社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

書評

『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論』イヴォン・シュイナード(著)

出版社: 東洋経済新報社 (2007/03) ISBN-10: 4492521658

目次

第1章 イントロダクション

第2章 パタゴニアの歴史

第3章 パタゴニアの理念

第4章 地球のための1パーセント同盟

第5章 百年後も存続する経営

『私たちの会社で「社員をサーフィンに行かせよう」と言い出したのはずいぶん前からのことだ。

私たちの会社では、本当に社員はいつでもサーフィンに行っていいのだ。もちろん、勤務時間中でもだ。

平日の午前十一時だろうが、午後二時だろうがかまわない。いい波が来ているのに、サーフィンに出か

けないほうがおかしい。』

『 私が企業家になって、すでに五十年近くの月日が経つ。そのことを打ちあける心苦しさは、自分が

「アルコール依存症」や「弁護士」であると告白する人の心情に似ている。なにしろ、この肩書きに

敬意を抱いたことは一度もないビジネスこそ、大自然の敵にして先住民文化の破壊者であり、貧しい

人々から奪ったものを富める者に与え、工場排水で土壌汚染を引き起こしてきた張本人なのだから。

それでもビジネスは、食べ物を作り、病気を治し、人口増加を抑え、雇用を生み出し、生活の質を

おおむね向上させる能力を持っている。しかもこれらの善行をなすと同時に、魂を売り渡すことなく

利益を上げることもできるのだ。まさにその実例を、本書では示している。』

◆歩くことより先に登ることを覚えた

『 高校時代は最悪だった。にきび面で、ダンスもできず、職業訓練の授業以外はどんな科目にも興味を

持てない。「態度が反抗的」と見なされ、居残りを命じられるのは日常的。野球やフットボールなどの

運動競技は得意だったが、みんなの見ている前でプレーしようとすると、きまってしくじってしまう。

私は比較的小さい頃から、自分だけの遊びを考え出すのが得策だと気づいていた。─そうすれば、

いつでも勝者になれる、と。私が遊びを生み出す場所は、ロサンゼルス周辺の海や小川、丘の斜面だった。』

◆パタゴニアの誕生──そして最初の失敗

『「パタゴニア」という名称が、やがて候補にあがった。当時は特にそうだったが、おおかたの人にとって、

この地名には「ティンブクトゥ」や「シャングリラ」と同じ響きがあった─どこにあるのかよくわからない

けれど、遥か彼方の興味をそそられる場所。以前カタログの序文に書いたとおりの情景、「フィヨルドに

流れこむ氷河、風にさらされた鋭い頂き、ガウチョ、コンドルが飛び交う空想的な風景」を思い起こさせた。

しかも私たちの目的は、こうした南アンデスやケープホーンの厳しい環境に適したウェアを作ること。

まさにぴったりであり、しかも、どの国の言葉でも正しく発音してもらえる名称だ。』

◆目覚しい飛躍

『 競争はいつも激しかったが、私たちはどうにか製品を革新、改良しつづけた。そして八十年代の初めに、

再び大転換を果たした。当時、アウトドア製品の色はすべてタンかフォレストグリーン(新緑色)か、

派手といってもせいぜいラスト(赤褐色)だったのに、コバルト、ティール(深い青緑)、フレンチレッド

(鮮やかな赤)、マンゴー(鮮やかな黄色)、シーフォーム(青みがかった緑)、アイスモカ(ピンクがかった

茶色)といった鮮やかな色を導入したのだ。

パタゴニアのウェアは頑丈さを保ちながらも、おとなしい外見から人目を引く華々しい姿に変身した。

その効果はてきめんで、業界のほかの企業は、追いつくのに十年近く費やすこととなった。

派手な色彩がたちまち人気になり、シンチラなどのテクニカル素材が人々の心を惹きつけたおかげで、

私たちの運勢はめざましく上向いた。』

◆なぜビジネスを行うのか

◆暗黒の水曜日

『 私が、なぜビジネスに携わっているのかを探りつづけている一方で、1991年、それまで長い間30~50

パーセントの年平均成長率を誇り、すべての目標を実現させようと頑張ってきたパタゴニアが、壁にぶちあたった。

アメリカが景気後退に入ったため、さまざまな計画や仕入れの前提としていた成長が止まったわけだが、

危機に陥ったのは前年より売上げが落ちたからではなく、「わずか」20パーセントしか増えなかったからなのだ!

とはいえ、この20パーセントの不足によって、あやうく破綻に追い込まれそうになった。あちこちの取扱店に

注文を取り消されて、在庫が膨らんだ・・・』

◆逆境から生まれた理念

『 経営幹部たちが売上げと資金繰りの危機にどう対処すべきか議論するかたわら、私は従業員を対象に一週間にわたる

セミナーを行い、新しく記されたこれらの理念を説いた。バスを一台借りきってヨセミテやサンフランシスコの北に

あるマリンヘッドランズを訪れ、キャンプをして、木の下に集まって話し合った。

目的は、社内の一人一人が、自分たちの会社が行うビジネスの意味や環境に対する倫理と価値観をしっかり理解す

ること。いよいよ資金が逼迫してバスを借りられなくなると、キャンプ地を地元のロスパドレス国有林に移し、

トレーニングを続けた。

いま思えば、あの窮地に立たされた時期に、会社にさまざまな教訓を吹き込もうとしていたのだろう。個人として

すでに・・・』

『 私は長年、禅哲学を学んでいる。たとえば弓道では、目的─的を射ること─を頭から消しさり、代わりに矢を放つ

動作の一つ一つに精神を集中する。構えの姿勢をとり、手を後ろへ持っていき、矢筒から滑らかに矢を引き抜いたら

弦にあて、呼吸を整えて、矢が自ら飛んでいくままにする。

各動作をすべて完璧に身につければ、いやでも矢は的の中央を射るはずだ。同じ考え方が、クライミングにも

当てはまる─登る過程に精神を集中させていれば、いずれは頂上に到達する。そしてやっとわかったのだが、

もう一つ、この禅哲学がぴったり当てはまる領域がある。ビジネスの世界だ。

従業員にパタゴニアの「理念」を講義しながらも、どうすれば会社が今回の窮境から抜け出せるのかは、わからず

にいた。しかし、これだけははっきりわかっていた。自分たちが持続不可能に陥っていること─そして経営と

持続可能性の模範として目を向けるべき対象は、アメリカ経済界ではなく、「イコロイ族」とその「七世代計画」

であること。』

★神田さん主催、天外伺郎さんのセミナー第六回 最終回がこの前の、台風の夜に終わりました。

その場で、推奨された本が、このパタゴニアの本です。

それ以前から、本屋でもよく見かけていましたが、読んでいませんでした。

残念ながら、パタゴニアの服は、買ったことありませんが、

良い企業であるかは、十分わかりました。

こんど、何か、購入したいです。

なにしろ、地球に一番やさしい企業が作った、服であるのは、間違いありませんから。

ただ、米国人なのに、企業経営の勉強のためにMBAや、米国の経営者をほとんど参考にしなかったのは、

驚きです。日本の考え方は研究したようです。

本日は、この辺で。

 

 

 

編集後記

 

朝は、かなり涼しくなりました。

朝の散歩は、半そで・半ズボンだと、歩き出しが、少し肌寒いです。

明日は、長ズボンか、上から、一枚はおるとか、しようと思います。