江副浩正・リクルート 本まとめ「かもめが 翔んだ日」等

書評

江副浩正(著)「かもめが 翔んだ日」朝日新聞出版サービス

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目次
第1章 生い立ち
第2章 リクルートと私
第3章 ダイエーへの株譲渡

◆東大新聞

『この仕事をしていくうちに「あらかじめ要件を告げ、アポイントメントをとる」とか
「最終的な決定権を持つ人を見つけて話をする」など、効率的に働く要領を身につけて
いった。』

◆教育心理学科に進級

『私が教育心理学科に進級したのは、自分の生い立ちが人格形成にどのような影響を与えたのか、
人の人格形成は育った環境によるのか、遺伝子によるのか、また、人の達成動機(やる気)は
生まれながらのものか、置かれた状況によるものか、を知りたいと思ったからである。』

『私が興味を抱いたのは、佐治守夫先生の臨床心理学のゼミ、C・ロジャーズの理論だった。・・
・・それは、「人間は誰しも成長しようとする本質的なものを持っている。したがって、
心の悩みを相談(カウンセリング)に来る患者に、カウンセラーは指示的な態度をとらず、
患者自身に自らの悩みを自由に話させていくうちに、患者自身が自らの問題点と解決策を
発見し、それに向って努力し、問題を患者自らの力で解決できる」という考え方だった。
このロジャーズの理論に接し、私は「人は本人の努力によって変わることができる。
私も人との関わりを深めて、自分を変えよう」、と思うようになった。』

◆卒業論文

『「私はまだアブノーマル(精神的に未発達)なので、もう一年留年させてください」
とお願いしたが、三木先生に言われた。
「心理学専攻の学生には、アブノーマルな学生が多い。本人がカウンセリングを受けたほうが
いいのに、カウンセラーになりたいと思っている。君はまだノーマルなほうだから、早く
卒業してもらいたい。・・』

◆創業期の求人広告事業

『私は昼間は会社を回って大学新聞への求人広告の営業活動、夜はその会社の入社案内や
会社概要をもとにコピー(文案)やキャッチフレーズを考えていた。』

◆前金システム

『だが、参画企業はなかなか集まらない。参画を得た企業だけで本にするには掲載企業が
少なすぎた。しかも参画してくれた企業は学生にあまり人気のない新興企業が多かった。
時間は迫って就職シーズンに間に合わなくなる。ここまできて引き返すことはできない。
たまりかねた私は、苦肉の策で学生に人気の高い一流企業に、「無料で掲載させてください」
と頼んで回った。無料掲載でも断られた会社もあったが、了解してもらった会社もあった。』

◆わからないことはお客様に聞く主義

『また、情報理論でエントロピーの法則という言葉が使われていた。
「情報量が増加すると、自由な選択の余地も広がるが、同時に必要な情報と不要な情報が
混在し、無秩序になる。欲しい情報を取り出すためのインフォメーション・リトリーバル
(情報検索)が重要」とあった。情報誌に必要な情報検索の手法にも、理論的な
アプローチを心がけていた。』

◆会社の中に会社をつくる

『・・私はP・F・ドラッカーの「現代の経営」を読んだ。そこには「経営とは顧客の創造」
「経営とは社会変革」「経営とは実践」という心躍る言葉があった。私は夢中になって
繰り返し読み、それ以降ドラッカーが私の書中の師となった。』

◎返り際私は、松下(幸之助)さんに経営の要諦を尋ねた。

『人は誰でも得手なことがありまんがな。誰に、どの仕事を、どこまで要望するかが大事
やなぁ。人はみんな人材でんがな』

◆社員皆経営者主義

『権限を任せると同時に成果を求めたため、私の意見を聞かないPC長も多かった。
・・・道下は、私に食い下がってきた。結果は、児玉と道下の考えが正しかった。』

◆情報の共有・社内報

『第四森ビルの五階に引っ越した頃には、「日立造船様より「企業への招待」受注などの
ビラを貼っていて、サークルのノリだった。
・・・やがて、壁のビラは天井からぶら下げる垂れ幕に代わった。垂れ幕や社内報での
業績発表は、業績による人の評価と、昇級や賞与に個人差をつけることへの不満を
和らげていた。』

