経理、会計の勉強を始めると、
損益計算書(PL)から始めることが多いです。
つぎに、貸借対照表(BS)です。
そして、「損益分岐点」という言葉にぶつかります。
たいがいの人は、ちょっとココで、腰が引けます。
でも、赤字の会社を黒字化したり、
黒字の会社が、黒字を維持するために、要因を理解するには、
「損益分岐点」が大事な概念です。
さらに、
どうせ、エクセルや、スプレッドシートで、「損益分岐点」を
毎回計算するならば、Notion(ノーション)で作り、社内で共有するのが、
非常にメリットがあります。
経営層だけが、自社の会計、財務状況を知っているだけでなく、
各部署のリーダーがNotion(ノーション)を通して、
全社、自部門の経営状況を、リアルタイムに近い形で、
把握することがとても重要です。
それを、中小企業に低コストで実現できるツールがNotion(ノーション)なのです。
目次
1,Notion(ノーション)で損益分岐点を計算する
2,損益分岐点を学ぶのにお勧めの1冊
3,まとめ
Notion(ノーション)で損益分岐点を計算する
ビジネスを運営する上で、損益分岐点を把握することは非常に重要です。
損益分岐点とは、あるビジネスが収益と費用が等しくなる点のことを指し、
収益が費用を上回るまでに、どれだけの売上が必要かを把握することができます。
手計算すると時間がかかる上に、誤りが生じる可能性があります。
そのため、計算ツールを使用して効率よく計算することが望ましいです。
ここでは、Notion(ノーション)を使って損益分岐点を計算する方法を紹介します。
損益分岐点の計算方法
損益分岐点は、総収入と総費用が等しくなる点のことを指します。
簡単に言えば、「いくら売れば、収支がプラスになるか」を表す指標です。
損益分岐点は以下の式で求めることができます。
損益分岐点 = 固定費 ÷ (1 - (変動費 ÷ 収入))
売上に比例して変化する費用を変動費、売上に関係なく発生する費用を固定費と言います。
変動費には原材料費、人件費、運送費などが該当し、
固定費には家賃、光熱費、通信費などが該当します。
なにが、固定費で、何が変動費かがわからない方は、
まずは、顧問の税理士さんに相談すると良いと思います。
経費を、固定費と変動費に分解する、ここが味噌です。
Notion(ノーション)で計算する方法
Notion(ノーション)は、表計算機能を搭載しているため、損益分岐点を簡単に計算することができます。
以下の手順で計算してみましょう。
- Notion(ノーション)を開き、新しいページを作成します。
- ページ内に表を挿入します。
- 表の上部に、計算式を入力するための行を追加します。
- 固定費の項目に、具体的な金額を入力します。
- 変動費の項目に、収入に対する割合を入力します。例えば、原材料費が売上の30%であれば、0.3と入力します。
- 収入の項目に、具体的な金額を入力します。
- 計算式を入力するための行に、以下の式を入力します。
=固定費/(1-変動費/収入)
- Enterキーを押すと、損益分岐点が計算されます。
Notion(ノーション)の表計算機能を使えば、手軽に損益分岐点を計算することができます。
また、表を共有することで、チーム内での情報共有もスムーズに行えます。
まとめ
Notion(ノーション)を使えば、手軽に損益分岐点を計算することができます。
計算ミスを防ぎ、チーム内での情報共有もスムーズに行えるため、
ビジネスにおいて役立つツールとなります。
経営ダッシュボードに「損益分岐点」を組み込むのがお勧めです。
Notion(ノーション)で経営ダッシュボードをつくるには、以下の記事が参考になります。
損益分岐点を学ぶのにお勧めの1冊
協和発酵工業(株)著「人事屋が書いた経理の本」ソーテック社、¥1165-
目次
第1章 財務会計の眼
第2章 採算の眼
第3章 採算戦略の眼
第4章 B/Sの眼
第5章 B/S戦略の眼
第6章 資金繰りの眼
第7章 マトリックス会計の眼
◆経理を勉強する方法を変えよう
◎誰もが一度は経理を勉強しようと思うが、経理アレルギーにおちいってしまう。
◎ここでは、専門家の本からスタートする代わりに、自ら体験(ゲーム)することから始めよう
◆会計はこうして生まれた
古代・中世の簿記 ・・・ 倉庫会計
ベニス式簿記 ・・・ 商業簿記(一航海一期)
近代会計 ・・・ 期間計算、原価計算、外部報告
◆会計とはお風呂である
◆会計とは花嫁学校である
◆戦略会計とは何か?
