『銀行と企業の格付けランクアップ戦略―バーゼルII導入 検査マニュアル改訂 新リレバン完全対応』中村 中(著)
出版社: 銀行研修社 (2007/03) ISBN-10: 4765742016

目次

第1章 金融庁検査は大きく変わった
第2章 バーゼルⅡによる金融検査の変化と融資運営
第3章 取引先ランクアップと地域金融の活発化
第4章 リレバンの本質と地域金融機関の地元金融の円滑化
第5章 金融検査評価制度

◆「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」の内容

『「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」はその中に書かれた27の事例に基づいて、中小企業の決算書には
顕れない自社の強み、すなわちその企業の定性分析項目を金融機関の担当者に十分理解してもらおうというもの
である。企業の定性分析項目の将来性や潜在能力を企業担当者が理解すれば、その企業の格付けや債務者区分が
引き上げられる。ほとんどの金融機関は、格付けや債務者区分によって、金利を決めたり返済期間や毎月の返済
金額を決定している。また、要注意先などではその格付け評価で、担保なし貸出か、または担保付貸出の支援と
いうように企業の資金調達負担は大きく異なるのである。』

◆中小企業・個人貸出

『 リスク・レシオが100%から75%に下がったことのインパクトは大きく、各金融機関とも、従来増して、
この中小企業や個人貸出に注力してくるものと思う。特に、地域金融機関にとっては、多少その足元の地域
マーケットからの資金ニーズが多少下火であろうとも、この貸出は地域再生のためにも地域貢献のためにも、
絶対に注力しなければならないものである。地元中小企業のメイン金融機関化を目指し、将来の製販分離の
販売部門としての収益チャンス拡大(販売手数料の増額等)のためにも、この貸出は強力に進めるべきである。
メガバンクは、無担保無保証ローン(第三者保証なしローン)で各地域に攻勢を掛けているが、地元中小
企業のメイン化は狙っていない。』

◆中小企業格付けは2プロセス(工程)の評価で決められる

◆塩漬け定期預金を解約し総借入残を減らす

◆ファクタリングやリース会社を利用する

『ファクタリング会社の活用は、すべての中小企業に当てはまることではないが、総資産の圧縮には効果がある。
受取手形や売掛債権をファクタリング会社にシフトしてしまえば、総資産は圧縮される。ファクタリング会社の
利息は高いといわれていたが、銀行の要注意先の金利5%と比較すれば、かなり競争力のある金利となった。』

◆もう少し精度の高い中長期計画(=実現性のある抜本的な経営改善計画)を作成すること

◆「ストーカー的回収法」では格付けアップは期待できない

『・・その企業の預金口座に入金があると、その入金を金融機関は嗅ぎ付けて、直ちに時効の貸出の元利金の
返済に充てるというような、貸出金の管理回収法を行ってきたのである。この金融機関の回収態度や
その姿勢を見て、口の悪い人は、まるで銀行が債務者の入金口座に付きまとうストーカーのようである
として、これを「ストーカー的回収法」と皮肉っている。』

★メガバンク以下の、金融機関の中小企業に対する、方向性を知るには、面白い本です。
とりわけ、
貸出が受けづらい財務体質、業界の社長・経理担当者には、参考になる話もあるかもしれません。
既に、優秀な、税理士先生から、同じような、アドバイスをもらっているかもしれませんが。

本日は、この辺で。

 

編集後記

 

最近、焼きそばを良く食べます。

家では、太い麺の焼きそばを、作ってもらい、食べたら美味しくて、

外でも、ソース焼きそばを、食べました。

ただ、野菜不足になるのが、ちょっと、問題です。

野菜ソース焼きそばなんて、よいと、思いますが。

 

 

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投稿者 himico-blog