◆外飯・外酒

◆じっくりT会議

◆入社前教育と退職面談

◆自ら機会と創り出し、機会によって自らを変えよ
◎RODと称した組織活性化の管理職教育プログラムに負うところが大きい。

◆リクルートファーム

『売上目標を達成したあとは泊まりで温泉に出かけ、宴会をした。宿の人が呆れるくらい
のどんちゃん騒ぎだった。私は宴会が苦手である。だが、「収穫のあとの祭りは大切」と
考えて、盛大に行っていた。』

◆『読売住宅案内』

『ドラッカーは「脅威と感じるほどの事態のなかに、隠された発展の機会がある」と言っている』

◆起業はボトムアップ、撤退はボトムダウン

★意外だったのは、アマゾンで売り切れとなっていることです。
私が買ったのは書店ですが、半年以内だと思いますので、大きな本屋さんだと扱っていると思います。

2003年10月の第一刷となっていますので、増刷がなかったんでしょう。
これだけの有名人、もっと売れていてもおかしくないのですが、
予想以上に事件に影響が大きく、評価が低いのでしょうか?

事件については、評価が分かれるところですが、
リクルートを創業されて、そのリクルートが日本の人材創出会社として、
存在感を発揮している現状は、
もっと、江副氏の功績として、評価されても良いのではないかと思います。

本日は、この辺で。

編集後記

寒かったり、暖かくなったり、どんな服装をすれば良いのか、困りますね。

くれぐれも、体調にはお気をつけ下さい。

昨日は、ホワイトデー、妻とムスメから、手作りケーキをもらいましたので、

お返しに、チョコレートを買って帰りました。

そのお店で、一番小さい4個入りを買いました。

私  :「それ下さい」

店員 :「リボンに小さなお花をつけると、かわいいのですが、どうされますか?」

私  :「そうして下さい」

店員 「お花代に120円かかるんですが、よろしいですか?」

私  :「あっ、いいですよ」
(えっ、お金取るのだったら先に言ってよ、でもムスメが喜びそうだし、まぁいっか)

店員 「ピンクと白がありますが?」

私  :「ピンクにして下さい」

※典型的な、アップセルですが、うまい手だと感心しました。
多少、反則すれすれかもしれませんが(笑)。

『リクルートのナレッジマネジメント―1998~2000年の実験』リクルートナレッジマネジメントグループ(著)

出版社: 日経BP社 (2000/11) ISBN-10: 4822242099

目次

第1章 模索
第2章 展開
第3章 変革
第4章 測定
第5章 共感
第6章 まとめ
第7章 社外からの考察

◆イラスト集があれば
営業が助かる、という発見

『「それじゃあ、企画書に使えるいろんなイラストが用意されて、カット・アンド・ペーストできるようになって
いたら、使ってもらえるかな」
「そりゃいい。ぜひ、やってよ」
「人物をなるべくたくさん用意してほしいなあ。FAXを送ってる人とか、パソコンを操作している人とか・・・」
「携帯電話の絵とか、雑誌・郵便物の絵は必須だよね」
出る出る出る出る。このようにして、(ようやく)「営業がよろこぶ」サポート情報が一つ見つかった。』

◆企画書の共有はできなくても
プロセスの共有はできるじゃないか

『「でも、その一方で、試行錯誤を繰り返しながら、こんなに見た目も中身も全然違う企画書の山をつくってしまう
リクルートの人ってほんとうにすごい!絶対どこも真似できないとも感じていた。それなら、企画書自体を流用
できなくてもいから、そのプロセスで感じたことや考え方を共有することはできないだろうか、と思ったんです」』

