折口雅博(著)『折口雅博の50の逆説 (単行本)』
東洋経済新報社 (2000/04)
目次
第1章 介護は究極のサービス業だ!
第2章 ビジネスチャンスは昔ながらの事業にある
第3章 月曜日でもディスコに客は来る!
第4章 ベンチャースピリットを持てば道は開ける
第5章 折口雅博はクリエーターではなく経営者である
◆「安定」は、私にとって「リスク」である
◆「常識」の間違い、「正論」の嘘に惑わされるな
『グッドウィル・グループの事業は、人材ビジネス、アウトソーシング、医療・福祉を
三本柱とする「総合人材サービス」である。この分野の市場規模は、通産省の資産に
よると、2010年には129兆円に膨れ上がるとされている。グッドウィル・グループは
そこでトップ企業を目指している。・・・』
◆介護はビジネスにならない。
『在宅介護サービスのパイオニアである「コムスン」の株を取得したのは、1997年2月である。
一億七千万の投資で20パーセントの株を取得し、グッドウィルが筆頭株主となった。
一億七千万という投資額は、現在のグッドウィル・グループにすればたいしたことはない。
しかし当時は、軽作業請負のグッドウィルを創業してから二年後のことであり、直前期の
経常利益わずか2000万円の時代である。一億七千万は余っていたお金ではなく、
短期資金として銀行から借り入れた分をも回してつくった資金だった。一部の銀行や周囲から
は反対の声が起こった。当時のグッドウィルにとっては、社運を賭けた投資だったと
いってもいい。
周囲の反応は、想像どおりだった。コムスンは三期連続の赤字企業であり、介護保険法も
成立していない。「介護は儲からない」「介護はビジネスにならない」ということが、
半ば常識のように思われていたからだ。
それでも私が投資したのは、確かな勝算があったからだ。・・・』
◆介護と医療は違う介護は究極のサービス業である
『コムスンにとって、同業他社は怖くない。医療機関が参入してきても、負けない自信が
ある。むしろ一流ホテルが介護事業に乗り出してきたとしたら、最も怖い相手となるだろう』
◆寝たきりの高齢者が歯科医療を受けるのは難しい
『コムスンでは2000年2月、100パーセント出資の子会社「デンタル・コムスン」を設立した』
◆介護サービスといえばおむつ替えなどの身体介護である
『クリークという会社をご存知だろうか。山口俊夫会長率いる同社は、1992年に事業を
スタートさせて、わずか八年で業界第三位の地位を築いたエステティック会社である。
広告宣伝をせず、テレマーケティング、ダイレクトメール、口コミだけで、
全国で100店舗を有し、売り上げ130億円、経常利益6億5000万円を上げる
までに成長した驚くべきパワーを持った会社である。
この会社が2000年2月、グッドウィル・グループに加わったことで「介護美容サービス」
という新たな分野を開拓することができた。・・・』
◆資産を残して子供に相続させたい
『「不動産を子に相続させたい」という考え方がほとんどない欧米では、「リバース・
モーゲージ」が浸透している。資産(住宅)は所有しているが所得は少ないという
高齢者が、住宅を担保にして融資をうけ、生活費や娯楽費にあてるというシステムで
ある。・・・』
『日本では、一部の自治体が試験的に導入しているにすぎず、一般にはまだなじみのない
システムだが、今後、グッドウィル・グループとして積極的に取り組んでいきたい。
我々のグループには、融資と投資の両方を提供するGWキャピタルという会社があるが、
ここが中心となって、金融機関との協力のもとに、展開していく予定だ。』
『1999年12月に、旅行会社のエス・ピー・アイ(のちに、コムスン・トラベルに社名変更)
が、グッドウィル・グループに加わった。高齢者や障害者を対象とした旅行代理業務を
三年前から手がけている。・・・』
◆人材ビジネスは競合が多く新規参入は不利である
『ホワイトカラー分野への進出も果たしている。
97年2月にアールティーシーを買収し、「グッドウィル・キャリア」と社名変更した。
この会社はずばり、ホワイトカラー専門のアウトソーシング事業を展開している。
管理職はもとより、技術者や経理など、あらゆる職種を対象にした人材派遣、転職斡旋、
コンサルティングを行っている。・・・』
◆人間には無限の可能性がある限界をつくっているのは我々自身だ
◆不言実行はだれにでもできる
有言実行こそ成功者の条件である
★二日間連続して、折口会長の本をお届けしております。
この方の凄いのは、その経歴とここまでのスピード。また、苦労や逆境から這い上がった
スピリッツです。
けれども、3冊と講演ビデオを通して、
言っていることに、全くブレがないことに、本当に驚かされます。
約10年のスパンで、10年前に見通したことを、
最高のスピードで現実にしていっている、ということなんでしょうか。
いまや、押しもおされなぬ、大企業となりました。
そして、いよいよ
「でっかいことがやりたい」という折口会長の、想いが実現しそうです。
折口マニアと、グッドウィル・グループへの投資を考える方に、お薦めです。
本日は、この辺で。