『私のウォルマート商法―すべて小さく考えよ』サム ウォルトン (著)
出版社: 講談社 (2002/11) ASIN: 406256677X
目次
第1章 一ドルの価値を知る
第2章 バラエティストアからの出発
第3章 再起をかけた闘い
第4章 流れに逆らい、川上を目指す旅
第5章 家族の絆を育てる
第6章 優秀な人材を求めて
第7章 首まで借金につかって
第8章 次の町へ、次の店へ
第9章 よりよりパートナーを目指して
第10章 最大の躓き
第11章 ウォルマート的社風の創造
第12章 顧客第一主義
第13章 競争に立ち向かう
第14章 勢力の拡大
第15章 「小さく考える」
第16章 社会に貢献できること
第17章 サム流「成功のための10カ条」
第18章 遺したい言葉
◆7歳にして自分で稼ぐ
『かなり幼いころから、私たち兄弟は、家計を助け、家族に貢献することが大事だということを
学んでいた。もちろんその過程で、一ドル稼ぐのにどれほど苦労しなければならないかも、
稼いだ時にはどれほど誇らしいかも学んでいた。・・・』
◆金銭管理を学ぶ
『ロブソン家は資産管理のやり方がきわめて巧みだった。ヘレンの父は、農場や家族経営の
事業を持ち株会社をつくって経営し、個人資産を管理していた。
・・家族による持ち株会社のメリットはいろいろあるが、まず、私たち家族が一貫して
ウォルマートの株式を管理し、統括できたことである。それによって、ウォルマートの
資産を無計画に切り売りせずにすんだものだ。私たち家族は、今でも会社の38パーセントの
株式を所有しているが、これはウォルマートほどの規模の企業としてはきわめて高い保有率で
ある。これが、企業乗っ取り屋からわが社を守ってきたのでだ。団結した時の強さや、自分たちの
事業を信じている家族には、大きな力があるのである。』
◆「今すぐ実行してやりとげよう」
『そのころ私たちがやっていたのはESP法だった。この方法でやると、月締めの帳簿処理を
すばやく終えることができた。これはごく原始的なやり方で、帳尻があわない時は、それを
ESSPの項目に入れてしまうのだ。ESPとは「どこかに間違いあり(error some place)の
略語である。
帳簿づけが終ると店ごとに損益計算書をつくり、できるだけ早く店長に送った。
これは現在でも行なわれている。問題があれば私がただちに店長に会いに行った。店長は
ほとんど店の出資者でもあったので、私と同じくらい解決に関心をもってくれた。私は
必要なことをすべて書き込めるように、シートを張り合わせてつくった大きな原簿を
持っていた。店ごとに15くらいの項目があったと思う。売上高、経費、純利益、値引率、
光熱費、通信費、保険、税金等々、あらゆる項目があった。私は毎月それらを自分の手で
記入した。そうすると覚えやすいからだ。私が店に行く時はこのシートをポケットに入れて
行くので、誰もが自分の店の状態を正確に把握できた。・・・』
◆「欠点は探すな、長所を探せ」
『経験不足やシステムの不備を補うために、もう一つ私たちが努力したことがある。
それはできる限り時間をさいて、競争相手を視察(ストア・コンパリゾン)することだ。
「他の店に行って、競争相手を観察しろ、とサムは何度も言ったものだ。
【あらゆる競争相手を研究しろ。欠点は探すな。長所を探せ】一つでも何かを得たら、
視察対象店に入る前よりそれだけ進歩したのだ。私たちは他人の間違いには興味はない。
正しいことに興味があるのだ。そして、誰でも一つはよいことをしているものだ。」』
◆早朝出勤は有効な時間
★世界一の小売店をつくった、創業者のお話です。
近年は、給料が安すぎるということで、問題となっています。
ただ、ケチ精神というか、ムダを無くす発想は徹底していますし、
ありとあらゆることを競合他社から学ぶ、即座に実行・改善していったことが
商売繁盛の原点のようです。
940円という価格で、この内容ですから、
今まで読んだ本の中でも、費用対効果はいちばん良いのではないかと思います。
誰にでも、お薦めの1冊です。