◆生情報をどうナレッジとして
定着させていくか

◆毎日の「ねぇねぇ、あれ見た?」効果を生み出す
「今日の一言」

『 それは、トップページの定番となっている「今日の一言」の原稿づくりという仕事。
「営業ポータルサイトという以上、営業の人たちが毎日開いてくれなくては意味がないでしょ。もし、画面を開いて
昨日と変わっていないように見えたら、少しずつ失望感を与え、MSナレパラから遠ざかってしまう理由になってしまい
ます。画面を開くたびに更新されているということが、また、ここへ来る動機となる。そこで、ここだけは毎日
変わっている。そんな実感をもってもらうためにはじめてみました」』

『 この「今日の一言」が毎日つづいているうちに、その内容は、事業部全体の共通話題となっていった。
たとえば、トイレでたまたまとなりあわせた男性社員が、「今日の一言見た?オモロかったで」と話題になるような。
このような生きた人物情報の共有。これもまた、社内コミュニケーションを活性化して、いざというときに協働する
グループパワーを増していくうえで、非常に有効なものとなる。』

◆《構築プロセス7》
気持ちをシステムに流し込み、
体温のあるサイトをつくる

『 西坂は、戸並の要求を精いっぱい反映して、新たに画面を設計して翌週のミーティングに臨んだ。今度は、
最後まで説明を聞いた後で戸並が口を開いた。
「確かに素人の俺の要求は的を射ていなかったかもしれない。だけど、今回の提案も到底納得できるものではない。
11月からこの会議に同席しているんだから、議論の流れからノーツで実現できる最適な方法を提示するのが
西坂の仕事じゃないの」
戸並はけっして声を荒げることなく、至って論理的に、西坂たちの姿勢の問題点を指摘した。それだけにずきずき
と心に響く。おっしゃる通り。返す言葉もない。
西坂は、この人物は並大抵のことじゃ許してくれない、と、この瞬間に覚悟を決めたという。』

★けっこう古いのですが、
リクルートのプロジェクトチームが、いかにして、ナレッジマネジメントシステムを構築したか、
その死闘が、描かれています。

えてして、
中小企業は、遅れているので、
こんな大企業が、コンサルや、ベンダーのお仕着せでなく、

ゼロから、創り上げている、姿勢は、新鮮で、もちろん、参考になりそうです。

本日は、この辺で。

編集後記

3連休は、天候にめぐまれ、行楽日和でした。

我が家は、引っ越しに、備え、

物件選びに、行ってきました。

正直、情報を、仕入れれば、入れるほど、

脳と感情が混乱しますが、

楽しく、悩みたいと思います。

 

『暗い奴は暗く生きろ―リクルートの風土で語られた言葉』生嶋 誠士郎(著)

出版社: 新風舎 (2007/01) ISBN-10: 4289011721

目次

心意気を語った言葉(多少の摩擦は構わん、常に震源地たれ/コピーライ
ターは女衒である/スタッフは風である ほか)
『新入社員に贈る10カ条』(序3つ/破4つ/急3つ)
風土を語った言葉(戦略より戦闘/組織の非搾取性/分不相応の連続線 ほか)

◆スタッフは風である

『「管理部門それぞれの仕事は、組織にある淀みや機能不全を見つけて、そこに出向き立ち向かい、新しい
やり方を提示する仕事である。しかし、いかにも「お上の方針」みたいな感覚によってスタッフの存在が
ラインにとって重くなってはいけない。ちょうど風が塵芥を吹き飛ばして後、どこかへ去っていくような
感じの仕事感覚が求められる。
そう、その姿を自己主張しないが、チリはきちんと吹き飛ばし、然る後、いずこかへ消えていく。
スタッフは風である。風になれ・・・・』
そして、さらに付け加える。
「このような、風のようなスタッフを持っている組織は少ない。目指そう風のスタッフを。そしてそういう
スタッフのレベルが、会社全体のレベルを既定する。繰り返す。スタッフのレベルが会社のレベルを既定する。
我々はそういう仕事をしているのである。』

スタッフのモチベーション喚起で発言した言葉であるが、しかし思えば、どこの組織にいたときも
「ここが一番大切な職場だ」という言い方を考えていたような気がする。』

◆バラは花咲くがゆえに花咲く

『〔ある詩人が吟っている。《バラは何故にということなしに存在する。バラは、それが花咲くがゆえに花咲く。
バラは己自身に注目しない。ひとが自らを見るか否かを問わない。》・・・』

