『経営に終わりはない (文庫) 』藤沢 武夫(著)
出版社: 文藝春秋 (1998/07) ISBN-13: 978-4167130022
目次
1 生命をあずかる仕事
2 思いがけぬ危機
3 本業以外に手を出すな
4 万物流転の法則
5 経営者の心構え
6 模索と学習の日々
7 たいまつは自分で持て
8 海のむこうへ
9 頭の切り替え
10 本田かぶれ
『おれは金を持っていないけれど、金はつくるよ。金のほうを受け持って、いっしょにやってみたい』
『私は商売人だkら、これからはいっしょにやるけれども、別れるときには損はしないよ。ただし、
その損というのは、金ということではない。何が得られるかわからないけれども、何か得るものを
持ってお別れするよ。だから、得るものを与えてほしいとも思うし、また得るものを自分でも
つくりたいと思う』
◆本田夫人の手打ちうどん
『・・戦後の生活だったから、奥さんもたいへんだったと思います。だけど、うちの人といっしょに
仕事をしてくれる人が東京から来るというときに、料理をつくるというよりも、大きなざるに
うどんをいっぱいに盛って、いっぱい盛ってもそう食べられるわけはありませんが、
しかし、手一杯のものをごちそうしようという気持が伝わってくるのです。
あの奥さんを持ったのは、本田の幸せです。もしも奥さんがうどんを小さなざるで出したら、
私は手を結ばなかったかもしれない、と思うくらいです。』
『 そのような出会いがあって以来、私は人間を判断するときには、その人の家庭を見るように
なりました。人と人との間を結びつける条件は、まず信頼であり、いたわり合いであると
思います。その基本は家庭にあるんですね。
だから、家庭を大事にしない人、奥さんを大切にしない男はだめです。芸術というものが
人と人のふれあいから生まれるものであるとすれば、家庭も芸術でなければならないし、
経営も芸術だろうと思うんです。物ではなく心である。ロマンチストとしての私と企業経営との
接点はそこにあるのじゃないでしょうか。』
◆資本金六千万、設備投資十五億円
『社長、欲しい機械をどんどん入れようよ。そのかわり、すぐ動かしてほしい』
◆誇りを得る働きを
『 なんといっても金には魅力、というより魔力があります。しかし、金儲けをする能力ならば、
本田宗一郎より私のほうが上です。しかも、私はやろうと思えばできないことはない地位にいた。
しかし、どんな場合にも本業以外で儲けることはやりませんでした。
個人でもやりません。株にだって手をださないわけはないんですが、私はやりません。
自分の身のまわりはいつもきれいにしている。だから、みんながついてきてくれる。つまり、
私が何をいっても安心していられるのは、私の身ぎれいさ──それは金の問題に関してですが──
それが重要なポイントです。そうすれば、私が苦しむときに、みんなにも苦しんでくれといえます。』
★藤沢武夫氏は、車の運転をしなかったそうです。
彼の運転免許書は、「靴べら」代わりに使われていたというエピソードがあるそうです。
逆に、
本田宗一郎氏は、自らレースに出るくらいの、車好きです。
本当に、対照的なお2人だったようです。
手を結んだ最初の頃は、夜の二時・三時まで、語り合ったそうです。
けれども、
大企業となった後半は、パーティー会場で会っても、ほとんど会話を交わすことはなかったそうです。
それは、
会話をする必要がないくらいに、お互い、相手が何を考えているか、理解していたし、
トップとしての役割分担が明確だったので、
二人一緒にいる必要がなかったそうです。
本日は、この辺で。