『広告コピーってこう書くんだ!読本』谷山 雅計(著)
出版社: 宣伝会議 (2007/9/15) ISBN-10: 4883351793
目次
▼序章
▼第1章 生きたコピーの書き方。
▼第2章 もっと伝えるために。
▼第3章 コピーを超えるコピー。
▼第4章 広告的「アタマのよさ」。
◆「なんかいいよね」禁止。
『 「なんかいいよね」「なんかステキだよね」と。
明日から、それをきっぱりとやめにしてほしいのです。そして、かわりにこう考えて
みてください。
「なぜいいのか。これこれこうだからじゃないか」「なぜカッコいいのか。こういう
工夫をしたからじゃないのか」と。
こういう思考を働かすことができなければ、賭けてもいいですが、あなたはけっして
「モノのつくり手」になることはできません。一生、「受け手」のままで終わると思います。
(もちろん、受け手でいることがダメだというわけではありませんが・・・)。
だって、考えてみてください。
たとえば、ここに「パルプ・フィクション」という映画がある。見たあなたは「なんか
カッコいいよね」「なんかすごいよね」を連発して、大満足かもしれない。
けれど、それをつくったタランティーノ監督は、「なんかカッコいいぞ」「なんかすごいぞ」
と思いながら撮影したわけではありませんよね。
「ここをこう撮ったら、こうカッコよくなる」という、きっちりした計算と思考のものとに
行動しているわけです(もちろん、つくり手が意識していない部分も、作品のなかの何パーセント
かはあると思いますが)。』
◆一晩で100本コピーを書く方法。
『 コピーを書くときには、なにか書く対象となるモノがあるはずですが、それはただひとつ
だけで世の中にポコッと存在してるわけではありませんよね。いろいろな人やほかのモノとの
関係をもっているはずです。・・・』
◆広告は「ふつうの人の意欲」を期待してはいけない
『 話は少し戻りますが、やっぱりコピーを書きはじめてまもない人のコピーには、「自分の
コピーは読んでもらえるに違いない」という甘えがあります。「私はこの手編みのマフラー、
あの人にきっとよろこんでもらえるに違いない」みたいな乙女の思い込みにも近いんですけど
(笑)。
どうしても読んでもらえるに違いないと思うから、どんどんいろんな要素を詰め込んで、
長くて複雑な方向にいってしまう。
うまい人のコピーというのは、「誰もコピーなんか読みたいと思ってない」という出発点
から書きはじめて、「じゃあ、どうやってそういう人を振り向かせるか」と発想していくから、
自然と短く、強く、シンプルになっていくのだと思います。』
◆意味で書いて、生理でチェックする
『 人間は、言葉を書くときには”意味や論理で書く”のですが、読んだり聞いたりして
受け取るときには、意味よりも先に”生理的な部分”で受け止めます。
これは以前、糸井重里さんにお聞きした話ですが、たとえば、「この香水はウンコのような
香りはしない、すばらしい香りです」という文章があったとすれば、受け手はどう感じる
でしょうか。・・・』
◆みんなが言いたいことを言わせてあげる。
◆コピーを使って遊べたほうが楽しい
『 もうひとつ、例をあげましょう。糸井重里さんが書いた清水建設の企業広告「昼間のパパは
光ってる」も、同じく参加性がうまく考えられたコピーだと思います。CMのなかで、
昼間のパパはちょっとちがう
昼間のパパは光ってる
昼間のパパはいい汗かいてる
昼間のパパは男だぜ
という歌詞の歌が流れるのですが、これほど替え歌をイメージしやすい歌詞もない。ためしに
「昼間」を「夜中」に変えてみてください。・・・』
★『新潮文庫「Yonda?」、東京ガス「ガス・パッ・チョ!」、「日テレ営業中」などの
名コピーを生み出した、論理派コピーライター谷山雅計』と、アマゾンの商品の説明にあり
ます。ウチのムスメにも、「ガス・パッ・チョ!」は、さんざん教えられています。
けっこう、これ一冊で発想体質になれそうです。
すべてのクリエィテビィティが必要な職種の方に、お勧めです。
本日は、この辺で。
編集後記
最近、テレビで、ランドセル「天使の羽」をやっていますよね。
あれ、耳覚えが良いというのか、口ずさみやすいメロディーなんでしょうね。
ウチのムスメ(ぶーちゃん)が、壊れたレコードのように、
繰り返し・繰り返し歌います。
5回連続、やられると、ちょっと、おかしくなりそうです。
あれが、売上アップにつながるのか、興味深いところではありますが。