◆暗い奴は暗く生きろ

『 当時人事担当者でもあった筆者が登壇、曰く、
「この会場の半分の父母の方、自分の息子・娘はネアカでは無いと思っている方に申し上げます。リクルートの
採用基準らしいものに合わせようと面接で明るく笑ってみせらりして、本当は暗い人、心配無用です。というより
私は暗い人を積極的に評価しています。「ネクラ讃歌」という本を書きたいくらいです(当時世の中がネアカ全盛)。
私の見るところ明るい社員というのはある意味での演技者です。自らのイメージを保つために会社で明るく振る舞って
いる社員はそれなりに無理をしていますから、その鼓舞のために疲れています。ですから家に帰ってからは
「誰も俺の事は判ってくれない」などと押入れの前で泣いていたりするものです(笑い)。元来人は多少のコンプレックス
があるのが正しい姿です。さすれば自ずと暗い場面があるものです。暗い奴は暗く生きろ、それで結構なのです」』

◆被ガバナンス能力&君はそうなるな

『「上司の特性や資質をうまくとらえて利用する。欠点はカバーする。そういう統治される能力というものも
必要なのだ。それでもどうしても上司が悪かったら、その悪さをとことん見つめて言語化せよ。そして君がやがて
管理職になったとき、君はそうなるな」』

◆かつての部下に仕えるのを、いささかも不名誉と考えなかったローマ人

『【古代のローマ人は、名誉を尊ぶ気持ちが非常に強い民族だったが、それでもなお、かつての部下に命令される
立場になっても、不名誉なこととは少しも考えなかった。高位にあった者がそれ以下の任務を与えられると恥と
思われている現代(16世紀)では、想像もできない現象である。】
古代ローマ人にとっての不名誉は、己の信義とか市民としての義務といった問題の中にこそ存在していたのであ
ろうか。』

『 年功序列が崩れ、能力主義が台頭してきたこともあって、現在では「かつての部下に仕える」局面も多くなる。
そんな状況へ向けての次の会話をする。
「経験豊かな部下を持つ新任上司は幸せだ。くったくなく補佐できる先輩と、その気概を受けて気力を奮い立たせる
後輩上司。そういう関係。16世紀にすでに難しかったその関係。ローマとリクルート、同じRをいただくものとして、
その関係が出来ればなー。あの憧れの開放性のささやかな後継者になれるのだが・・・」
かつての部下に仕える・・・ささやかな意地が邪魔をして素直にはなれない我ら。かつての部下のアドバイザーに
なる・・・これなら出来るか。
難しいことではあるが、みんなで突破しなければならない課題だ。出来れば言葉のすり替えでなく精神の有り様
としての転換。とりわけ超高齢化社会を目前にした我ら日本において喫緊の課題だ。あちこちに”気概の先達”が
現れるのを切に願うものである。』

◆管理職の給料の半分は部下につきあげられるためである

◆自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ

★タイトルに惹かれました。
アマゾンの「カスタマーレビュー」もなかなか面白いです。

リクルート社外の人が、共感するには、ちょっと分りにくいようにも思います。
筆者の人となりを、直接知っていると、全く違うのでしょうね。

本日は、この辺で。

『正義の罠 リクルート事件と自民党 二十年目の真実』田原 総一朗(著)

出版社: 小学館 (2007/5/31) ISBN-10: 4093892431

目次

第一章 総理の椅子を奪われた男──竹下登
第二章 リクルート商法の「光と影」
第三章 捏造された検事調書
第四章 NTT会長逮捕と「アメリカの圧力」
第五章 「賄賂ありき」の捜査、そして判決
終章  「検察の正義」が遺したもの

