今回は、べリングポイント著「スピード決算マネジメント」生産性出版社¥2000-です。
これは上場企業向けの四半期決算を主なテーマとして書かれたものです。
時期的に旬と思われる会計的な内容は、予算作成でしょう。多くの3月決算の会社では、1月中旬より部署にて予算を作成します。後半までに経理部と部署間で2から3回のの調整が行われた上で、2月上旬頃役員会の承認を受けるスケジュールが多いと伺います。
予算編成にかかる日程の短縮を図るには
○作成必須項目を削減する
○作成内容を平易で容易なものにする
○できるだけ処理を同時並行できるようにプロセスを組み立てる
○承認プロセスの簡素化、または削減を図る
○調整をルール化する
○集計結果を随時確認できるようにする
○予算数値の確定基準を持つ
○実績データベースの参照を容易にする
逆に遅くしている原因
○予算編成方針が明確でないため、予算編成作業の手戻りが多い
○予算編成を各自が異なるフォームで、勝手に表計算ソフト等を利用して行なうため、集計に時間が掛かる
○予算編成資料が膨大である
○予算編成担当のスピードに対する意識が低い
○予算編成の集計データを必要以上に細かいレベル(細目勘定など)で集計している
○予算編成システムのシステム化が不十分である
○承認プロセスが複雑である
○予算調整に多くの時間を要する
月次決算の早期化に付いて
ソニーは1995年当時24営業日かけて連結決算を集計したころ「こんな古新聞を読んでも意味がない」という社長の厳しい訓戒が、8営業までの短縮を強く後押しした。アメリカではシスコシステムズが最短の一日、日本ではトヨタは2〓3日程度だと思われる。ここまでくると月次早期化だけではなく、日次決算システムを導入している。
日次決算実施の要件
○日次決算の活用方法が明確となっていることー単に見たいということだけでは、手間を要するだけである
○データの投入が毎日、行なわれるように従業員、仕入先の「躾」ができている
○関連システムとの間でインターフェイスがリアルタイム、あるいは日次ベースで行なわれること
○予定原価(予定価格)を日々で発生させるシステムが構築されていること
○結果レポートが紙での配布ではなく、画面検索となっていること
具体的なシステムの内容に付いては、明日NTTドコモのシステムを紹介したいと思います。