『なぜ、金持ち会社は節税しないのか?―お金が貯まる会社を作る真資金論』近藤 学 (著)
出版社: 九天社 (2006/12) ISBN-13: 978-4861671456
目次
第1章 温泉資金会計理論で解明する「お金が貯まる」仕組み
第2章 めざせ!プチ無借金経営―借入金との美しいつきあい方
第3章 なぜ、金持ち会社は節税しないのか?―節税の常識のウソ
第4章 中小零細企業・起業家のための経営リスクのヘッジ
◆貸借対照表は会社の人格を表す
「意識が行動をつくり、行動が習慣をつくり、習慣が人格をつくり、人格が運命をかえる」
『この言葉を会計に置き換えてみると、「損益計算書が会社の一年間の行動を表し、キャッシュフロー
計算書がその会社のお金の使い方の癖である習慣を表し、貸借対照表は会社の行動と習慣の蓄積に
よって築き上げられた会社の人格を表し、会社の人格が会社の運命を変える」と、
なるのではないかと思います。』
◆資金の流れはシャンペングラスタワー
『・・温泉の源泉である①利益剰余金が、a.運転資金という一番目のタンクに注がれます。
運転資金のタンクを溢れたお湯はb.設備投資という二番目のタンクに流れ落ちます。
この時に②資本金という同じ泉質の温泉が足されます。ここでお湯が設備投資のタンクを
溢れれば、c.現預金という湯船に到達します。』
◆運転資金が必要になる理由
運転資金 = (在庫+受取手形+売掛金) - (支払手形+買掛金)
◆安定資金をためる必要がある理由
『 松下幸之助氏は、講演会でダムがいつも一定の水量で満たされているように蓄えを持って
事業を経営しなければならないという「ダム式経営」を説いたそうです。
質疑応答の時間に「どうやって蓄えを作ればよいのでしょうか?」と参加者から聞かれ、
「それは私にもわかりません。しかし、まず蓄えが要るとおもわなあきまへんな」と答えた
そうです。笑い声の参加者の中で、後に京セラを世界的企業に押し上げた若き日の稲盛和夫氏
だけは、その言葉に強い感銘を受けたという有名な逸話があります。』
◆安定資金を増やすには P-39
◆運転資金の借入金とのつきあい方
◎運転資金が企業の資金繰りの明暗を分ける
◎運転資金の返済はあきらめてプチ無借金をめざせ
◆「経営革新計画の承認」で、資金調達を有利にする P-92
★資金会計理論の本を、以前いくつか読んだので、手に取ってみました。
BS(貸借対照表)を理解するには、分かりやすいモノだと思います。
やはり、財務戦略としては、いわゆる「資金繰り」・借入や資金計画、あるいは
借入金の返済・圧縮というのは、中小企業にとって、重点項目だと思います。
その、基本的な考え方・とりわけ運転資金についてが、書かれています。
稲盛和夫 京セラ名誉会長も、「土俵の真ん中で相撲をとれ」と説いています。
上記のエピソードも、講演CDで聞いたことがあります。
当時、松下幸之助氏がまだカリスマとして扱われていない頃で、
聴衆は、失笑に近い状態だったようです。
そこで、感銘を受けた稲盛さんは、無借金経営を続け、増資もせずに、
大企業京セラグループを作り上げる、原点としたようです。
本日は、この辺で。
編集後記
少し、冷え込んできました。
やはり、
冬は寒く、夏は暑いほうが、季節感があります。
お鍋が美味しかったり、
寒さの中、やっと家に帰った時の、暖房が嬉しかったりします。