◆自民党立党50周年

『 それに対して50年記念大会は、とくにフィナーレは、いわゆる「小泉チルドレン」83人が壇上を埋め、
その代表として話題の杉村太蔵が「立党50年宣言」を行なった。テレビのワイドショーや週刊誌で
からかいの対象になっている杉村をあえて起用して、「改革の党」としての若々しさをアッピールする
という思惑だったのであろう。
この大会には、当然ながら亀井静香、綿貫民輔、平沼赳夫、野田聖子、衛藤晟一、小林興起、熊代昭彦、
藤井孝男など反小泉派の姿はなかった。文字通り「小泉自民党」になったわけだ。
この大会を、古参の新聞記者たちは「田中角栄が敗れて、福田赳夫が勝った」と評し、「吉田茂の路線が
敗北して、岸信介の路線が勝利したのだ」とも解説した』

『 リクルート事件は、竹下登、中曽根康弘をはじめ、ニューリーダーと目された安倍晋太郎、宮澤喜一、
渡辺美智雄、さらにネオニューリーダーの藤波孝生、森喜郎、加藤絋一、加藤六月そして公明党、民社党、
社会党の議員たちまで網羅していて、政界に与えた影響力の大きさ、その広がりではロッキード事件を
はるかに上回る深刻な事件であった。しかも、数多くの謎、疑問が解明されないまま凍結され、そのまま
風化しようとしている。』

◆「業界の常識」だった未公開株譲渡

『 リクルート事件。各紙に報じられた記事を追うと、おびただしい疑問、謎が浮かび上がってくる。
実は、88年6月末に、リクルートコスモスの未公開株を譲渡されたとして、森喜郎、渡辺美智雄、加藤絋一
などの名前を各紙が報じたとき、私は、証券関係のことで、わからないことが生じると解説を請うていた、
大和証券会長の千野宜時に、「未公開株を政治家に譲渡するのは、何か問題があるのか」と電話で問うた。
「なんお問題もありません。げんに企業がはじめて、店頭や東証二部などに上場するときに、つきあいのある
人、知人、社会的に信用のある人々に公開前の株を持ってもらうのは当たり前のことで、どの企業もが
やっている証券業界の常識ですよ」』

◆未公開株の壁

『 リクルート疑惑が、一挙に事件化したのは、9月5日の夜六時に日本テレビが、松原弘(リクルートコスモス
社長室長)が、社民連の楢崎弥之助議員に現金500万を手渡そうとしている隠し撮りのVTRを放送したためであった。
隠し撮りのために画面は暗かったが、それだけに犯罪行為のナマナマしさに満ちていた。』

◆急成長を支えた三原則

『 江副は、65年頃から、取締役全員が温泉などに浸かり、夜を徹して腹蔵なく話し合う「じっくりT(取締役)
会議」を半年に一回開いてきたが、68年に「じっくりT会議」で「経営の三原則」を定めた。これも、
IBMの創業者T・ワトソンの「オープン・ドア・ポリシー」「スピーク・アップ・プログラム(上司やトップに
匿名でメールできる)」「カスタマー(顧客)サービス第一主義」という経営思想を知って、さっそく実践した
のであった。①社会への貢献、②個人の尊重「失敗に寛容な組織が活力のある組織」「失敗を恐れて、なさざる
ことは罪である。」、③商業的合理主義の追求──後に、この項目がリクルート批判の材料とされた。
社訓も作った。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」』

◆口ぐせは「社員はみな、経営者」

『 江副は、かねてから社員たちに「社員はみな、経営者」だと口ぐせのようにいっていた。しかし、これは、
単に従業員たちにやる気を起こさせるための掛け声ではなく、リクルートでは「社員持ち株会」のシェアが
35%以上あり、当然ながら他社に比べてずば抜けて高かった。
さらに、「社員はみな経営者」主義の根幹ともいえるが、江副は息子や娘をはじめ姻戚関係者を一切、
リクルートグループに入れなかった。姻戚関係者を入社させないとは、多くの創業経営者が口ではいうが、
実行する人物は稀有である。』

◆事件前から”狙い撃ち”されていたリクルート

◆ライブドア事件

◆リ事件こそ「平成版・帝人事件」である

★20年たったことで、何かの時効があるのかわかりませんが、
偶然、江副さんの本が出版されたのに続き、
リクルートの裁判を見直す本がでました。

今でも、未公開株絡みの詐欺事件など、いかがわしさがあります。
けれども、
全ての公開株が確実にあがり、全部儲かっているかというと、そうでもありません。

関連書も読んでみたいと思わせる内容でした。

本日は、この辺で。

『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』江副 浩正(著)

