『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』ダニエル・ピンク(著)
出版社: ダイヤモンド社 (2002/04) ISBN-10: 4478190445
目次
第1部 フリーエージェント時代の幕開け
(組織人間の時代の終わり三三〇〇万人のフリーエージェントたち ほか)
第2部 働き方の新たな常識(新しい労働倫理仕事のポートフォリオと分散投資 ほか)
第3部 組織に縛られない生き方(人と人の新しい結びつき互恵的な利他主義 ほか)
第4部 フリーエージェントを妨げるもの(古い制度と現実のギャップ万年臨時社員と新しい労働運動)
第5部 未来の社会はこう変わる(リタイヤからeリタイヤへテイラーメード主義の教育 ほか)
『 もっと違う種類の仕事を探したほうがいいと気づいたのは、もう少しのところでアメリカ合衆国
副大統領にゲロをひっかけそうになったのがきっかけだったと思う。』
◆出世と成功
『「社内政治が第一で、仕事の質は二の次という体質だった」。アプカーの場合、出世が会社を
辞めるきっかけになったのだ。「出世したおかげで、楽しかったことも全部奪われてしまった」
と、彼女は言う。「私がやりたかったのは、部下のやっている仕事だったのに。会社勤めで
どうしても我慢できないことがいくつかったけれど、このこともそのひとつだった」』
◆変化の時代
『こうした労使関係が最初に姿を見せるのは、たいてい就職面接の場だった。面接でよく聞かれる
質問のひとつは、「五年後、十年後にあなたはなにをしていると思いますか?」というものだった。
この質問に対する教科書的な答えは、その会社で出世していて、もっと上のポストへの昇進を
目指していると思いますというものだ。
まるで遠い昔の話のような気がする。いまの大学新卒者の就職面接を考えてみてほしい。「五年
後にはどうしていると思いますか?」という質問に、「五年後?二十五年後だって同じですよ。
この会社で働いています。一生この会社で働くつもりです」と答えたとしよう。不採用になるのは
確実だ。面接担当者自身、いつクビになるかと戦々恐々とし、あるいは会社を辞めて自分で
ビジネスを始めたいと考えている。』
◆家族や友人への忠誠心
『「組織が私に対して忠実であってくれるとは思えない」と、フリーエージェントのサリー・
デュロスは、シカゴ都心部のスターバックスで語った。忠誠心はそもそも個人と個人も間の
ものであり、忠誠心の対象にふさわしいのはいちばん身近な人たちだ。オーガニゼーション・マンは、
夕食の時間に家に帰れなかったり、転勤の辞令が出るたびに家族に引越しを強いるなど、会社への
忠誠を優先させて、家族に対する義務を犠牲にしてきた。フリーエージェントはこの逆の行動を
取る場合が多い。家族と過ごす時間を増やすために会社勤めを辞めた人、子供のそばにいるために
自宅で働くことにした人、家族への義務を果たすために「パートタイム」という働き方を選んだ人は、
家族に対するヨコの忠誠心を優先させたと言える。』
◆労働市場の新しい取引
『 フリーエージェントは、能力と引き換えに、機会を手にする。その機会とは、魅力的なプロジェクト
で働く機会の場合もあれば、新しい技能を身につける機会の場合もある。新しい人と知り合い、
人脈を広げる機会の場合もあれば、仕事を楽しむ機会の場合もある。もちろん、金を儲ける機会の
場合もある。フリーエージェントが求め、会社などの顧客が提供するのは、収入と学習、それに
人脈拡大の機会なのだ。』
★「高度な技能が求められる仕事を自由に行えると、その人の自我は豊かになる」のに対して、「高度な
技能が必要でない仕事を強制されてやらされる」ほど気が滅入ることはほとんどないと、
チクセントミハイは書いているそうです。
本田宗一郎さんなども、仕事と遊びの境目がなくなるとか、熱中していて正月も忘れるほどだった
などと聞きます。
社会の変化や、テクノロジーの進歩によって、必ずしも、大組織(会社)に属さなくても
さまざまなプロジェクトに参加したり、Webによって安価にマーケティングができたり、
設備投資を行わなくても、キンコーズをはじめ、スターバックスを応接室がわりに使えたり、
独りで働くことが可能になりました。
まさしく、最近、セミナーで知り合う人に、こういった価値観、働き方の人が多いように思います。
私は、フリーエージェント経営者になりたいと思います。
本日は、この辺で。
編集後記
いよいよ、ゴールデン・ウィークが迫ってきました。
ふと、考えたら、前半戦は旅行の計画を立て、宿もだいぶ前から予約し、
ばっちりです。
が、
後半戦は、何も考えていませんでした。
自分には、勉強用DVD教材を買い込んであるのですが、
ムスメ達には、そういうわけにはいきませんね(汗)。