税務調査では、どこを調べられるか!

書評 経理本

菅原宣明「税務調査五輪の書」清文社、¥2200ーです。

 

目次
序章:最近の税務調査をめぐる環境
第1章:調査対象の選定
第2章:節税スキームと所得隠しのパターン
第3章:税務調査の選定ポイント
第4章:税務調査の実施
第5章:付帯税
終章新たなる税理士業務
申告書等事例

◆税務調査対象者の選定基準
◎法人税関係では「大口、悪質な不正を行っている法人税又は不正計算を繰り返している法人」
◎査察部関係では、「真に社会的非難に値する悪質な不正所得の発見に重点を置く」

◆的確な選定が必須条件
◎法人税を例に取れば、100社の法人税の申告の中から4.5社に絞り込む作業である。
◎好況業種や高収益法人等を分析する。書店に並ぶ節税本等から流行の節税テクニックを研究する。
◎申告書は、試算表から作成されていることを理解する。試算表は、日々の取引の集大成である。事業概況書は、月別試算表の計数から抜書きされている。日々の取引が、正しく申告書に計上されていれば、申告書は正確である。税務調査とは、それらを確認することである。
◆査察部の調査実績と選定基準
◎脱税の手口としては
①パチンコ及び性風俗業では売上除外
②建設業・運送業では架空原価の計上
③キャバレー・飲食店及び不動産業では、いわゆるつまみ申告
筆者の私見では、査察部で発表されていない数少ない業種が、税務調査の次年度以降の重点調査業種目に移行していくべきものと考えている。

◆所得隠しのパターンと調査ノウハウ
◎木を見て森を見る
税務調査においては、法人の日々の行為を木と見て、月別を林、年決算を森と見るのである。
この調査手法は、どのような業種でも通じるが、日々の売上に対応する原価を把握すれば、
日々の粗利益率が把握される。このサンプル調査を1週間・1か月と積み上げていけば、
1年になるのであるから、サンプル日数にもよるが、この利益率が決算書の利益率と
大きく違っていなければ、決算書は正しいということになる。
売上除外や架空原価・棚卸除外を発見するには、この利益率と月別の利益率とを比較すれば、
問題月が把握されるのである。
◎売上除外・架空仕入・棚卸除外は、申告書上からみれば、分析上は同じである。
◎数量計算は魔法の杖
全品目の数量計算は、日数的に不可能であるが、利益率の高い品目等に的を絞り、期首棚卸数量に
仕入数量を加算し、売上数量を減算して期末棚卸数量に合致すれば、問題はないということになる。
また、調査日現在から、進行年度の仕入数量・売上数量を加減さんして、調査年度の期末棚卸
数量との検討も可能である。

★筆者は国税で35年勤め上げ、調査のプロとして、本書を税務調査側と受ける側、双方を読者と想定して書かれたそうです。
また、「税務自主監査業務」を税理士業務の一環と考えられ、税務監査人制度創設への提言も行なわれています。

本来、時間があれば、もう少し選定ポイントやチェックシートなど紹介したい内容は盛りだくさんでした。記事では不可能ですが、かなりの種類の申告書(相続税・法人税もろもろ)の記入事例がありますので非常に参考になります。
残念ながらもう出る時間となりましたので、ここで尻切れとなります。

本日は、この辺で。

 

 

編集後記

 

良い天気が続きます。
こういう時は、営業マンも気持ちよく、お客様を回れます。
梅雨が来て、暑い夏がくるまでに、少しでも多くのお客様にお伺いしたいと思います。
といっても、雨の日や夏の暑い日にさぼっている訳では、ないのですが(笑)。

 

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