出版社: 角川書店 (2007/03) ISBN-10: 4047100870

目次

第1章 企業風土について
第2章 私が学んだ名起業家の一言
第3章 成功する起業家の条件
第4章 リクルート創業期
第5章 生き生きと働く風土
第6章 情報誌の領域を広げる戦略
第7章 領域の過大な拡大
第8章 早過ぎた新規事業の立ち上げ

◆現場第一主義

『 呼ぶときは男性も女性も、ニックネームがあればニックネーム、ニックネームがなければ
ファーストネームで呼んでいた。社員の半数以上はお互いにニックネームで呼んでいた。
私のニックネームはエゾリン、秘書たちとスナックに行くときは彼女らが私のことを
エゾリンと呼ぶのでスナックのママも私をエゾリンと呼んでいた。私が現役時代、社員で
私を「江副社長」と呼ぶ人はいなかった。・・』

◆経営の三原則

1 社会への貢献
2 個人の尊重
3 商業的合理性の追求

◆経営理念とモットー

五、「社員皆株主」

『 リクルートは、社員持ち株を推進していく。
「リクルートは社員の会社。経営者は株主である社員のなかから選ぶ」形態をとる。自ら
が働いている会社の損益は、株主としての損益と直結していることが良いことである。
株主総会は、すなわち社員への決算報告会と位置づける。』

◆三人の経営者(ソニー:井深大、森田昭夫、大賀典雄)

『 お三方に共通することとして、「これは」と思った人を信じて仕事を任せ、仕事の内容について
口を差し挟まれないことであった。そして、大きな仕事をしている人にも、小さな仕事をしている
人にも同じように接しておられた。また、社内の人にも外の人にも分け隔てがなかった。』

◆おわりに

『・・私の経験から言えることは、経営者(トップ)もまた一つの職能ということである。
経営者は相手によって言うことを変えなければならない。場所によっても言うことを変えなければ
ならない。本来、取締役会に話をしてから新聞発表するところを、新聞発表してから事後的に、
取締役会がそれを追認する、ということもある。
人に対する好き嫌いがあってもそれを表に出してはいけない。社員に対しても取引先に対しても
非情な面と暖かい面の両面を持たなければならない。ときに攻め、ときに守る「攻撃と防御」の
両面に強くなければならない。このような多面的な要素を求められるのが経営者の職能である。
したがって経営者は孤独である。・・』

★「かもめが翔んだ日」は名著ですが、
これの内容が新書ということで、お手軽です。

とりわけ、
ソフトバンクの行方については、
AUへ携帯ビジネスを売却することを提案するなど、
ちらほらと、本音や、提言が織り込まれており、思わずニヤリとさせられます。

本日は、この辺で。

『不動産は値下がりする!―「見極める目」が求められる時代 』江副 浩正(著)

出版社: 中央公論新社 (2007/08) ISBN-10: 4121502523

目次

第1章 変貌する大都市
第2章 埋め立てや規制緩和で土地は「生産」されている
第3章 都心一極集中 まだ床が増産され続ける
第4章 都心周辺や郊外でも土地の生産が続く
第5章 インフラ整備に伴う供給の増加
第6章 金利の上昇は地価の下落に直結する
第7章 近く金利は上昇し、不動産価格は下落する
第8章 不動産バブル問題

◆”港区の再開発”と六本木ヒルズ

『 六本木ヒルズはゴールドマン・サックスを最初にキーテナントとして誘致したことが
成功の一因となった。世界の市場を相手にしているから社員は夜遅くまで働く。所得水準も
高い。そのために周辺には深夜二時、三時まで高級飲食店が営業している。そのことも魅力で
新興の高収益ベンチャー企業も入居するようになった。また、世界にその名を知られたホテル、
グランドハイアット東京も誘致、六本木の魅力をさらに高めている。』

