日の終わりという人間的なありようを淡々と語ることからもわかるように、
風雪を経た一人の生身の人間の息づかいを感じさせる好著である。』
◆生産の基本 三分間ゆで卵の生産原理は
『 生産の原理を理解するために、かりに読者が食堂のウェイターであると想定してみよう。
かくいう私も学生時代にウェイターをやったことがあるが、ウェイターの仕事は、
3分間の半熟卵とバター・トーストとコーヒーの三品を同時に準備して、できたての熱いうちに
客のテーブルまで運ぶことである、としよう。
この仕事には、実は生産に関する基本的要件が含まれている。その要件とは、顧客の要求に
応じて、あらかじめ決められた”一定の”時間に、客に、納得してもらえる品質水準の製品を、
できるだけ”低廉な”コストで、つくり上げて提供するということである。生産の基本原理や
約束事とは、顧客が要求するものなら何でも、要求するときはいつでも、・・・』P37~
◆ブラックボックスの中をのぞくには
『スタッガー・チャート P60』
◆生産性を高めるために
『身体でより一生懸命にやるのではなくて、もっと頭を使ってよりスマートに」やりたいのである。
P-72
◆マネージャーのアウトプットとは
『・・監督下にあるグループ、あるいは影響下にあるグループが遂行した成果だということである。
マネジャー自身の仕事がきわめて重要なのは明らかであるが、それ自体はアウトプットを創り出して
いない。その組織が創り出しているのだ。・・』
◎「パパ、本当はどんなお仕事をしているの?」
◆テコ作用としての権限委譲 P-101
◆ミーティング──マネジャーにとっての大事な手段
『・・ミドル・マネジャーの仕事の大部分は情報やノウハウの提供であり、物事を処理する
望ましい方法を自分の感じたとおりに監督下にいる人びとや影響下にあるグループに
伝えることである。マネジャーは意思決定もするし、人の意思決定の援助もする。
この基本的なマネジャーの仕事は両方とも、膝を交えての話し合いの時、したがって
ミーティングを通じてのみ遂行できる。だから、ミーティングはマネジャーが仕事を遂行する
”手段”そのものにほかならないと、私はここでもう一度主張しておきたい。ということは、
われわれはミーティングの存在の当否と戦うのではなく、むしろその時間をできるだけ能率よく
使わなければならないということなのである。』
★世界的に有名なインテルのCEOが書いたにも関わらず、
ミドル・マネジャーに向けて、発信しています。
いわゆる日本語の中間管理職というのとは、違いのかもしれません。
ソフトバンクの宋社長も、著書の中で、この本から応用したようなお話を書かれていましたが、
朝食工場のアイデアといか、生産やマネジメントについての説明は、
いままで読んだどの本よりも、分かりやすい話でした。
ぜひ、わたしも、何かの説明に応用してみたいです。
たまに、良本の一部を書き写したりすることもあるのですが、
この本は、相当、時間がかかりそうで、楽しみです。
本日は、この辺で。