『広告の巨人オグルヴィ語録』デイヴィッド・オグルヴィ 山内 あゆ子(著)
出版社: 海と月社 (2007/2/16) ISBN-10: 4903212041
目次
序文
1 若かりし日々
2 ノート、メモ、手紙
3 リスト
4 講演と論文
5 経営方針と企業文化
6 リーダーシップ–マネージメントで忘れられた要素
7 デイヴィッド・オグルヴィ75歳–フランスの自宅でのインタビュー
著者年譜
◆③競合他社・・・
『類似のクッカーをつくっている競合他社の話をすると、どうしても否定的かつ過剰防衛になりがち
なので、極力口にしないこと。どんなことがあっても他社製品をくさしてはならない。君が何を言っても
何の影響力もないうえに、相手は君の誠実さを疑いはじめ、結局は嫌われるだけだ。
この問題に対処するのに一番いい方法は、競合他社製品の特徴、欠点、セールストークについての
情報を可能なかぎり手に入れ、そのうえで何も言わないでおくことだ。他のクッカーについて深い知識が
あれば、アグクッカーの美点を、もっと確信を持って売り込める。』
◆[会議で役立つ人間になる方法]
『 毎週、いくつかの会議がある。クライアントとの会議の場合もあるし、社内会議もあるが、こうした場では、
たいてい上役ばかりが発言する。往々にして部下たちはそれを黙って聞く以外、何もやることがない──。
一般的にはそういうことになっているらしい。だが、これでは駄目だ。第一に、部下は遠慮なく発言すべき
である。たとえば、私の発言内容で賛同できない部分があればそう言うべきだ、手遅れになる前に。彼らの
耳には入っているのに、私の耳には届かない情報があまりにも多すぎる。
しかしこれは本題ではない。このメモの主目的は、会議に出る若手スタッフに「サービス」を行うことで
役に立つ存在になってほしいということだ。
たとえば、以前の広告についての議論が始まったら、会議室から出て当の広告を持って来る。そうすれば、
現物を前にしてもっと実質的な議論ができる。
また、会議を進めているうちに、アートディレクターやメディアの専門家がその場にいたほうが話が発展する
と察知したら、すぐに会議室を出て彼らを連れてくることだ。
若手が尻に根が生えたように座り込み、その場に生じている刺激に何も反応しないことがとても多い。・・』
『「リーダーは、周囲に伝染するほどの楽観主義者であり、困難に直面しても耐え抜く決意の持ち主でなければならない。
また、結果について確信が持てないときでも、輝くばかりの自信を放っていなければならない」
「リーダーとして合格かどうかを試す最終試験は、[会議が終わって席を立つとき、出席者がどんな気持ちになっている
か]である。皆が高揚し、自信に満ちているだろうか?」
ワーテルローの戦いに勝利を収めたウェリントン公爵は、「ナポレオンが戦場にいるというだけで、四万人の
兵士がいるのと同じ価値がある」とよく言っていたそうです。』
◆私はリーダーに次のような資質を求める。
『①個人としての高い倫理基準を有している。
②懐が大きく、ケチな了見を持たない。
③プレッシャーに負けない闘志、敗北を喫しても立ち直る回復力がある。
④輝かしい知性がある(地道一筋、安全な道だけを進んではならない)。
⑤徹夜のハードワークもいとわない耐久力がある。
⑥カリスマ性がある(魅力と説得力がある)。
⑦型破りである(創造的革新者)。
⑧難しい決断を下す勇気の持ち主。
⑨人を奮起させる熱狂的態度(勢いと活気がある)。
⑩ユーモアのセンスがある。
◆[経理部門の人材]
『 経理部門もまた重要である。この部門の人間は、銃を突きつけられてでも断固として経営会議に自分の意見を
聞き入れさせなければならない。恐れを知らぬ不屈の精神が必要だ。また、我が社のすべての内情に通じる
立場にあるのだから、慎重さも求められる。
『 ほとんどの企業は、ブランドイメージや個性を限定したがらないものです。すべての商品を、万人向けの
万能商品にしたいのです。男性向けであると同時に女性向けでもあるブランドにしたい、上流受けをねらいつつ
大衆にも受け入れられたい──。こんなふうに欲ばりすぎて、結局は個性と呼べるようなものが何ひとつなくなり
ます。及び腰の、気の抜けたブランドになってしまうのです。去勢された鶏が雄鶏に勝てるわけはありません。
今日の市場には、去勢された弱弱しいブランドが割り込む余地などどこにもないのです。』
★リーダーシップや、ブランド作りについて、
非常に、明確で、分かりやい言葉だと思いました。
広告界の大御所なので、
マーケティングや営業など、いろいろと、参考になりそうです。
経営計画や、戦略を考える方にお勧めです。
本日は、この辺で。