◆明暗を分けるポイント

『 最近の例として、品川駅港南口の再開発がある。こちらも、現時点でみる限り、人気の点で
いま一歩だ。近い将来、この街で三万人以上が生活することになる。住民の増加に伴って
商業施設も増え、少しずつ賑わいのある街になっていくのだろうが、スーパーマーケットも
なく、夜歩くと暗くて怖い。人の営みには潤いや遊び場が必要だが、いまのところそのような
雰囲気がない街である。』

◆今回のバブルが崩壊する根拠

『 その理由はいくるかある。
第一に、日本の国土は狭く、土地は限りある資産であり、不動産を持っているほうが将来くる
であろうインフレに強いという発想がある。だが、埋め立て、法改正などで土地は生産、再生産
されている。また、規制緩和によって容積率が拡大している。今後も首都圏や近畿圏をはじめと
して、膨大な土地そして床が供給される可能性がある。』

『 第二に、エンドユーザーにとっての購入環境が変化する可能性が高いという問題がある。バブル
崩壊後は金利が極端に下がり、バブル期に比べ実質的には半分以下の負担でマイホームを購入できる
ようになっている。長期ローンを組めば、賃貸家賃以下で購入できる。ワンルームマンションなどの
投資用不動産も、良い土地であれば、借り手は必ずつく。
しかし、前回のバブル期と同様、ワンルームマンションの建設はブームが過熱して供給過剰と
なっている。家賃は需要と供給の関係で決まるから、近未来に賃料は下落するだろう。・・』

◆金利上昇リスクが極めて高い住宅ローン

『・・私個人もかつて、元本の返済は二十一年目からで、二十年間利子だけのローンを借りてゲスト
ハウスを買った。このとき、そんなローンがあるのに驚いたが、銀行の人によく聞くとその背景に
は不動産は将来にわたって値上がりしていく、との前提があったようだ。
バブル崩壊時にもローン返済に行きづまって、結果的に自己破産に至るケースが増加したが、
それはリストラによる収入源もあったが、子どものいない夫婦共働きだった世帯が、妊娠して
なんとか生活をきりつめてでも産みたいと考え、子どもを産み、結局、ローン返済を延滞せざる
を得なかったケースが多かったと聞く。』

『 今回も金利上昇によって返済額が増える。価格は下落する。その結果、行きづまるケースが
続出するのではないか、と懸念される。前回と今回の違いは、バブル崩壊につれて金利が下降
していったため救われた人が多かったが、今回はバブル崩壊で金利が上昇するから、破産する
人が前回より多いのではないか?長い間低金利が続いてきたため、そのことをあまり気にして
いない人が多い。銀行の人と話をしていると、私は前回のバブル崩壊より混乱が大きいのでは
ないか、と懸念する。』

◆外資は日本不動産を売却し始めている

『 日本の不動産が値上がりしすぎて利回りが低下傾向にあるため、最近は買わないで売りに
回っているファンドもある。シティコープも早くから日本の不動産を買っていた。しかしいまは
日本の金利が上昇に転じたため、これまで買ってきたものを売却して利益を確定。その資金で
香港や中国、ベトナム、タイなどのアジアの不動産を買っているともいわれている。』

★平成19年8月に発行されている本です。既に、4か月近く経過していますが、
おおよそ、江副氏の話の方向に、世の中は進んでいるようです。

マンションの販売は落ち込んでいます。これは、建築確認申請の遅れだけが問題ではなく、
消費者マインドの冷え込みもあるようです。

マスコミは、だいたいにおいて、煽るだけ煽って、
赤信号みんなで渡れば怖くない式ですが、
どこかで、方針転換すると、今度はいっせいに、不況不況と書き立てる傾向があるので要注意です。

本日は、この辺で。

編集後記

ムスメは、サンタを待っていました。

昨晩、寝たと思ったぶーちゃん(ムスメ)から声をかけられました。

「クツシタ!!」

「えっ、暑いと思ったから、ちゃんと脱がしてあげたよ。
寒いの?」

「靴下、サンタさんっ」

なるほど意味が分かりました。タンスから靴下を取ってきて、
間違いなく、枕元に置いておきました。