中村 健一(著)『たんす屋でござる。 呉服問屋3代目の成功哲学』
商業界 (2006/4/25)
目次
第1章 『たんす屋』誕生―じり貧の呉服問屋経営から社内創業へ
第2章 社内革命物語―ぜい変の中で流れた血と活かされた過去の資産
第3章 急成長期と試行錯誤―新業態を立ち上げて何が起こったか
第4章 「新業態」確立のために―『たんす屋』の近未来戦略
第5章 衰退企業のただ中にいる方々へ―まず潰すことからすべてが始まる
第6章 目指すは世界―たんす屋フィロソフィーときものルネサンス
◆『ブックオフ』との出会い
『・・そんな98年の12月、都内荻窪の青梅街道に面した、『ブックオフ』のお店に足を
踏み入れる機会があった。当時、『ブックオフ』はすでに創業より7~8年経過して
おり、400店近く出店していたが、私はまったくその存在を知らなかった。その頃の
『ブックオフ』荻窪店は、都内で最大店舗だったそうだが、入ったとたん私は、
その大きさ、明るさ、お客の多さ、活気、すべてに驚かされた。さらにそれが古本屋
と気づき、二度びっくりすると同時に、ヒザをポンとたたいた(ようなイメージだった)。
そうだ、「きものオフ」だ。「きものオフ」をつくれば、「きものは高い」問題を
解決できるぞ、と直感した。』
◆社長自らがライトバンに乗って
◆『たんす屋』が起こす、きもの市場革命
◆変化をリードしたのは管理本部
『私は、入社して3年間経理にいたが、これは、大学在学中に大ケガをし、とても外に
出られる状態になく、やむなく社内においてもらったというわけだ。
・・慣れないソロバンをはじきながら、早く外に出たい、出て営業したいと思いつつ
帳簿をつけていた。しかし、B/SやP/Lの基礎をまず学ぶことができたのは、貴重な
実体験だったし、毎月の試算表づくりから資金繰りまで担当させてもらうなど、
ある意味、経営者の基本知識を最初に身につけることができたのは、正解であったと思う。』
◆テーラーからつるしへの流れ
◆「カネさえあれば」のウソ
◆卸をやめてキャッシュフロー経営が可能に
『ではどうすればよいのか。やめるのである。500軒を超えてあった卸のお客さまが、
6年でゼロ件になった。結果として、在庫、売掛金、受取手形残プラス投資有価証券の
合計で8億円を割るようになり、ピークと比較して約25億円削減できた。・・』
◆21世紀型Reビジネス」とは
◆「衰退産業指定」のお知らせはやってこない
★たまたまでしょうが、土曜日の本と通じるところがあります。
そして、この方も、稲盛和夫氏の教えを勉強されています。経営理念はありがたく頂戴したと、
あります。
一見すると、衰退産業のきもの業界から、新しいビジネスモデルを構築された点、
まわりの二代目・三代目の老舗企業がバタバタと倒れていく中、
自らも三代目でありながら、従来のビジネスを全てスクラップし、
再構築した点など、
非常に、勉強になった1冊です。
薄い本ですし、メンターからの教えと思えば1500円は安いです。
手に入りにくいようですが、本屋で見かけたら、ぜひお手にとってみてください。
本日は、この辺で。