『コミットメント』DIAMONDハーバード・ビジネスレビュー編集部(著)
出版社: ダイヤモンド社 (2007/4/20) ISBN-10: 4478000999

目次
 
 第一章 コミットメント・マネジメント
 第二章 コミットメントの自己管理術
 第三章 業績は「権限と責任」に従う
 第四章 ガースナー改革:多様性の戦略
 第五章 IBMバリュー:終わりなき変革を求めて
 第六章 エンパワーメント:マネジャーが抱く幻想と矛盾
 第七章 幹部候補の「協働力」を育てる
 第八章 トップが認識すべきミドル・マネジャーの貢献

◆業績を左右する職務設計の四つの「範囲」

 ●業務を遂行するうえで、どのような経営資源が自分の管理下にあるのか。
 ●どのような基準で自分の業績が評価されるのか。
 ●目標を達成するために交流すべき相手、あるいは動かすべき人物はだれか。
 ●他の社員から必要に応じて得られる支援がどれくらいあるか。

◆支援範囲

 『 組織によっては、歩合制のセールスマンなどは、効率的で流動性の高い労働市場から調達できる
  ため、広範の支援をあまり必要としない場合もある。むしろ支援範囲が狭いほど、効率が高い。
  なぜなら、一人ひとりが独立しており、個人ごとの貢献度を簡単に計算できるからだ。
   たとえば、金融機関で働くトレーダーは同僚の助けをほとんど必要としない。お互いにおのれの
  仕事だけに専念していればよく、また、そうすることを求められている。当然、報酬の基準は
  稼いだ利益である。
   しかし、支援範囲が広いことが決定的に重要な意味を帯びる場合がある。それは、高級ホテル・チェーンなど、
  戦略の実現には高い顧客ロイヤルティが不可欠な事業である。また、航空宇宙産業やコンピュータ産業など、
  高度な技術と複雑なバリューチェーンが前提となるため、どうしても組織構造が複雑にならざるをえない
  場合もこれに該当する。

◆市場の多様性に社員の多様性で応える

 『・・そしてだれもが、多様性の問題に関するガースナーの本気を感じ取った。すなわち、CEOは人を育てる責任が
  あることを、周囲が理解したのである。多様性に関する活動についても結果責任を負うべきであり、
  それは他の事業活動と何ら変わりはないのだ。
   ガースナーは、直属の部下とのやり取りにおいても、即座に身をもって範を垂れた。』

★コミットメントというと、日産のカルロス・ゴーンの専売特許のように思います。
 この本では、IBMの事例が数多くでてきます。

 エンパワーメントという言葉自体、日本がにうまく訳せない気がします(確か、『権限委譲』)。
 ただ、米国でも、労働強化というふうに、労働者から捉えられるという話には、
 経営者とのギャップについて、考えさせられます。

 
 人事や、人事制度という問題は、本当に、頭の痛いところです。

本日は、この辺で。

 

投稿者 himico-blog