吉川武男著「バランス・スコアカード入門」生産性出版です。
目次
1、バランス・スコアカード基礎
2、バランス・スコアカードの構築
3、ビジョンと戦略の設定
4、重要成功要因分析による視点の洗い出し
5、戦略目標の設定と重要成功要因の洗い出し
6、業績評価の指標の設定
7、財務視点の業績評価指標
8、顧客の視点の業績評価指標
9、業務プロセスの視点の業績評価指標
10、人材と変革の視点の業績評価指標
11、ターゲットの設定と戦略プログラムの作成
12、バランス・スコアカードの運用
13、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド銀行に学ぶバランス・スコアカード
★読んだ率直な感想としては、中小企業向けではなく、人が豊富にいる大企業でないと運用できないツールのように思えました。
★もちろん中小企業に役立つ点もあります。
◆バランス・スコアカードとは何か
バランス・スコアカード(Balanced Scorecard)は、ビジョンと戦略をアクションに落とし込み、成長力と競争力を付け、
未来を切り拓き、企業を成功に導く戦略的マネジメント・システムである。
◆バランス・スコアカードの4つの視点
◎財務的視点
-財務的に成功する為に、ステークホルダーに対してどうのように行動すべきか
◎業務プロセスの視点
-株主と顧客を満足させるために、どのような業務プロセスに秀でるべきか
◎人材と変革の視点
-ビジョンと戦略を達成するために、どのように人材育成と変革能力を強化すべきか
◎顧客の視点
-ビジョンと戦略と達成するために、顧客に対してどのような行動すべきか
◆バランス・スコアカードの基本項目
バランス・スコアカードは、それぞれ4つの視点に対し、次のような項目を設けている
①戦略目標
②重要成功要因
③業績評価指標
④ターゲット
⑤戦略プログラムないしアクション・プラン
◆バランス・スコアカードの特徴
①ビジョンと戦略を明確ないし、再構築することができる
②ビジョンと戦略を経営トップだけのものとしないで、従業員1人ひとりのアクションに落とし込み、将来の
競争優位を獲得することができる。
③全従業員が一丸となって全員参加の企業経営ないし社風を創り、ビジョンと戦略の実現のために果敢に
挑戦させることができる。
④従業員1人ひとりの責任と権限を明確にし、合理的な企業経営を行なうことができる
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◆バランス・スコアカードの基本的フレーム・ワーク
第一ステップ:ビジョンと戦略の設定
第二ステップ:重要成功要因分析による視点の洗い出し
第三ステップ:戦略目標の設定と重要成功要因の洗い出し
第四ステップ:業績評価指標の設定
第五ステップ:ターゲットプランの設定と戦略プログラムないしアクション・プランの作成
第六ステップ:バランス・スコアカードの運用
◆バランス・スコアカードの4つの重要成功要因
◎顧客満足の向上
◎企業の対応能力
◎企業の人材育成と変革能力の強化
◎財務的業績の向上
◆ビジョンや戦略に直結した財務的業績評価指標の設定
日本で一般的な業績評価指標
①流動比率
②売上高利益率
③使用総資本利益率
④増収率
⑤投資利益率
⑥労働装備率
⑦キャッシュ・フロー
⑧使用総資本回転率
◆損益分岐点時間表
★業務プロセスの業績評価指標やその辺のプロセスマネジメントといのは、是非参考にしたいところです。
個人的には、揚げ足取りではありませんが、重要成功要因分析が鍵であり、これがきちんとできれば
ある程度どんな手法でも成功できると思います。
これがなかなか分からないので、難しいのが、世の中じゃないかと。
これは先日smoothさんのコメントで、戦略マップとマインドマップの違いについて、という質問があり、
それによってご紹介する運びとなりました。
結論からすると、基本的には同じものだと思います。よくベンチャー企業ビジネスが、コースターや
紙ナプキンのメモからきっかけにアイデアがでてくるというイメージです。
本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」でよくでてきます。
ですから、特にトップの頭の中には、常に様ざまなアイデア(戦略・ビジョン)があり、それを打合せや会議を
通して、共有されているのだと思います。それを、もう少し、定型的な形にしたものが戦略マップであり、
それのもっと大規模なものがバランス・スコアカードと言えます。
本日は、この辺で。