①経理アレルギーを除去する(わかりやすい)会計
②マクロな(森を見る)会計
③ハイレベルの会計
④戦略に役立つ会計
◆損益分岐点(Break Even Point)とは何か
◎損益分岐点は、単に収益と費用がトントンになる点だとしてその公式を暗記するのでは使えない。
損益分岐点の本質は、売上の増減に対する費用の動き方の観察からスタートし、売上が0のときまるまる赤字となる
費用すなわち固定費を、付加価値の総額を上げることによって回収していこうとする固定費回収戦力である。
単なる費用対収益でなく、固定費対付加価値の動きを見る眼を”採算の眼”と呼ぶ。
◆売上0のときまるまる赤字となるもの
◎総費用は、次の2種類の費用から成り立っている
①変動費 ・・・ 売上量Qに比例して動く費用である。製造業であれば、原材料が代表的。売ればそれに比例して当然でていく
費用、通常これ以下で売ることは考えられない費用が変動費だ。
②固定費 ・・・ 売上量に比例しない費用。売上げようと売上げまいと、それに関係なく発生する費用である。
固定費はこれを回収しない限り赤字となる費用である。言葉を変えれば、採算とは固定費回収作戦である。
◆固定費のつかみ方
◎総費用 - 変動費 = 固定費
◆戦略会計(STRAC)の7つの道具
①P 平均単価 (Price)
②VP 変動単価
③MP 付加価値単価
④Q 売上個数
⑤PQ 売上
⑥VPQ 変動費
⑦MPQ 付加価値
⑧F 固定費
⑨G 利益
◎Mはマージン率のM(marginal ratio)で「付加価値率」を表す
◎例えば、売上の場合 P × Q で平均単価×売上個数で計算される
◆売上をなぜPQと表すか
◎売上を上げようという目標にたいして、戦略が立てやすい
①単価アップ、数量アップ
②単価維持、数量アップ
③単価アップ、数量維持
幾通りのも戦略として対策が現れてくる。
◆損益分岐点とは何か(戦略の眼)
◎損益分岐点の本質は、
付加価値が固定費Fと等しくなる(つまり利益G=0)のことである。
◎期が始まったばかりのときは、まだQ(売上個数)が小さく、MPQ(付加価値)がF(固定費)に達していないので、
未回収分が赤字である。それがだんだんとMPQが増加して、Fに達した時点-この点が損益分岐点である。
MPQ = F
◆「損益分岐点」というコトバの使われ方
戦略会計では「損益分岐台数」の活用をおすすめする。さらに「損益分岐点比率」である「売上必要倍率」である
◆売上必要倍率(B.E.P比率)
F
───
MPQ
◆共通語
社員は自分の会社について、数字的に理解できなくてはならないし、発表される貸借対照表や損益計算書が読めねば、
地図の読み方を知らないで登山するようなもので、不自由である。
-中略ー
さて我々は、このMGを通じて、社内に”共通言語”を持ってもらおうと、ねらっている。借金を減らし、金利負担を
減らす為に在庫管理が大切なのだということを、また、売上債権のサイトを10日でも短縮すれば、それだけ
利益につながるのだということを、取引先のB/Sを見て取引を拡大するかどうか判断するということを体で
分かってもらいたいと思う。それぞれの職務にある者が、ハイレベルの管理会計について、
”お互いに響きあうような共通語”を持つことによって、経営の効率化を図ることも可能になるものと期待している。
★協和発酵工業でのGDI社開発のマネジメント・ゲーム(MG)を導入するにあたり、同社教育課が作ったマニュアルを
ベースに書かれた本です。その為にMGを実践していることが前提となっています。
実際の本では、これまでが約3分の1であり、そのご経営分析とマトリックス会計について、
現場の経理外の社員が実務にすぐ使えるような内容が豊富にあります。是非、お勧めの1冊です。
この本は、経理本オタクの私としては、食わず嫌いの1冊でした。大きな本屋で、何度も目にしたことがありながら、
今まで一度も手にしたことがありませんでした。タイトルで敬遠してました。
今回、西さんとメネジメント・ゲームがキーワードとなり、実際に読んでみて、素晴らしい本だと思いました。
是非、また読み返したい1冊です。
まとめ
Notion(ノーション)使うことで、会計を社内の共通言語を一つに組み込めば、
その会社の発展は、約束されたに等しいこととなります。
そのためには、
まずは、会社の損益計算書と、この損益分岐点から始めるのが一番です。
部署が多くある会社では、
部門別のPLと損益分岐点が、Notion(ノーション)で共有できると最高ですね。
もちろん、
そこに、部門別の予算管理も落とし込みます。
そうすることで、
でも、赤字の会社(部門)は黒字化になります。
黒字の会社(部門)は、黒字を維持するだけでなく、
より利益を増やすことができるようになります。
経理部門でNotion(ノーション)を活用するには、以下の記事が参考になります。