『IT投資の評価手法―コストと効果を定量的に分析・管理する』大和田 崇(著)
出版社: 中央経済社 (2007/03) ISBN-10: 4502390402
目次
第一章 IT投資マネジメントをめぐる現状
第二章 情報システムの評価体系
第三章 イニシャル・コストの定量評価
第四章 ランニング・コストの定量評価
第五章 全体のコスト・マネジメント
第六章 コスト評価とIT管理会計
第七章 ビジネス・プロセスの評価
第八章 キャッシュ・フローの予測と投資価値の算定
第九章 ITバランス・スコアカードを使った多面的評価
第十章 EAとコスト評価
◆ITに対する評価基準の不在
『構築するITシステムには満足していないものの、一方で自社のITリテラシーが低いことも認識している』
◆管理の甘さがもたらすコスト増大
◆なぜ情報システムは定量評価になじまないといわれてきたのか?
『基本的に情報システムを取り巻く人の意識の問題と考えられます。情報システムは当初、経営ツールとしてではなく、
大量の情報を処理するための特殊な業務ツールとして登場しました。このため、・・』
◆不良IT資産の計測
『 構築された情報システムのうち、稼動しているものの、実際にはほとんど使われていないものを
不良IT資産と呼ぶ。
不良IT資産の増大はシステム資産全体に悪い影響を及ぼすことになる。不良IT資産は、ユーザーからほとんど
利用されていないにもかかわらず、システムの運用自体は当初の計画通り行われている。つまり、ほとんど使われて
いないシステムに対しても運用コストが支払われ続けるのである。』
◆プロセス改善の評価
『 先のも触れたように業務系システムの導入目的の多くは、業務プロセスの効率化である。業務プロセスの一部
もしくは全部をシステムに置き換えることによって得られる効果は、大きく分けると以下の3種類になる。
① プロセスの短縮(アクティビティ削除)
② アクティビティ作業時間の短縮
③ ミスの発生頻度減少
◆システムごとのキャッシュ・フロー評価 (p-207
◆管理会計における評価とコスト配分
①共通費配賦の長所と短所
◆情報システム・コストの配賦
①共通費(管理不可能費)として処理して各部門に配賦する
②各部門の管理可能費として処理して各部門に配賦する
◆ファンクション・ポイントによるコスト配賦基準(p-162
★売上高比率で平均1.2%のIT関連費用を使っているという統計があるそうです(上場企業22社)。
相当な額ですね。
仮に、年商10億円であれば、1200万です。
ハードや、システムの購入だけでなく、
通信費から、教育関連費、サポート費用など含めると、予想以上のコストがかかっているのかもしれません。
この本は、それなりの規模の会社で、そういったIT投資を管理するための、
ありとあらゆる手法が、すべて、1冊になっています。
情報システム部の方に、お勧めです。
新入社員の方も、ぜひ、どうぞ。
ほんじつは、この辺で。