トーマス・フリードマン (著)『フラット化する世界(上)』
出版社: 日本経済新聞社 (2006/5/25) ASIN: 4532312795
目次
第1部 世界はいかにフラット化したか(われわれが眠っているあいだに世界をフラット化した一〇の力
三重の集束大規模な整理)
第2部 アメリカとフラット化する世界(アメリカと自由貿易―リカードはいまも正しいか?)
『ラオの会社は、所得税申告書の作成を安い費用で簡単に海外アウトソーシングできる
標準フォーマット付きのワークフロー・ソフトウェアを開発した。アメリカの公認会計士が、
私の昨年の所得税申告書をスキャンし、それに加えて、W-2やW-4などの源泉徴収票や
控除票、1099の各種書式の臨時所得や株式関係の申告書などもすべてスキャンして、
カリフォルニアやテキサスに置かれているサーバーに入力するところから作業が開始される、
とジェリーは説明した。・・・』
『・・われわれは下働きを引き受けただけですよ。所得税申告の準備に何が必要かは
ご存知でしょう?創意工夫などはほとんど必要ありません。海外に流出するのは
そういう仕事ですよ』
『・・中国人は日本語を勉強して日本からのアウトソーシングを引き受ける意欲が
充分にある、と大前は説明した。
「募集はじつに簡単だ」2004年初めに、大前はそういった、「この地域(大連周辺)の
住民の三分の一が、高校で日本語を第二外国語に選んでいる。それで日本企業がこぞって
行くんだよ」大前の会社は、中国で基礎的なデータ入力作業を行なっている。手書きの
書類をファックスするかスキャンした画像を電子メールで大連に送り、コンピュータに
入力してデジタル・データベースに変える。データを入力してパケットに切り分ける
ソフトウェアを、大前の会社は開発していた。・・・』
『インドにいてアメリカ企業の会計を請け負っている企業家ジェリー・ラオはいう。
「われわれは作業をパーツに分解して(標準化し)、それが最も得意な人間に割り振る。
それをバーチャルな環境でやっているので、同じオフィスに隣り合って座っている必要は
ない。あとでパーツをまた本社(もしくは別の遠隔地)で組み立てる。これはけっして
小さな革命ではない。大々的な革命だ。ボスと部下がまったく別の場所にいてもかまわない」』
『どんなビジネスを営んでいても、独自のソフトウェアやITシステムがないと、中核となる
事業─その会社独自の存在価値─の競争力を具体的な形にして推し進めることはできないと、
いずれは気がつくはずだ。・・・』
『いくつかの産業の場合、中国で生産を行なう利点が非常に大きくなり、無視できなくなった、
とパーコウスキーは説明する。自分がフラットになるか、中国にぺしゃんこにされるか、
二つに一つだ。「アメリカにじっとしていて、中国に入り込む方策を考えなかったら、
これから10年か15年後には、グローバルなリーダーにはなれない。』
★未だ、フラット化とは何か、よく分かっていません(笑)。
ただ、何か新規事業をやろうとか、起業を目指している方は、まずこの本を読むべきです。
すでに、事業化されている可能性があります。私自身は、ちょっと、驚きました。
とりわけUPSについての話は、想像を超えていました。
インドや、中国が想像以上に、世界の主要なプレーヤーに成長しています。
子を持つ親としては、やはり高い教育と、英語が話せることが重要なのかなと、考えました。
まずは、一家に1冊ですね。
私は、理解できるまで、繰り返し読んでいます。
本日は、この辺で。