『お母さん社長が行く! 』橋本 真由美(著)
出版社: 日経BP社 (2007/4/19) ISBN-10: 4822245799
目次
はじめに 橋本真由美
第1章 短大卒・専業主婦の”お母さん”が一部上場企業の社長になりました
第2章 お母さんは、現場を「ちゃんと見ている」んです
第3章 橋本真由美はこうして「生まれ」ました
第4章 ブックオフ人生、スタート!
第5章 辞表を書いたこと、2回あります
第6章 開校! 橋本学校
第7章 最大の危機を超えて
第8章 株式上場への長い道のり
最9章 私の使命、ブックオフの未来
★店の強さを支える「DDY」
『 お近くのブックオフに行くと、エプロンをかけた店員たちが大声を出し、本を抱えて威勢よく走っている
姿を目にしていたはずです。
それが「DDY」。ダッシュ、出し切り、やまびこ、の略です。お近くのブックオフに行くと、エプロンを
かけた店員たちが声を出し、本を抱えて走っている姿を目にしていただけるはずです。ブックオフの命は、
お客様がお売りくださる本です。お客さまが本を持って来てくださったら、駐車場や、入り口まで取りに行き、
買い取った後は、すぐにバックヤードに運んで、きれいに磨きまをかけます。そして小走りで書棚に並べる。
これが「ダッシュ」。』
『 ブックオフでは、お客様にお持ちいただいた本は、状態の良い本であれば、およそ定価の1割を基準とした
価格で買い取り、およそ定価の半額で売ります。お売りいただいた本は、特殊洗浄液で表紙を拭いたり、
研磨機にかけたり、私たち独自の方法できれいに蘇らせて店頭に並べます。
私たちの商売は、ただ、それを繰り返しているだけなのです。』
◆専業主婦、「仕事のおもしろさ」にハマる
◆ダメな「今の子」なんか、いない!
『 たしかに、いま日本社会では、若者の不登校や引きこもりが顕在化し、問題になっています。
けれども私は、最近の若者が情けない、とはこれっぽっちも思いません。ブックオフの現場でそれこそ何百人もの
「若者」と直接仕事をしてきた私がいうのですから、間違いないです。どんな子だって、誰もがすばらしい
潜在能力を持っています。なぜ、若者が気力がないように見えたり、実際にニートになったり、引きこもりに
なったりするのか。理由はいろいろあるでしょうが、彼らの潜在能力を引き出す仕組みが働く場にあれば、
イマドキの若者だって、すごく創造的に、すごく楽しげに、一生懸命仕事をし始めるものなのです。』
『 ブックオフでは店の経営情報はすべてスタッフさんにも開示します。
だからみんなが店の経営を身近に感じてくれています。店がうまくいくのもいかないのも、自分たちの責任だと
自覚しています。それに加え、創業者が自分の話を聞いてくれるとなれば、明日からもっとがんばろう、という
気になれるものです。』
◆「全従業員の物心両面の幸福の追求」は、絵空事ですか?
◆「誰かがみていてくれる」ことこそ最大の動機です
『 誰かが見ていてくれる──この実感さえあれば、人はがんばれるものだと、2号店の大失敗と復活から
気づきました。
店長がスタッフの働きを気にかけるのは、当たり前のことです。店長だってスタッフにほめられたら、
嬉しくなるのです。たとえ昨日入った新人さんからでも、何か教えたあと「ありがとうございます」と笑顔で
感謝されると、もっとこの人を育てたい・・』
◆みんなの”お母さん”が現場を創る
『 普通の主婦だった橋本さんがブックオフでやってきたことは、今でいえば「仮説と検証」です。
経営学の基本ですね。それを橋本さんは、誰にも習わず実行してきたんです。・・・
・・
「橋本さんという逸材に出会って、あなたはラッキーだった」
人によく言われます。たしかにそう。1号店の10人の中に、橋本さんがいたんだから。
でもね。ぼくに言わせれば、パートやアルバイトを100人雇えば、橋本さんクラスの人は必ず1人はいます。
要は、その1人を見つけだせるかどうか。見つけて、任せられるかどうか。それが「経営」なんじゃないかな。』
★坂本会長からみの、噂(?)が出ているタイミングが、出版にとって
良かったかどうか、分かりません。
それとは別に、
話の内容は、非常に、分かりやすく、かつ、これからの日本企業のお手本となる可能性を感じます。
ビジョナリーが男性で、
現場を回すトップが女性。
ある意味、理想形のように思えます。
しかも、地に着いた、アイデアをどんどん出し、周囲を巻き込み、実行していく。
当時、社長であった坂本氏は、それを見守る。
今度は、坂本会長の本も読みたいと思います。
本日は、この辺で。
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