『動産担保融資の夜明け―中小企業の運転資金確保に新しい時代の波』 久保田 清(著)
出版社: 銀行研修社 (2007/03) ISBN-10: 4765742229
目次
はしがき
序 動産担保融資とはどのような融資手法か
▼動産担保融資とは
▼不動産担保融資手法との違い
▼問題点
第一章 バブル崩壊を身に浴びて
1 二度とバブルは起こすまい
2 神谷町から起こった悲劇
▼バブル発祥の地
▼「担保主義」でおろそかになっていた企-0業の診断
3 奮迅の日々~ビジネス・マッチング
▼ビジネス・マッチングしかできない
▼日本橋支店での出会い
▼日本橋で掴んだビジネス・マッチングのきっかけ
▼「倒産しますよ」「それでもいい」
▼「在庫が担保に取れれば…」
▼ある社長の死
▼銀行は医者でなくてはならない
4 上野駅ホームで立ちすくみ
▼ここは戦場か?
▼駅のホームの柱に頼る日々
5 地下鉄サリン事件、その日の記憶
▼五日延びた葬儀
▼バブルを再び起こさないために
第二章 ドン・キホーテの”隠れた”ノウハウ
1 ドン・キホーテとの縁
▼「目利き人」の存在
▼ドンキとの巡りあわせ
2 オンリーワンの買い取りノウハウ
▼「目利き人」との出会い
▼目利きのノウハウ
▼スタッフは皆一軒の商店主
▼270万件にものぼる商品データ
▼目利き能力=動産評価能力
3 銀行の在庫評価はいい加減だった
▼2億円の評価が2,000万円となることもざら
▼決算書上の在庫分析では何も分からない
▼在庫商品把握革命
第三章 発明の”瞬間”
1 動産評価+融資……?
▼動産譲渡登記制度の可能性
2 世の中が変わる! そう確信した
▼買取可能=評価可能なのだが…
▼動産評価業務着想の1週間
3 無担保融資の動産担保
▼銀行にとって必要な保全
▼「保全」として難しい位置づけの動産
▼「ICタグ」をつけるのでは手間も金もかかる
▼無担保融資で動産担保を活用
▼「担保主義」を乗り越えた動産担保融資を
▼動産”評価”を融資にどう活かすか
▼「動産評価鑑定士」による「動産評価鑑定書」の作成
▼2とおりの評価額
▼金融機関側のルール作りも必要
▼在庫診断から深い企業分析が可能になる
▼3つの利用モデル
▼動産担保は「早い者勝ち」
▼信頼できる評価業務が必要
▼「動産評価鑑定士」「ABL協会」誕生へ
▼「再チャレンジ」でも中心のテーマに
4 100メートル走~各行一斉にスタート
▼3/10の銀行員にしか伝わらない
▼目利き人たちの特訓
▼銀行の取組姿勢のばらつき
第四章 「動産担保融資」の夜明け
1 「動産評価鑑定士」の誕生
2 経済の革命—-“なぜ銀行でもないドンキが!?”
▼「士」の壁
▼1人の理解者からビジネスモデル特許まで発展
3 動き出した「動産担保融資」
▼法務局の人ですら知らない現実
▼まだ誰も気づいてないだけ—-大変な先駆者のはず
▼ABL研究会からABL協会へ
4 ビジネスモデル特許
▼目利き人の眼力をビジネスモデル化
▼オリジナルのノウハウを特許申請
5 りそな銀行と共に始動
▼中小企業の在庫評価がカギ
▼第1号案件を実施
6 革命の立役者たち
▼振り返れば多くの理解者がいた
▼1年で到達できた原動力
7 ドン・キホーテのABLのスキームについて
第五章 新たなビジネスチャンスへ
1 現在進行形のプロジェクト
▼積極的な金融機関の増加
▼ゴードン・ブラザーズ・ジャパンとの関係強化
2 ベンチャー、中小企業に光差す
▼大阪府の制度融資
▼保証制度の開始
▼新ビジネスが多く生まれつつある
あとがき
◆「担保主義」でおろそかになっていた企業の診断
『 本音を言うと、「量の拡大」政策を掲げてバブル景気を後押ししてきたのは誰ですか、という
思いが私のなかにはありました。不動産を担保にとり、企業さん、どうぞどんどん投資してください
と金を貸してきた、それも銀行じゃないですか、と。景気が悪くなってきたとたんに手のひらを返し、
もう貸せませんでは、相談に来た彼らは死んじゃうじゃないですか。もちろん経営の仕方にも
問題があったかもしれません。しかし、どうぞやってくださいと言わんばかりに投資を勧めたのも
私たち銀行ではなかったでしょうか。』
◆「在庫が担保に取れれば・・・」
『 動産を担保設定する際には占有の問題が生じます。例えば家具や工作機械を担保に取ったとしても、
自分の銀行に持って帰るわけではないので、それらが知らない間に売られてしまっていても
わかりません。
登記ができなかったので、担保の二重設定も起こりえます。自分の銀行の担保だと思っていた物が、
いつの間にか他の銀行の担保にも取られていて、いざというときにトラブルになっています。
これもよくある話でした。』
◆バブルを再び起こさないために
◆「目利き人」の存在
『 店内はまるで上野のアメ横のようでした。物が天井からぶら下がっていて、目当ての品も
見つかりません。
実は嫌になってしまい、ここで買わなくてもいいのではないか、とも思いました。せっかく来たん
だからと妻に言われ、仕方なくお店の人を探しました。ところが、店員さんもなかなか見つかりません
。
やっとのことで店員さんをつかまえて、ジャージを買うことができました。
まさか自分がドン・キホーテの業務本部長になろうとは、そのときは夢にも思いませんでした。』
◆スタッフは皆一軒の商店主
『 ドン・キホーテは入社二、三カ月の社員に売り場を一任するスタッフ商店主システムを
採っています。簡単に言うと、社内に○○屋さんという商店を無数に作っているのです。
それぞれの店舗の買い場がひとつの独立したお店で、買い場を任されたスタッフたちは皆一軒の
商店主なのです。』
◆決算書上の在庫分析では何も分からない
★2005年10月3日から動産譲渡担保登記制度が開始されたそうです。
著者の久保田さんは、ドン・キホーテの前職は、ながく銀行づとめをされていて、
バブル崩壊で、辛酸を舐めたお客さんと共に戦ったことで、
ノイローゼになりかかった経験から、
中小企業に積極的に融資できるスキームを探しもとめたそうです。
そして、
ドン・キホーテという会社の中に、「目利き天才」と呼ぶべき人をゴロゴロ見て、
衝撃を受けたそうです。
ついに、「動産評価鑑定士」という商標を取って、これを新たなビジネスチャンスとしました。
私のビジネスは、在庫を持たないので、
あまり接点はないのですが、
多くの、中小企業には、融資の新たな選択肢となりそうです。
本日は、この辺で。
編集後記
月曜日に、事務所で使っているパソコンをビスタに変えました。
まだ、ゲーム(?)ぐらいしか入れていませんが。
けっこう乗せ換えは、手間ですね。
これが、最後の自己所有のパソコンとなるかもしれません。
グループウェアだったり、ブログだったし、
サーバー上で完結する、システムがどんどん増えて、クライアント上のプログラムやデータが
なくなれば、自分のパソコンは、不要となりますね。