『リッツ・カールトン20の秘密―一枚のカード(クレド)に込められた成功の法則 』井上 富紀子 リコ・ドゥ(著)
ブランク(著)
出版社: オータパブリケイションズ (2007/04) ISBN-10: 4903721027
『 桧垣さんのある言葉が、私の耳に飛び込んできた。
「今現在、世界中に59のザ・リッツ・カールトンホテルがあります」
さらりと放たれた言葉だったので、受講者の中でどれほどの人がこの言葉に惹きつけられたかは
わからないが、私には衝撃だった。
当時、私が利用したことのあるリッツ・カールトンは大阪だけ。
決して、ホテルフリークではなかった私にとって、世界中に点在する59ものリッツ・カールトン
は、新しい未来への扉にさえ感じられた。
ひらめきが走った。
世界中のリッツ・カールトンに行ってみたい!
そうすれば何かが変わるかもしれない。』
『「59全部のリッツ・カールトンを尋ねたら、何かご褒美がもらえますか?」
後方から、嘲笑するつぶやきが聞こえた。
でも、彼女はニッコリと微笑んで、「もちろんです」と言ってくださった。』
◆モットー
紳士淑女とは
「いつなんどきであっても、まわりの人々を心地よくさせる人」である
『「紳士淑女にお仕えする我々も紳士淑女です」
モットーの一文を支えるのは、お互いを最大限に尊敬しあう精神なのです。
お客様にへりくだり召使いのように接するのではなく、同じ目線、同じ感性で紳士淑女として
信頼関係を築くことこそが、誠意あるおもてなしにつながっていくのです。
対等という意識を持つことで、おのずと立ち居ふるまいや行動、人として生きる姿勢にも
誇りが備わっていくはずです。』
◆パーソナル
ゲストを知ろうとする努力こそ
ワン・トゥ・ワンサービスの原点
『2、私は、お客様の願望やニーズには、言葉にされるものも、されないものも、常におこたえします。』
◆エンパワーメント
『 皆さんにとって、ホテルとはどのような存在でしょう。
ほとんどの方は、喜びや感動、癒しや快適さを求めて足を運ばれることが多いのではないで
しょうか。
そして私たちも、お客様に喜んでいただくことを使命に仕事をしています。お客様の感動がまた、
私たちの向上への意欲につながり、さらには仕事をする上での誇りにつながっていきます。
そこにリッツ・カールトンの従業員に浸透するマインド「PRIDE & JOY」(誇りと喜び)が
生まれるのです。「PRIDE & JOY」を感じながら仕事をすることは、私たちとお客様との良好な
相関関係をも築きます。
その「PRIDE & JOY」を感じながら仕事をするために必要なもののひとつが、エンパワーメント
(権限委譲)です。』
★著者が、リッツカールトンとの関わりの中で書かれた実話なので、
本当の感動がここにはあります。
また、
企業人としては、
クレームに対する対応の仕方、それも、その場しのぎのノウハウではなく、
トヨタ式改善にも通じる、サービスの仕組み化や、フィードバックの部分まで説明されています。
ちょっと、リッチな旅行がしたいという方、
人と人との繋がりでの感動を読みたいという方、
そして、もちろん、
全てのサービス業、接客に関わる方に、強くお薦めします。
私の会社でも、クレドを毎朝やっています。
なかでも、難しいと、評判なのは、引用でもあげた「エンパワーメント」(権限委譲)です。
中小企業で、トップダウンの文化が根づいていると、なかなか理解しずらにようです。
天外伺朗さんの言うところの、「やりすごし」という考え方とも、関連があるように思います。
本日は、この辺で。
編集後記
今日、ご紹介する本は、昨日、郵便で届きました。
献本というものです(ちょっと、嬉しい気もします)。
ただ、
私の場合は、自称、変わり者ですので、
献本頂いても、自分でも買います。
まぁ、会社なんで、良い本ならば同じ本が何冊かあっても良いと思いますし、
良い本であれば、尚のこと、知り合いに差し上げたりできるからです。
ですんで、
もらえるものは、どんどん、献本ください(笑)。