東 ちづる (著), 長谷川 博一 (著) 『“私”はなぜカウンセリングを受けたのか―「いい人、やめた!」
母と娘の挑戦』
出版社: マガジンハウス (2002/11) ASIN: 4838712855
目次
1 母娘の絆
2 父を探して
3 母と娘、そして彼
4 私は母になれるのか?
5 母娘ふたりで
6 「頑張る」から「自由」へ
7 母娘列車から降りる時
8 オンリーワンの私
9 「自分探し」の峠を越えて
10 自分の心に寄り添う
11 “私”らしく生きるために
【アダルト・チルドレン】
幼少期から過度の責任を負わされ、子供らしい幼少期を味わえなかったことにより、
精神的不安定や対人関係の問題を引き起こしやすい性格が形成された人のことをいう。
『・・習い事の場を与えてくれた母には、心から感謝している。安い月謝ではなかっただろうし、
親として相当なエネルギーも必要だったはずなのだから。
ただ、”頑張れ”という焦点がずれていたのだ。
テストで良い点が取れなくても、賞が取れなくても、評価が低くても、結果に関わりなく
私が嬉しそうだったら一緒に喜んでほしかった。悔しそうなら慰めて、やる気に燃えていたら
応援してほしかった。まずは、私の気持ちに反応してほしかったのだ。・・・』
『・・初めての挫折。自分でコントロールできない感情。もう自分のことを好きではいられなく
なった。
それからも、なぜ誰かのように恋愛できないのだろう。どうして誰かのように就職できない
のだろう・・・仕事がうまくいかないのだろう・・・結婚できないのだろう・・子どもが
できないのだろう・・・。自分はなぜ誰々のように・・・他人と比べては焦り、妬む。
にも関わらず、私は相変わらずいい人とやっていた。頼まれると嫌とは言えず無理をする。
気持ちとはうらはらに喜んだり、嬉しそうなふりをしたりする。喜怒哀楽の「怒」も「哀」も
素直には表には出せない。傷ついたり悔しかったりしても、悟られてはいけないという
気持ちがまず先に出る。小さな見栄を張ったり、ささいな嘘をついてしまう。
「しっかり者で明るいちいちゃん」「明朗闊達な東さん」─ 子どもの頃からの
キャッチフレーズが染みついている私には、それ以外の自分が分からない。自己嫌悪に陥り、
自虐的になる。そして「死にたい」と落ち込む。・・』
『・・恋人と、約束されるはずだった安定を失い、私はとことん考えざるをえなかった。
22歳にして初めて自分自身と向き合ったのだ。彼との別れはもちろんショックだった。
それにも増して自分が”依存する女”だったと知らされたことがもっと大きなショックだった。』
『・・今の世にカウンセリングのニーズが高まっている理由はここにある。
「なーんだ、話を聞いて相手を理解すればいいのかぁ」と受け取られるかもしれないが、
「分かろうとする構え」を維持することは、想像する以上に難しい。人は、「自分が正しい」
「自分は知っている」と信じていることを、相手に教えたくなってしまうからだ。
分かる前に助言してしまうのだ。特に大人と子どもの関係で、これは顕著になる。』
★東ちづるさんは、テレビによく出てくる芸能人です。
その彼女が、自分がアダルト・チルドレンであるという事実を乗り越える過程の中で、
母と子のカウンセリングに挑戦し、そのセッションの12回の内、9回を本に起こしたものです。
父親が、アルコール中毒であったことや、
親族のイサカイなど、かなり、込み入った内容まで、正直に文章にされています。
世代間で負の連鎖となり、繋がっていくモノ。
良い影響もあれば、悪い影響もあります。
自分の心の中の、アダルト・チルドレンを探してみようという気になりました。
本日は、この辺で。