『ワーキングプア―日本を蝕む病』NHKスペシャル「ワーキングプア」取材班 (著)
出版社: ポプラ社 (2007/06) ISBN-10: 4591098273
目次
1 「貧困」の闇が広がる日本
2 ホームレス化する若者
3 崩壊寸前の地方
4 夢を奪われた女性
5 グローバル化の波にさらわれる中小企業
6 死ぬまで働かざるをえない老人
7 荒廃を背負う子ども
8 現実に向き合う時
◆働きたくても働く場のない若者たち
『 出会った高校生たちは口々に私たちに訴えた。
「正社員で雇ってくれるところだったら、どこでもいいんです。安くても、厳しくてもいい。
でも、本当にどこも雇ってくれない」
「この村で一番良い働き口は自衛隊です。公務員だから安定しているんです。それ以外、
目指す就職先はありません。去年、合格した人はヒーローでしたよ」』
◆誠実に働き続ける人たちの叫び
『 ユキさんのインタビューを撮影していた時だった。横で座って聞いていたユキさんの母親が、
堰を切ったように語り出した。「田舎は捨てられちょる。都会なざ、ちぃとずつ、良くなって
きちょるが、田舎はだめだ。捨てられちょる」
小柄で上品な、よく笑う母親だった。その母親の突然の変わりよう、語気の強さと怒りを
にじませた表情に圧倒された。この時の、番組でも紹介させていただいた。地方から逃げ出す
こともなく、踏みとどまって生きている人たちの悲鳴にも似た、印象的なインタビューだった。』
『「IT技術をもってさえいれば、億万長者になれる」国で、「工場で朝から晩まで額に汗して
働いても、日々の暮らしもままならない」というのは、何かが間違っているのではないだろうか。
戦後最長の好景気に沸く日本。国も企業も何か大事なものを見失ってはいないだろうか。
そして、国家のかたちが大きく変わりつつある今、国民もまた、どういう未来を選択するのか、
岐路に立たされているのかもしれない。』
◆マンガ喫茶を住処として
『「最初は好きなマンガも読めるし、ドリンクは飲み放題だし、マンガ喫茶暮らしもいいかなって
思ってたんですよね。でも、だんだん体がきつくなってきて、仕事にいくのがおっくうになって
休んでしまうことがあったり・・・。収入は余計に減るし悪循環ですよ」
マンガ喫茶を仮の宿に生活する若者たち。その誰もが疲れ切っていた。』
◆貧乏人は死ぬしかない
『 医療負担が上がったら、どうやって生活を維持していくんですか。別れ際に、一番、聞くのが
辛くて、それでも聞かずにはいられなかった質問をぶつけた。
「生活保護をうけるしかねえって、いってもな、この家を手放すことはできねえ。俺は仕立て屋
だからな。家があれば生活保護が受けれねえって言うんだべよ。したら、仕方ねぇ。貧乏人は
死ぬしかねえべ」
うつむきながら、ぽつぽつと、絞り出すような、それでも覚悟を決めた話し方だった。
高度成長期、地域を支え、国を支え続けた鈴木さんのような人が、時代の変化から取り残される
ケースは珍しくない。多くは、家族のため、地域のため、必死で働き続けた人たちだ。
まじめに、ひたむきに生きてきた人たちが救われない社会であっていいのだろうか。
鈴木さんが、いつまでも小さな仕立て屋で、妻の帰りを待ちながら生活を続けれられる
世の中であってほしい。そのためには、何が必要なのだろうか。』
★テレビの放送は、良く見ることができませんでした。
好調が続いてきた、経済も、少し変調をきたしています。
資本主義社会は、スピード・効率性を追いかけていかないと、
自分が、飲み込まれてしまう、
そんな恐れの中で、突っ走っていかざるをえない部分があります。
両立するのは、タフな課題かもしれませんが、
こうした現実を、忘れてはいけないと、思いました。
本日は、この辺で。
地方の貧困の問題を解決したい。
この本が僕の原点の一つです。
キャラバンパーク構想で、地方にインバウンド外国人観光客を走客して、
地元の人たちの雇用につながっていく。
そのためにも、
レンタキャンを大きくして、たくさんのキャンピングカーを地方に送り込みたいです。