『虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ (単行本) 』高橋 伸夫 (著)
出版社: 日経BP社 (2004/01) ASIN: 4822243729
目次
第1章 日本型年功制のどこが悪いというのか(成果主義の赤裸々な実像 日本型の「年功制」とは ほか)
第2章 日本的経営の評価をめぐる右往左往(けじめはつけておかねばならない いい加減に懲りるべきではないか? ほか)
第3章 人が働く理由を知っていますか?(仕事への思いを解剖する 自発性は信用しうるか ほか)
第4章 未来の持つ力を引き出す(今何が本当に必要なのだろう 「見通し」が与える活力 ほか)
◆揺らぐトップが会社をダメにする
『 企業が危機に直面し、組織の内部までもが混乱の極みに達しようとするまさにその時、
経営者が毅然として進むべき道を指し示さなければ、組織は崩壊に至るであろう。そんな時に、
激変する外部環境への適応だけを追い求めて右往左往するのは愚の骨頂である。経営者が
揺らぐなど言語道断なのだ。むしろ外部環境との間には一線を画し、決然と自ら予測をたて、
自らの優先順位に基づいて自律的に行動することで、自らの能力や優位性を有効に発揮して
いこうという姿勢こそが重要なのである。
繰り返し言おう。経営者の仕事は、確信に満ちて揺るがぬことである。社員に見通しを与え、
明るい未来を指し示すことで、アクセルロッドが示したように、敵同士でさえも協力し合う
環境が醸成される。』
◆囚人のジレンマ(p-198
◆終身コミットメントの意義
『・・アベグレンは「終身雇用」ではなく「終身コミットメント」を発見したと述べた。
日本の工場では、雇い主は従業員の解雇や一時解雇をしようとしないし、また従業員も
辞めようとしないということを「発見」したのである。・・・』
◆給与でなく次の仕事の内容で報いる
『 ここまで読んできて、「年功序列」自体は、日本型人事システムの本質を言い当てた表現では
ないことがおわかりいただけただろうか。私の暫定的な結論は、日本型の人事システムの本質は、
給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムなのだということである。
昇進・昇格・昇給もその後を追って、それに比例する形で差がついてくる。これは正確な意味での
年功序列ではなく、「日本型年功制」と呼ぶべきものなのである。』
★天下伺朗(著)『マネジメント革命』の参考文献ということで、読みました。
『バレンタイン流マネジメント」の逆襲』高木徹(著)でも、出てきましたが、
「enjoy」すること、「ゾーンに入る」と表現していました。
内発的動機付けや、
フロー状態に入ること、というのがポイントのようです。
組織的に、そういった土壌を作るためには、
短期的な成果主義ではなく、
トヨタに代表される、日本的経営が近いようです。
本日は、この辺で。